No.08416 Re: 因子分析 【青木繁伸】 2008/11/27(Thu) 15:04
> 1つの因子が1つの項目しか説明できない
そのようなものは因子として扱わない方がよいでしょう。そもそもその因子の因子負荷量の二乗和は1より小さく,寄与率も小さいでしょう?抽出する因子数を減らすべきです。
> 因子負荷量が0.5以上のもの
という基準は,若干厳しすぎませんか。相対的なものなので,なんでもかんでも 0.5 異常なければならないというものではないですよ。
> 各人の因子得点から,因子1と因子2の相関を求める
それは因子の相関を求めたことにはなりません。
そもそも,初期主因子解や直交回転を行った場合は,因子間相関は0です
斜交回転を行った場合の因子相関も,因子得点から求めるものではありません。
> 重回帰分析を行うことはできますでしょうか
重回帰分析の説明変数(独立変数)に使うということでしょうか。使うことはできますが,SEM の枠組みで行う方がよいと思います。
なお,丸付き文字を使わないでくださいと上の方でお願いしていますよね?(私が直しましたけど)
No.08422 Re: 因子分析 【AAA】 2008/11/27(Thu) 18:32
青木先生
丸付き文字を使用してしまい,申し訳ありませんでした。
また,とても分かりやすいご説明ありがとうございます。しかし,まだ分からない点がありますので質問します。よろしくお願い致します。
>因子負荷量の二乗和は1より小さく寄与率も小さい
全体の寄与量は6.55で,寄与率は0.50となりました。各因子は下記の通りです。
因子1 因子2 因子3 因子4 因子5
寄与量 1.20 2.05 1.09 1.17 1.02
寄与率 0.09 0.15 0.08 0.09 0.07
因子3と5が因子負荷量が0.5以上のものが1つしかないと表現したものです。因子負荷量の二乗和は15項目のうち全て1以下です。もしかして因子分析を行ってはいけないデータなのでしょうか?
>因子数を減らす
15項目のうち,相関行列の固有値が1以上のものが5つあったので5因子にしましたが,「抽出する因子数を減らすべき」ということは,固有値が1以上のものでも因子数を減らすと解釈するのでしょうか?
> 因子負荷量が0.5以上では厳しすぎる
因子負荷量は,いくら位が妥当なのでしょうか?初心者なので,統計の本に書いてあった0.5以下は妥当ではないと理解していました。
>初期主因子解や直交回転を行った場合は,因子間相関は0
>重回帰分析について
バリマックス回転を行ったので,因子得点での相関は0なんですね。よく分かりました。では,元の数値で相関を行いたいと思います。
各人の因子得点を重回帰分析の説明変数として扱えるのですね。しかし「SEM の枠組みで行う方がよい」というのはAMOSなど使って共分散構造分析を行うことですか?私は,AMOSを持っていませんので,もし何かアドバイスがありましたらご教授をお願いします。
それでは,長々と質問ばかりで大変申し訳ありませんが,よろしくお願い致します。
No.08424 Re: 因子分析 【にゃんちゅう】 2008/11/27(Thu) 19:11
> 因子1 因子2 因子3 因子4 因子5
寄与量 1.20 2.05 1.09 1.17 1.02
寄与率 0.09 0.15 0.08 0.09 0.07
これは回転後ですね。対角に1をいれた(つまり主成分分析)回転前の固有値はどうなってますか?
No.08425 Re: 因子分析 【青木繁伸】 2008/11/27(Thu) 19:16
> 因子負荷量の二乗和は15項目のうち全て1以下です。
というのは,行方向の因子負荷量の二乗和つまり共通性のことでしょう?それが1以下であるのは当たり前のことで,1以上になったら困ります。
私 が書いたのは,列方向の因子負荷量の二乗和(あなたが書いた「寄与量」。。寄与量というのははじめて見ましたが,適切な用語ではないと思います)のことで す。下に書いてある,相関係数行列の初期固有値が「1以上」というのが一応の基準ですが,1よりちょっとでも大きければよいということではありません。抽 出因子数を決めて共通性の推定を繰り返し,収束した段階での因子負荷量の二乗値は初期固有値と大幅に異なることは少ない(因子軸を回転させた場合は別)。 因子負荷量の二乗和はその因子の重要性をしめすものであるから,やはり因子3とか因子5のように1よりほんのちょっとだけ大きいというのは因子としないほ うがよいと思いますよ。スクリープロットは描きましたか?5個の数値だけ見ると,因子は1個だけとするほうが良さそうに思います。無理すれば3個かなあ? というレベルだと思いますよ。
> 全体の寄与量は6.55で,寄与率は0.50
全体の寄与量というのは何でしょう,何を何で割ったら 0.50 になるんでしょうか?
そもそも寄与量というのは,列方向の因子負荷量の二乗和ではないのでしょうか?
因子寄与率は,列方向の因子負荷量の二乗和を変数の個数で割ったものでしょう?
ですから,例えば因子2の寄与率は 2.05/15=0.1366667 となるのだけど,少し値が違いますね。
累 積寄与率は寄与率を因子負荷量の大きい順に順次足していったものですけど,それを見ると,3因子まででは30%(つまり,3因子を仮定すると情報の30% 程が説明できるという意味),5因子まででも43%ですから,高いとはいえませんね。ちなみに,共通性が低い変数は除いたのでしょうね。もし除いていない なら除いて再分析してみた方がよいでしょう。
> もしかして因子分析を行ってはいけないデータなのでしょうか?
カプラン・メイヤー・オルキンのサンプリング適切性基準を確認してみればいかがでしょう。
> 15項目のうち,相関行列の固有値が1以上のものが5つあったので5因子にしましたが,「抽出する因子数を減らすべき」ということは,固有値が1以上のものでも因子数を減らすと解釈するのでしょうか?
スクリープロットを描いて因子数を決めるのが良いと思いますよ。因子数の検定結果を表示してくれるソフトなら,因子数を1から2,3と増やしていって,検定結果から因子数を決めるのも良いと思います。
> 因子負荷量は,いくら位が妥当なのでしょうか?初心者なので,統計の本に書いてあった0.5以下は妥当ではないと理解していました。
相対的なものですから,一概には言えません。
ど の変数がどの因子に含まれるかはどのように決めていますか?因子負荷量行列を列方向に見て,つまり変数単位に見て,ある変数に対する因子負荷量が一番大き い因子に属すると判断していますよね。そうすると,例えばある変数がある因子に属するとされたときに,その因子に含まれる変数の因子負荷量が大きなもの (例えば 0.5 以上)が少なければ,その変数の因子負荷量が0.48でも捨てますか,0.4なら?0.3ならどうしますかということですよ。もし因子負荷量が0.5以上 のものという線引きをしたとして,どの因子における因子負荷量も0.5に達しない変数というのも含まれているでしょう?あなたのようにストリクトに基準を 適用するなら,そのような変数はどの因子にも含まれないのだから,因子分析の対象にしてはいけないということになりますよ。
> バリマックス回転を行ったので,因子得点での相関は0なんですね
書いておいたように,直交回転なら「因子間相関は0」ですが,因子得点の間には相関はありますよ。やってみればわかります。
> AMOSなど使って共分散構造分析を行うことですか?私は,AMOSを持っていませんので
そういうことになると思います。
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