No.08267 因子分析モデルと重回帰モデル  【波音】 2008/11/16(Sun) 23:26

国語,算数,理科,社会(各テスト100点満点)という変数について因子分析を行うこととします。結果として,因子1として文系科目(国語,社会),因子2として理系科目(算数,理解)というようにまとめられたとします。何とも典型的な例ですが(^_^;)

当たり前ですが,原データから4科目の合計を求めることができるので,これを総合点数という変数とします。因子分析より因子1と因子2の因子得点が計算できるので,この2つもそれぞれ文系点数,理系点数とします。

そこで,

   総合点数 = 文系点数 + 理系点数

という重回帰モデルを解析しました。

仮データを用いてこのようなことをやってみたのですが,結果として実測値(5教科の合計点)をほぼ完璧に予測することができました(次式によって)。

   Total_score = 373.45 + 47.97*Sciences + 40.32*Art

これより標準化偏回帰係数を求めてSciencesとArtがどれだけTotal_scoreに影響しているかを主張することは,妥当な方法だと思いますか(いや,そもそも基のデータの単位は同じなのだから,偏回帰係数を比べても良いのでしょうか)?

実際に計算してみると(Sciences:b1', Art:b2'),

 b1' = 47.97 * (0.80 / 43.98) = 0.87
 b2' = 40.32 * (0.79 / 43.98) = 0.72

となり,どうやら理系科目ができる生徒の方が総合点数が良いだろう,というようにいえると考えたのです。

質問紙調査などではもっぱら因子分析をして,ある因子に含まれる(と仮定される)項目の合計点(尺度得点)を独立変数として解析しますが,今提示したような因子得点の使い方はイレギュラー(?)な方法なのかとも。。。

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