No.09981 Re: 3群以上の比較にt検定を使ってはいけない理由は? 【青木繁伸】 2009/06/02(Tue) 22:33
どこがよくわからないのかよくわからないのですが,以下のような表を作ると助けになりますか?
No.09985 Re: 3群以上の比較にt検定を使ってはいけない理由は? 【波音】 2009/06/03(Wed) 09:46
もっとイメージ的な説明をすると:
ある横断歩道を赤信号のときに渡ると5%の確率で事故にあうとします。
そ の横断歩道を信号が赤のときに1回だけ渡るのであれば,事故にあう確率はたしかに5%でしょう(これが1回だけt検定を行ったということにあたる)。しか し,たとえ5%の確率でしか事故にあわないとしても,2回,3回と何回も繰り返し赤信号で渡れば,事故にあう確率は間違いなく5%よりも高くなるでしょう (これが2回以上繰り返しt検定を行うという行為にあたる)。
−−−
1回の検定を「弾丸が1発だけ装着されているリボルバーを頭に当てて引き金を引く」ことに例えれば,
1回目: 発弾する確率1/5
2回目: 発弾する確率1/5
3回目: 発弾する確率1/5
(3回行うなら,1発しか装着されていないリボルバーを3つ用意するということ)
といったように,繰り返しロシアンルーレットに挑戦するのは危険だということが分かるでしょう(発弾する確率は明らかに1/5より大きいはずです)? 理屈としては同じことです。
No.09989 Re: 3群以上の比較にt検定を使ってはいけない理由は? 【統計学初心者】 2009/06/03(Wed) 17:32
>青木先生
ありがとうございます。
この表を見ていて,一番右の赤字の確率が何を意味するのかがわからないです。
もちろん3つのことが共に起こる確率であるというのはわかります。
その3つのことが共に起こるという状態は検定において,どういった意義を持つのかがわからないです。
t検定における帰無仮説を「A群の平均値とB群の平均値に差は無い」とする。
帰無仮説が正しいのに帰無仮説を棄却してしまう確率が5%。
つまり5%の確率で,本当は差がないにも関わらず,差があるという検定結果になる。
95%の確率で優位差はあると信じても良いだろう。
この概念から考えると,一番右の赤字の確率はどういった意味づけが出来るのでしょうか?
あと,僕がわからないと書いた点について補足します。
例えば,薬の投与量に対するあるホルモン濃度の変化に関するデータがあったとき,
投与量を3段階+無投与の4つの群の変化量を比較するとします。
この際に,薬の投与の影響を知りたければ,無投与の群と投与量の違う3つの群とをそれぞれt検定で比較すれば良いように思うのです。
それぞれのt検定の結果は,無投与との比較という点においては有効であると思うのですが,それは間違っているのでしょうか?
No.09990 Re: 3群以上の比較にt検定を使ってはいけない理由は? 【統計学初心者】 2009/06/03(Wed) 17:41
>波音さま
そのイメージはものすごく理解できます。
また同時に,ギャンブルを考えた際にいつも混乱する点です。
単純にコインの裏表を出すゲームである時。
3回連続で表が出る確率は(1/2)x(1/2)x(1/2)=1/8ですよね?
しかし,すでに2回連続で表を出していて,3回目に表を出す確率は1/2ですよね?
でも,この場合,もう2回連続表を出しているのだから,次も表が出ることってかなり確率が低いのでは無いかとイメージ的にはよぎってしまうのです。
このイメージと実際の理論とのズレに泥沼に陥ってしまいます。
No.09991 Re: 3群以上の比較にt検定を使ってはいけない理由は? 【青木繁伸】 2009/06/03(Wed) 18:21
> その3つのことが共に起こるという状態は検定において,どういった意義を持つのかがわからないです。
そうですね,言葉が足りない上に,不適切でした。No. 9981 は,なかったことにしてください。
No.09992 Re: 3群以上の比較にt検定を使ってはいけない理由は? 【波音】 2009/06/03(Wed) 21:22
> このイメージと実際の理論とのズレに泥沼に陥ってしまいます。
質問の答えにはなってい ませんが,統計学は確率論が基礎となっているわけですから,数学的な理論を理解することは重要です。その半面で応用的な学問でもありますから,なかなか理 解できない理論についていつまでも考えていては"データ解析に使う"という面では遅れをとってしまいます。
しばらく考えても,ある理論が 理解できない場合は,とりあえずその問題を保留しておくのも良いかと思います。別の分析法を勉強したり,いろんなデータを解析する経験をすることで,かつ て理解できなかったものが「あっ,こんな簡単なことだったの。」と分かることも多いからです。
(比喩的な表現ばかりですが)泥沼にはまったまま,いかに動いていても余計に泥だらけになるだけです。そういうときは,一旦,泥沼からはい上がって汚れた服をキレイにすることです。
No.09998 Re: 3群以上の比較にt検定を使ってはいけない理由は? 【sb】 2009/06/04(Thu) 14:02
> この際に,薬の投与の影響を知りたければ,無投与の群と投与量の違う3つの群とをそれぞれt検定で比較すれば良いように思うのです。
それぞれのt検定の結果は,無投与との比較という点においては有効であると思うのですが,それは間違っているのでしょうか?
一概に間違いとは言えないでしょうが,その解釈には注意を要すると思います。
尺度 仮説の数
--------------
名義 3
順序 1
--------------
3群が名義尺度の場合,仮説は実質3個と考えるべきではないでしょうか。5%で統計学的有意と云うのは,あくまで仮説が1個の場合であり,仮説を3個も掲げて検証するのであれば,当然,確率論的ペナルティが必要と思います。従って,5%ではダメ。
順序尺度の場合,順序を考慮に入れると仮説は,1個と見做せると思います。従って,5%でOK。
以上,個人的見解であり,真偽は定かでありません。
No.09999 Re: 3群以上の比較にt検定を使ってはいけない理由は? 【統計学初心者】 2009/06/04(Thu) 16:42
>波音さま
確かにデータ解析に使う上では,かなりの遅れとなってしまいますね。
人を説得するための検定方法にもかかわらず,自分を説得できないというのがもどかしく感じます。
ただ仰る通り,泥沼にいつまでもはまっていても先には進めないので,一度脇に置いて先延ばしにすることにします。
有り難うございました。
>sbさま
つまり多群の場合,仮説が乱立することになる。
その結果,確率論的ペナルティが必要になる。
尺度の解釈がきちんと理解できないのですが,
名義尺度の場合,仮説3つのt検定
順序尺度の場合,仮説1つの分散分析
ということになるのでしょうか。
No.10000 Re: 3群以上の比較にt検定を使ってはいけない理由は? 【sb】 2009/06/04(Thu) 17:39
> 尺度の解釈がきちんと理解できないのですが,
> 名義尺度の場合,仮説3つのt検定
> 順序尺度の場合,仮説1つの分散分析
3群が名義尺度(例えば,薬剤A,B,C)の場合,A vs. B, B vs. C, C vs. Aは,3つの独立した?仮説と考えることが出来ます。従って,t検定に限らず,検定を行なう場合は,多重比較を行なうべきと考えます。
3 群が順序尺度(例えば,投与量が,少,中,多の場合),検定を行なう際に,その順序も考慮に入れて解釈するとします。例えば,投与量(少,中,多)に対し て,反応が(小,中,大)となり,かつ,統計学的にも有意である場合のみ,有意と解釈するとします。この場合は,仮説は1つと考えて多重比較を行なう必要 はないと思っています。
ただし,繰り返しますが,個人的見解であり,成書,論文等で根拠を示すことは出来ません。
No.10002 Re: 3群以上の比較にt検定を使ってはいけない理由は? 【統計学初心者】 2009/06/05(Fri) 18:17
>sbさま
わかりやすく説明して下さりありがとうございます。
自分なりに,泥沼にはまりすぎないよう,ほどほどに自学を続けてみようと思います。
皆様,ありがとうございました。
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