No.08864 Re: 群の比較 【青木繁伸】 2009/01/09(Fri) 11:22
> 等分散性の検定をすると有意ではなかったので一元配置分散分析ではなくKruskal-Wallis検定をすると統計書にかいてありました
その統計書の著者,題名,出版社は?
「等分散性の検定をすると有意だったので」でなければ,論理的におかしいですね。
それとは別で,
> 筋肉量は正規性を示す分布をしているので
と いうのは,「標本では正規性を否定できなかった」ということではないですか?この掲示板にも,繰り返し繰り返し繰り返し出てくるのですが,サンプルサイズ の小さい標本で正規性を否定できなかったというのは,正規分布に従うというものではないし,そもそも要求される「正規性」は母集団での正規性であって,標 本での正規性ではありません(まあ,サンプルサイズが十分大きければ,母種団で正規性があれば標本でも正規性を確認できるだろうし,その逆の場合もしか り)。
> 正規性を示す分布をしているので,パラメトリっクの手法からノンパラメトリックの手法(Kruskal-Wallis検定)に変更することは間違いではないのでしょうか
ということで,パラメトリック検定かノンパラメトリック検定かは,正規性の問題とは別問題です(別の所に論拠を置くべきです)。当然のことながら,正規性があるからノンパラメトリック検定を行ってはならないということはありません。
> その後の多重比較には群によりnの数のばらつきがあるのでSceffe法を用いました
一番良いのはペリの方法では?Sceffeの方法は,検出力は弱いかも。テューキーの方法を例数が等しくない場合に拡張したテューキー・クレーマーの方法を使えばよいのかもと。
No.08900 Re: 群の比較 【TY】 2009/01/13(Tue) 11:03
青木繁伸先生
ご丁寧にご教授いただきありがとうございます。
とても参考になりました。
初回に私が参考にしていた統計学書は「医学統計学ハンドブック」朝倉書店 (参考書A)のものですが,先生に言われべつの統計学書参考(参考書B)にいたしました。するとまた異なることが書いてあり,混乱しております。どうぞご教授ください。
(1)参考書AではBartlett's 等分散性の検定をしてp<0.05 Yesなら一元配置分散分析,NoならKruskal-Wallis検定とありました。
しかし,参考書Bではそれぞれの群ごとの正規性の検定を行い,そのうち一つの群でも正規分布していない(Shapiro-Wilk検定で有意)ならば一元配置分散分析ではなくKruskal-Wallis検定を行うとかいてありました。
また,一元配置分散分析を行うときに等分散性の検定を行い,等分散でないときはWelchの検定を行った一元配置分散分析を行うとありました。
ここでまず一元配置分散分析かKruskal-Wallis検定を行うか決めるために必要なのはは等分散性の検定ですか?それともそれぞれの群の正規性の分布ですか?
どうぞご教授下さい。よろしくお願い致します。
No.08901 Re: 群の比較 【青木繁伸】 2009/01/13(Tue) 11:18
> 参考書AではBartlett's 等分散性の検定をしてp<0.05 Yesなら一元配置分散分析,NoならKruskal-Wallis検定とありました。
宮原,丹後の「医学統計学ハンドブック」朝倉書店ですか?
何頁にそんなことが書いてありましたか。。
> 一元配置分散分析かKruskal-Wallis検定を行うか決めるために必要なのは等分散性の検定ですか?それともそれぞれの群の正規性の分布ですか?
一 応,参考書Aの129頁の下から3行目には,「各水準ごとのデータが正規性を示さない,等分散性を示さない場合には,分布型によらない検定の一つである Kruskal-Wallisの順位検定を利用できる」と書いてありますよ。一元配置分散分析を行えるためには,2つの要件が共に満たされる必要があると いうことです。
> 参考書Bではそれぞれの群ごとの正規性の検定を行い,そのうち一つの群でも正規分布していない(Shapiro-Wilk検定で有意)ならば
No. 8864 にも書きましたが,正規性を満たすかどうかは標本についての話ではないと考える方が良いと思います。
No.08904 Re: 群の比較 【TY】 2009/01/13(Tue) 14:34
青木繁伸先生
何度もご丁寧にご教授下さりありがとうございます。
私は参考書Aの402ペ−ジの図をみて解釈しておりました。しかし,先生にご指摘いただきましたペ−ジにはしっかり説明があり,理解いたしました。
どうもありがとうございます。
No.08909 Re: 群の比較 【青木繁伸】 2009/01/13(Tue) 16:21
> 参考書Aの402ペ−ジの図をみて解釈しておりました
その図の,yes,no が,逆ですね。
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