No.08776 Re: 平均の差 【青木繁伸】 2008/12/27(Sat) 17:39
平均値の差が0.2しかないのに平均値の差の検定は必要かという質問ですか。
差が0.2であることが,実質的な意味がないのなら,検定の必要はないでしょう。
ちなみに,7件法とはいえど,平均値の差をすることが良いかどうかは再考が必要かもしれません。代替案は,マン・ホイットニーの U 検定。
No.08778 Re: 平均の差 【MOMO】 2008/12/27(Sat) 18:39
返信ありがとうございます。
>平均値の差が0.2しかないのに平均値の差の検定は必要かという質問ですか。
言 葉が不足しておりました。例えば,A組とB組の英語の平均点の差を見る時や,A組の中間テストと期末テストの平均点の差を見るときは,対応ある・なしで検 定が必要なのはわかりますが,A組のみの期末テストで英語の平均点が90点,数学が80点の場合,マンホイットニ―やT検定をしなくても英語の平均点のほ うが高いといえないでしょうか?
No.08779 Re: 平均の差 【青木繁伸】 2008/12/27(Sat) 19:06
> A組のみの期末テストで英語の平均点が90点,数学が80点の場合,マンホイットニ―やT検定をしなくても英語の平均点のほうが高いといえないでしょうか?
どちらの平均点が高いかは,小学生でもわかりますよね。
で も,それぞれの分散が違えば,同じ平均値の差でも違いの程度は異なるでしょう?つまり,それぞれの得点のちらばりを物差しにして違いを測らなくてはならな いわけです。二つの測定値の違いということになると,ちらばりをどういう風に算定するかも問題になるわけです。ある測定値が2つの群で5.4と5.6で あったというとき,数値の大小は誰でもわかるでしょう。でも,判定には,データのちらばりも加味しないといけないのですよ。それが,統計学的検定というも のなんですよ。
実際にデータを検定してみるとよくわかるかも。以下は架空データですが。> set.seed(1234)
> n <- 100
> x <- rnorm(n, mean=5.4, sd=1)
> y <- rnorm(n, mean=5.6, sd=1)
> cat("x: 平均値 =", mean(x), " 標準偏差 =", sd(x), "\n") # まず,最初の例,平均値,標準偏差がこのような場合のデータ
x: 平均値 = 5.243238 標準偏差 = 1.004405
> cat("y: 平均値 =", mean(y), " 標準偏差 =", sd(y), "\n")
y: 平均値 = 5.641243 標準偏差 = 1.032187
> t.test(x, y, paired=TRUE)
対応のある場合のt検定
データ: x と y
t値 = -2.7291, 自由度 = 99, P値 = 0.007517 # 有意な差があるという結果になりました
対立仮説: 母平均の差は,0ではない
95 パーセント信頼区間: -0.6873791 -0.1086308
標本推定値:
差の平均値
-0.3980049
> x <- rnorm(n, mean=5.4, sd=2)
> y <- rnorm(n, mean=5.6, sd=2)
> cat("x: 平均値 =", mean(x), " 標準偏差 =", sd(x), "\n") # 平均値は同じですが,標準偏差が違うデータです
x: 平均値 = 5.709207 標準偏差 = 1.920309
> cat("y: 平均値 =", mean(y), " 標準偏差 =", sd(y), "\n")
y: 平均値 = 5.58379 標準偏差 = 2.100618
> t.test(x, y, paired=TRUE)
対応のある場合のt検定
データ: x と y
t値 = 0.4511, 自由度 = 99, P値 = 0.6529 # 今度は,有意な差ではないという結果です
対立仮説: 母平均の差は,0ではない
95 パーセント信頼区間: -0.4262083 0.6770435
標本推定値:
差の平均値
0.1254176
No.08780 Re: 平均の差 【MOMO】 2008/12/27(Sat) 19:17
丁寧な返信ありがとうございます。なるほど,確かに平均では似ているかもしれませんが,データの散らばり(分散)も考えなければいけないのですね。ありがとうございました。
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