No.08524 3つの小標本の有意差を検定するには、どの手法を使えばよいのか?  【UWK】 2008/12/05(Fri) 11:52

質問が3つあります。
1つめの質問。3つのグループ間の有意差を検定したいと思っています。それぞれの群のデータ が正規性(正規性の検定;Shapiro-Wilk)に従っていればOne way ANOVA(ANOVAで有意差が出れば多重比較),そうでなければクラスカル・ウオリスの検定を行おうと思っています。しかし,それぞれのグループの標 本数は3つずつしかありませんし,ばらつきも大きかったりします。このような,わずかなサンプル数でもANOVAを使用しても良いのでしょうか?
2 つめの質問。いくつかの学術論文では,ANOVAを使用する条件である正規性を得るために対数変換を行い,その後ANOVAを使用していました。私のデー タが正規性を持っていない場合,この手順に従うべきでしょうか?そもそも,どのようなデータの状況が対数変換を必要とするのかわかりません(データが正規 分布に従っていないから,対数変換をするのでしょうけど,むやみやたらと対数変換をするのも気がひけます)。
最後の質問。同じような質問を他の人 にしたところ,サンプル数が非常に少ないならBootstrap法を使用して,それぞれの群が同じ母集団から抽出されたものかどうかを検定したらどうかと 言われました。しかし,Bootstrap法をどのように利用するべきなのか,それをしたことによって3つの群をどう比較したらよいのか全く見当がつきま せん。そもそも,Bootstrap法を利用した上で3つの群を比較するという方法は存在するのでしょうか??Bootstrap法について,私自身よく 理解していないこともあり,最後の質問の内容が具体性の欠落かつ的外れの見解になっているかと思いますが,何かご助言いただけると大変助かります。

長くなってしまいましたが,何かアドバイスをいただければ幸いです。

No.08528 Re: 3つの小標本の有意差を検定するには,どの手法を使えばよいのか?  【青木繁伸】 2008/12/05(Fri) 12:34

細かいことを指摘しておきます。「有意差を検定したい」。有意差を検定するのではなく,「差が有意なものかどうかを検定する」のです。サンプル数というのも,サンプルサイズ(標本の大きさ)というほうが良いでしょう。

> このような,わずかなサンプル数でもANOVAを使用しても良いのでしょうか?

検定は,計算式上計算不可能な場合以外は可能です。しかし,有意な結果が出にくいということはあるでしょう。また,本質的に,検定を行う意味があるかないか,検定の妥当性があるかないかということも考えておく必要があるでしょう。

そ の前に,「3群で,各群3例ずつ」ということで,「それぞれの群のデータが正規性(正規性の検定;Shapiro-Wilk)に従っていれば」ということ ですが,3個のデータについて正規性の検定を行うと(行えるとして),「正規分布に従う」という帰無仮説はよほどのことがない限り採択される(つまり,正 規分布に従うということになる)でしょう。不合理ですね。

> どのようなデータの状況が対数変換を必要とするのか

正 規分布に従っていないからとか,平均値と分散が関係するような分布であるとか,いくつかの理由で変数変換されることがありますね。そのうちで,対数変換が 必要という状況は,もとのデータが対数正規分布に従うという知見がある場合でしょう。いろいろやってみたら対数を取った方が良さそうだというのでは,根拠 が薄弱でしょう。特に今回のように分布の判断が3個のデータに基づくというような場合はなおさら。まあ,先行研究,投稿予定の学会誌の査読方針などを調査 しそれに対処する方がよいでしょう。

> Bootstrap法を使用して,それぞれの群が同じ母集団から抽出されたものかどうかを検定したらどうかと言われました

その人にもっと詳しく聞く方がよいでしょう。
一 般的には,今の場合,全部で9個のデータですが,そこから重複を許して9個のデータを選びそれを3群に配分し(順番に割り振るだけでよいと思いますが), あなたが取り入れようとしている検定手法で検定を行い,その検定統計量を記録する(ANOVAならF値かな)。その作業を数万回(数百万回)行い,実際の データで求められたF値以上の値を取る確率を経験的P値とする。。そんな風かな?

No.08539 Re: 3つの小標本の有意差を検定するには,どの手法を使えばよいのか?  【UWK】 2008/12/06(Sat) 10:14

質問にお答えいただきまして,大変ありがとうございます。また,表現方法なども指摘いただきましてありがとうございます。勉強になりました。

ま た,私のデータセットで正規性の検定をしたら確かに正規分布に従うということになりましたし,その後ANOVAを行ったら有意な結果は出ませんでし た。。。このようなデータセット;個体数とか種類数などがいくつもあって,それぞれをANOVAで検定してもやはり同じ結果でした。。。
私のデータセットでは,正規性の検定とANOVAを使用するのは最適ではないのかもしれません。

ま た,ブートストラップ法についてですが,確かにそのようなことを言っていました。その方にもっと詳しく聞きたいところですが,その方もそれしかわからない 様でしたので,もう少し勉強してみます。ご指摘されましたように,先行研究,投稿予定の学会誌の査読方針などをもっと調査してみて,それに対処してみよう と思います。

この度は,質問にお答えいただきましてありがとうございました。重ねて御礼申し上げます。

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