No.08217 Re: データ水準について 【青木繁伸】 2008/11/10(Mon) 17:40
比尺度の定義を考えればおわかりと思います。
比尺度の変数は0という観察値を持ってはなりません(絶対温度とか体重が0というのはありえません)。
従って,0点があり得る試験の成績は比尺度ではありません。
得 点間の間隔が等間隔なら,間隔尺度でしょう。0-100点の場合はまあ,近似的に等間隔と見なしてもよいかも知れません(厳密に言えば等間隔にはなってい ないでしょうね)。ということなら,順序尺度にすぎないでしょう。5段階評価というときに,等間隔を保証することはほとんどできないでしょう。分解能とい うより,中心極限定理の影響と行った方がよいかな。
ただ,0/1のように二値しか持たないデータは,これは順序尺度であって,かつ間隔尺度です (なお,性別やある特性の有り無し等というのは名義尺度でもあるけど,2つのラベルには何らかの順序づけが可能なので,0/1データは名義尺度であり,順 序尺度であり,かつ間隔尺度であるということになる)。というのも,データ間の間隔が1個しかないので,「データの間隔が等しい」ということがナンセンス (一つしかないものが何と等しいというのかということ)。重回帰分析でダミー変数(0/1の二値変数)を使うことが正当なのはこの理由から(当然,このダ ミー変数について他の変数との分散共分散行列を使うことになる)。また,二値データを取る2つの変数のφ係数は,二値データに適当な数値を割り当てて(ま あ,0/1でよいわけですが)計算したピアソンの積率相関係数と同じです。つまり,積率相関係数を計算すると言うことは,平均値も分散(標準偏差)も求め ているということです。そして,それは正しいことなのです。なお,0/1データの平均値は比率(割合)ですよね。
● 「統計学関連なんでもあり」の過去ログ--- 042 の目次へジャンプ
● 「統計学関連なんでもあり」の目次へジャンプ
● 直前のページへ戻る