No.07415 研究デザインの選択について  【のの】 2008/08/19(Tue) 10:27

はじめまして,お世話になります。

次のようなデータ解析の場合,下記のどちらが良いのでしょうか?

 30人の血液中のナトリウムの濃度と,採血直前の収縮期血圧のデータがあります。
 (つまり両方とも比例尺度です。)

1. ナトリウムと血圧データの関連性を相関係数として出す(Pearsonなど)
2. 血圧のデータを二値変数(dichotomous variable)ex.140mmHg以上か未満か=高血圧か否か
  として,この2群間で,ナトリウムの平均値に優位差があるかないかをt検定などで検定する。
3. 血圧だけでなく,ナトリウムも二値化して2x2の表にしてカイ二乗検定を行う。ex. cut off point 145mEq/L 以上か未満か

私の中では次のような結果になるのではないかと思っています。
2群に分けることで,比較が分かりやすくなる。
二値化することにより,必要サンプル数が増えるために,βエラーの可能性が高くなる。
3の選択肢の意味としては,ナトリウムの平均値が異なるというだけでは,
臨床的な意味が無いという批判が回避できる。
症例数が増えると議論も変わってくるのでしょうか?

如何でしょうか?

No.07416 Re: 研究デザインの選択について  【kai】 2008/08/19(Tue) 13:09

直感的に考えると,1の方法が一番情報量が多いので良いと感じます.
二値データに要約するということは情報量を落とす作業になりますので.

1の方法で,ピアソンの相関係数を計算することは直線相関を仮定していることになるので,スピアマンの順位相関係数とかの方がよいかもしれません(相関係数は普段ほとんど使わないので詳しい人よろしくお願いします)

もし私がこのデータを解析するとしたら,まずは生データで回帰分析を行います.

No.07426 Re: 研究デザインの選択について  【のの】 2008/08/19(Tue) 17:30

kai様,明確なコメントありがとうございます。
kai様の前半のコメントは良く理解できました。
しかし,相関係数というのが,どうも分かりにくい(馴染みにくい)のです。
相関係数が|r|>0.4であればある程度相関が強いということらしいのですが,
2,3のように,2群に分けて,有意に差がある!とした方が分かり良い(歯切れが良い!?)ような気がします。

この質問も,そもそも論では,研究前に,デザインを決めて,
サンプルサイズを推定するべきだ,ということになるだと思います。

しかし,手元に既にデータがある場合,2か3の方法でやってみて,
有意差が出なければ,1の方法というのは,やっぱり姿勢として不味いのでしょうか?

あと,最後の回帰分析についてですが,調べてある程度理解は出来たんですが,
回帰分析の分析結果は,こういう研究の場合,どのように使うのでしょうか?
係数からオッズ比が推定できるということでしょうか?

お教え下さい。

No.07428 Re: 研究デザインの選択について  【kai】 2008/08/19(Tue) 18:12

相関係数では歯切れが悪いと私も思います.
血液中のナトリウムの濃度と採血直前の収縮期血圧の両方を連続 量として解析するのであればやはり回帰分析を行うのがよいとおもいます.回帰分析でも検定を行い,その有意性をp値で確認できます(統計ソフトを使用すれ ばt値も出力されると思います).たとえば直線相関を仮定して回帰分析を行いp値が有意であれば,単調増加か単調減少の関係にあるということは言えます.

>最後の回帰分析についてですが,調べてある程度理解は出来たんですが,
回帰分析の分析結果は,こういう研究の場合,どのように使うのでしょうか?
係数からオッズ比が推定できるということでしょうか?

回帰分析ではある変数がこの値の時に,もう一方の変数がこれくらいの値になるだろう(信頼区間として幅を持たせた推定も可能)というように結果を読みとれます.
例えば,ナトリウムの濃度が145mEq/Lの時に,血圧が100(95%信頼区間で80−120)といった感じです(数字は適当に作りました).

No.07435 Re: 研究デザインの選択について  【のの】 2008/08/20(Wed) 00:09

kai様
とても良く分かりました。ここで質問して良かったです。
実際持っているデータは,血圧とナトリウムのデータではありませんが,
回帰分析を試してみたいと思います。
また何かあれば教えて頂きたいと思っています。

ありがとうございました。

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