No.09137 成績と欠席の相関について  【Delightful】 2009/02/05(Thu) 22:30

高校に勤めている者です。
今,学業成績と欠席日数に相関があるかを調べているのですが,どのような方法を用いるのが適当でしょうか。
エクセルで成績(考査平均点)と欠席日数の相関係数を調べると-0.4くらいの値が出たのですが,これだけで欠席日数が多いと成績が低い傾向があると結論づけることができるのでしょうか?それとも,この方法は妥当ではないのでしょうか?

No.09138 Re: 成績と欠席の相関について  【青木繁伸】 2009/02/05(Thu) 22:38

> これだけで欠席日数が多いと成績が低い傾向があると結論づけることができるのでしょうか?それとも,この方法は妥当ではないのでしょうか?

まあ,いいとは思いますが,散布図を描いて確認しておくことをお勧めします。
ピ アソンの積率相関係数(単に相関係数と略称される)は二変数が直線関係にあることが前提ですが,曲線相関ならスピアマンの順位相関係数(Excelには標 準では用意されていない)を計算する必要があるでしょう。また,そのほかにも相関関係を相関係数で表現するときの注意事項はいろいろあります。
相関係数が0ではないことを統計学的に言うためには,無相関検定を行うとよいでしょう。
また,単相関係数の二乗が決定係数(一方の変数がもう一方の変数を説明する割合)になりますので,-0.4というのはそんなに大きいものではないと判断できるかも知れませんね。実質的な意味がない場合には検定結果は意味を持ちません(検定する必要がない)。

No.09139 Re: 成績と欠席の相関について  【Delightful】 2009/02/05(Thu) 22:57

早速の回答ありがとうございます。
と,言うことは相関係数が-0.4では「多少は関係があるかもしれない」程度のことしか言えないのでしょうか?
この件に関して,データをまとめるよう私に指示した先生は,「欠席が多いと成績が低い」という結果を出してほしいと言われたのですが,不可能なのでしょうか?

No.09140 Re: 成績と欠席の相関について  【青木繁伸】 2009/02/05(Thu) 23:21

> 「欠席が多いと成績が低い」という結果を出してほしいと言われた

散布図を描いてみてください。
散 布図を見て,「なるほど,たしかに,欠席が多いと成績が低いなあ」といえるかどうかでしょう。統計数字で説得するものではないです。添付する図は,二変数 が相関係数が-0.4の二変量正規分布に従うときの散布図です。あなたの持っているデータの散布図ではないですが,理想的な状態での散布図です。-0.4 というのはそうたいした関係ではないと思いませんか?

なお,「欠席が多い」→「成績が低い」というのが唯一の因果関係なのか,他の原因で成績が悪いのかということも考えなければならないでしょう。


No.09141 Re: 成績と欠席の相関について  【にゃんちゅう】 2009/02/06(Fri) 00:16

ピアソンの相関係数は外れ値の影響を強く受けます。散布図をみて外れ値がないか慎重に検討しましょう。また,順位相関係数がピアソンの相関係数よりもかなり低くなっていれば外れ値の影響が疑わしいです。

No.09142 Re: 成績と欠席の相関について  【Delightful】 2009/02/06(Fri) 06:11

青木先生
約350人分のデータで散布図を描いてみましたが,欠席日数0日の生徒が半数くらいいるので図の下の方にデータが集まってしました。これを見る限りでは欲しい結果は得られないようです。
他の原因がないかを検討してみたいと思います。ありがとうございました。

にゃんちゅう様
外れ値(長欠の生徒)を除いた場合の相関係数も求めてみたいと思います。ありがとうございました。

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