No.09615 抜き取り検査での「ロットサイズでAQLの使い分け」の可否  【中川 静】 2009/03/27(Fri) 11:38

「ロットサイズ:100〜300」の抜き取り検査の試料数についての質問です。
(下記はなみ検査について記述しております)

現行:【検査水準:S−2】,【AQL=6.5】
   「ロットサイズ: 91〜150」:試料文字はB→A,→【0,1】試料=2
   「ロットサイズ:150〜280」:試料文字はC→D,→【1,2】試料=8
となります。
試料数が多すぎると思い,以下の様に変更を検討しています。

変更:【検査水準:S−2】
   「ロットサイズ: 91〜150」:試料文字はB→A,AQL=6.5→【0,1】試料=2
   「ロットサイズ:150〜280」:試料文字はC→B,AQL=4.0→【0,1】試料=3

ロットサイズが140と160とで内容が変わるとは考えられないので,上記のようにしたいと思うのですが,純粋な学問・技術的には,若干の疑問があります。よろしく,ご教授下さい。

以上

No.09624 Re: 抜き取り検査での「ロットサイズでAQLの使い分け」の可否  【韮澤】 2009/03/30(Mon) 09:06

抜取検査をする以上は,ロット不良を判定して製造元へ返品するとか,あるいは後工程に対して必要な品質レベルを確 保するとかの必要があってやっている訳でしょうから,本来,AQL表に従わない方法を決めてしまうと,何かあった時,製造元/後工程への根拠説明が面倒に なるので,避けた方が良いとは思います。

それでも手間の問題等で数を減らしたい,とのことであれば,試料8の[1,2]は,試料2の [0,1]に変えてしまう方が素直でしょう。この変更なら,ロット不良の検出力が下がるだけなので,検査をする人自身が若干不利になるだけですみます。言 われている様に,試料3としてしまうと検査水準が変わってしまうので,製造元に不利な変更となり,もし不合格が発生した時に,製造元に対して返品可能かど うかで問題となる可能性があります。

No.09625 Re: 抜き取り検査での「ロットサイズでAQLの使い分け」の可否  【中川 静】 2009/03/30(Mon) 12:03

韮澤様,早速のコメント有難うございます。

コメントにつきまして誠に申し訳ないのですが,さらに質問することをお許し下さい。コメントの前段「何かあった時,製造元/後工程への根拠説明が面倒」ということですが,どのように面倒なのでしょうか。(根拠があるのでしょうか)

実は,本件のやり方について外部品質監査で指摘された時にどう答えるか確たる案がなく,質問した次第であります。外部品質監査での指摘に対して,抜取検査として妥当性を示すことができる根拠についてご教授いただければ幸いです。
もし,到底無理・不可能ということであれば,本案は再検討することを考えております。

以上

No.09626 Re: 抜き取り検査での「ロットサイズでAQLの使い分け」の可否  【韮澤】 2009/03/31(Tue) 08:41

ちょっと「統計」から外れ気味になってしまいますが・・・

例えば,製造元との関係で言えば, AQL 6.5%との初期決定がある以上,それに見合った品質のもの(ぎりぎり合格する程度に悪い不良率のもの)を納入する権利があり,貴殿にはそれを購入する義 務がある訳です。例えば,3個の試料で1個の不良が出た時,それを不合格であると製造元へ説明・返品する事を考えて下さい。製造元がごねるつもりなら,本 来のAQL水準通りに,2個しか検査しなければ,不良は0だったかも知れないし,計8個検査しても不良は1個かも知れませんから,不合格と断言できないと 主張するでしょう。これに反論するのが「面倒」という意味です。(面倒,と言うより,純粋に品質工学の統計手法で立ち向かうなら反論できません。)

ISO9001 監査においては,必ずしもAQLを守る義務がある訳ではないですが,納入数によって,AQLの水準が変わってしまうと,その理由説明が難しい。やはり 「ロットサイズに関係なく,ss=2/AC=0で判断します。」という方がすっきりするじゃないでしょうか。(聞かれたら「検査水準S-2から外れた方法 です」と断言する覚悟で)

No.09628 Re: 抜き取り検査での「ロットサイズでAQLの使い分け」の可否  【中川 静】 2009/03/31(Tue) 12:54

韮澤様

丁寧なご説明有難うございました。
提案につきまして,社内で検討することにいたします。

以上 中川

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