No.08202 順序尺度の合計点 【KY】 2008/11/09(Sun) 02:13
グラスゴーコーマスケールという,順序尺度についての質問です。
グラスゴーコーマスケール(Glasgow
coma scale)とは,救急医学などで用いられている意識障害の程度をあらわす尺度で,E, V,
Mという3つの評価項目から構成されます。意識障害の程度に応じてEには1から4点,Vには1から5点,Mには1から6点を与えられ,点数が少ないほど意
識障害がひどいとみなします。点数の規準は以下のとおりです。
E:1(開眼しない), 2(痛みにより開眼する), 3(呼びかけにより開眼する),4(何もしなくても開眼している)
V:1(発語なし), 2(意味不明の叫び声), 3(単語は言えるが文章にならない), 4(会話はできるが内容がおかしい), 5(普通に会話ができる)
M:1(全く動かない), 2(除脳硬直という異常な姿勢), 3(除皮質硬直という異常な姿勢), 4(痛みから逃れようとする), 5(痛むところをさわったり,はらいのけようとする), 6(指示に従って動作ができる)
例えば,痛みにより開眼し,意味不明の叫び声をあげ,つねったりするとはらいのけるが,こちらからの指示には従わない場合は,E=2, V=2, M=5となります。
また,E, V, Mの合計点を併記することが慣例となっており,上記の例では合計9点となります。尚,E=2, V=3, M=4の場合でも合計9点となりますが,同じ合計点でもあらわしている意識障害には違いがあります。
前置きが長くなりましたが,以下が質問です。
このグラスゴーコーマスケールの合計点を順序尺度とみなすことができるのでしょうか?
上記の例で示したように同じ合計点であっても意識障害の程度は全く異なるため,合計点を順序尺度とみなして統計解析を行うと,結果の解釈が困難になる気がします。
この合計点を順序尺度とみなして統計解析を行っているのをよく目にするのですが(中には間隔尺度や比尺度とみなして平均値を求めたりするものもあり),疑問に思ったため質問させて頂きました。
No.08203 Re: 順序尺度の合計点 【青木繁伸】 2008/11/09(Sun) 08:49
> 合計点を順序尺度とみなして統計解析を行っているのをよく目にするのですが(中には間隔尺度や比尺度とみなして平均値を求めたりするものもあり
統計学的観点から言えば評価内容の異なる順序尺度の合計を取っても順序尺度にならないことは明らかでしょう。
ただ,実地において順序尺度や更に間隔尺度・比尺度として扱って意味がある(問題ない)というコンセンサスがあるなら,それはそれでよいのでしょう。
No.08209 Re: 順序尺度の合計点 【KY】 2008/11/10(Mon) 01:20
青木先生ご回答ありがとうございました。
そういった解釈もあるのですね。大変参考になりました。
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