No.09762 こんなことは可能なのでしょうか?  【大学院生】 2009/04/26(Sun) 18:56

現在,6つの走行モードを模擬したドライビングシミュレータによって,運転中のドライバがどのような情報を得ながらモード を認識しているのかを調べています.その上で,データとして例えば自車速度や先行車との相対速度といった情報や,モード遷移に使用する操作手段の状態など を知覚しながら,モードを認識しているのだと考えています.
ここで,

(目的変数)Y: ドライバの回答;質的変数(カテゴリーは6つ)
(説明変数) X: 速度のような6つの量的変数と,ボタンのON/OFFのような2つの質的変数(この質的変数は2値なのでダミー変数として扱える)

が ある状態を考えた時に,ドライバの認識モードであるYに対する説明変数のそれぞれのウェイトを求めることはできるのでしょうか?説明変数に量的・質的変数 が混在しているところをどう扱うのか,多変量解析手法として何が良いのか,また可能なのかというところを是非教えていただきたいです.

No.09763 Re: こんなことは可能なのでしょうか?  【波音】 2009/04/27(Mon) 09:05

一般化線形モデルでいえば,多項ロジスティック回帰モデル(多項ロジットモデル)というモデルで解析されるべき問 題ではないですか?あるいは,もし「ドライバの回答」という変数の水準が順序関係を持っている,順序尺度のデータなのであれば,順序ロジットモデルで解析 したほうが適切だと思われます。

参照: 

Annette J. Dobson著, 田中ほか訳 2008 一般化線形モデル入門 共立出版 p163-180

Alan Agresti著, 渡邉ほか訳 2005 カテゴリカルデータ解析入門 サイエンティスト社 p287-315

No.09776 Re: こんなことは可能なのでしょうか?  【大学院生】 2009/04/28(Tue) 12:02

返信ありがとうございます.

「ドライバの回答」という変数の水準は順序関係を持っていません.ですので,一度,多項ロジスティック回帰モデルでの検討を行ってみます.

ちなみに,私は多群の線形判別分析を行い,Wilksの偏Λ統計量の観点から,各説明変数が目的変数の判別にどれだけ寄与しているかを表すことができると考え,実際に計算してみたのですが,この方針はあっているのでしょうか?

No.09777 Re: こんなことは可能なのでしょうか?  【波音】 2009/04/28(Tue) 12:56

確かに,例えば身長と体重によってあるサンプル(被験者)が男性か女性かを予測しようとするとき,判別分析モデル でも2値ロジットモデルで解析しても,最終的には「サンプルTが男性である確率(あるいは女性である確率)」というものが同様に得られますから,分析の目 的としては同じものであるとして考えてもよいのかもしれません。

でも実際にはそれぞれの場面に対して適切な選択というのがあるのでしょうが,,, どうなんでしょう。ごめんなさい,私にはそこまで把握できていません(^_^;)

> Height <- c(177, 180, 175, 182, 170, 166, 159, 160, 155, 163)
> Weight <- c(75, 73, 70, 85, 69, 65, 60, 61, 58, 68)
> Sex <- c(1, 1, 0, 1, 1, 1, 0, 0, 0, 0)
> Sex <- factor(Sex, levels=c(1, 0), labels=c("male", "female"))

# ロジットモデルとして解析
> logit.model <- glm(Sex ~ Height + Weight, binomial)

# 判別分析を行うldaはMASSライブラリにあるので呼び出す
> library(MASS)
> d.model <- lda(Sex ~ Height + Weight)  # 判別分析モデル

# ロジットモデルによって求められる確率
> lg.prob <- fitted(logit.model)

# 判別分析モデル:
> d.prob <- predict(d.model)$posterior[,2]

> lg.prob # サンプル1から10が女性である確率
1 2 3 4 5 6 7
0.10345534 0.09279978 0.23665446 0.01376522 0.41361913 0.68295867 0.91941496
8 9 10
0.89616468 0.96317745 0.67799031

> d.prob # 同じく判別分析で求めた,サンプルが女性である確率
1 2 3 4 5 6 7
0.11737888 0.06481869 0.18678309 0.03424479 0.42352439 0.66339274 0.91450563
8 9 10
0.89314155 0.96515357 0.78791840

No.09778 Re: こんなことは可能なのでしょうか?  【大学院生】 2009/04/28(Tue) 14:18

適切な選択,それは当事者である私が状況を理解して選択すべきものですよね.ご指導いただきましてありがとうござ いました.以下に,私がΛ統計量を扱う上で参考にした書籍を示します.かなりわかりやすく書かれているので,今後Λ統計量を扱う可能性のある人の助けにな ればと思います.

田中豊,垂水共之 編 1995 Windows版 統計解析ハンドブック 多変量解析 共立出版 p.72-74

お忙しい中,ありがとうごさいました.

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