No.06762 t検定の頑強性  【かまず】 2008/06/11(Wed) 19:08

ある統計学のテキストにt検定の頑強性についてこう書いてあります。
小標本の場合,厳密に正規性,等分散性を検定しても,少数ゆえに検定をパスし,t検定の適用は正当化される。
これは正しいんでしょうか?

No.06773 Re: t検定の頑強性  【青木繁伸】 2008/06/11(Wed) 22:45

あなたはどこが問題だと思うのでしょうか?
このテキストに書いてあることは,「t検定を行う前提として, (1)母分布が正規分布であること,(2)二群が等分散であることという,二つの条件を要求するが,だからといって,ではその条件が満たされているかどう かを確かめようとして,正規性検定や等分散検定を行っても,小標本の場合には検定結果が有意になる(すなわち,正規分布でないとか等分散でないとかいう結 論に至る)ということは殆ど期待できないということで,結局,t検定を行ってはならないということにはならない(t検定を行ってもよいということになる) ことが多い。」という,当たり前のことを書いていると思いますが,あなたはそう思わないと言うことでしょうか。

No.06792 Re: t検定の頑強性  【かまず】 2008/06/12(Thu) 15:49

あたりまえなんですか。わかりましたそれならそれでいいんです。
小標本の場合,t検定は妥当性を否定されないことは小標本であるから正規性や等分散性が正当化され,それであれば良いということですね。
逆に僕は小標本であるから正当化されるだけで本来はt検定は使うべきでないという考えがあるのかどうかがしらたかったんです。

No.06793 Re: t検定の頑強性  【TY】 2008/06/12(Thu) 16:48

???
今問題にしているのは,テキストの文言のことですね。
この文章は,「少数例では正規性の検 定をパスしてしまうので,そのような方法でt検定の使用の可否を決めようとすると,使用可ということになることが多い」と言っているだけではないかと思い ます。つまり,厳密な正規性検定によるt検定使用可否の判定にはあまり意味が無い,ということではないかと。
また,標本サイズがあまりに小さい場合,ノンパラメトリック検定の方が使えない (検出力がない) という考え方もあります。

No.06794 Re: t検定の頑強性  【かまず】 2008/06/12(Thu) 17:17

小標本ではt検定を使用してもよいということですか?同じ条件で標本数が大きくなったときに正規性がくずれても

No.06796 Re: t検定の頑強性  【青木繁伸】 2008/06/12(Thu) 18:34

> 少数ゆえに検定をパスし,t検定の適用は正当化される。

というのは,事実というか,世の中に多くやられている間違いを述べているだけで,「そのようにしても,正しいことである」とは言っていないと思いますけど。

反語的に言っているのですよ。
小標本では,正規性や等分散の検定をしようとしても無駄である(帰無仮説が採択される。つまり,正規分布である,等分散であるという結論が出やすい状況にある)。
正規性や等分散の仮定に違反することが証明されないからと言って,正規性や等分散性が認められたことにはならないので,そこによってたってt検定などをする根拠にはできませんよということ。

> 小標本であるから正規性や等分散性が正当化され

ですから,正当化されないのです。

> 小標本ではt検定を使用してもよいということですか

ですから,良くないのです。

ま あ,長い文章の一部分が抽出されて,その前後が分からないので,著者がどういう論旨でこの部分を書いたのかが分かりませんので何とも言えないというのが正 直なところでしょうか。その著者にお問い合わせなさるのが一番正確かなぁ。公刊されている書籍なので,書名とかページ数とかちゃんと表示すれば更にそれな りのコメントも付くかも知れませんけど。

なお,No. 6793 TY さんの

> また,標本サイズがあまりに小さい場合,ノンパラメトリック検定の方が使えない (検出力がない) という考え方もあります。

については,たとえば,Wilcoxon 検定の検定力は,正規性・等分散性の2条件が満たされたときの t 検定の検定力の 3/Π です。95%くらいですから,そんなに低いわけではありません。

No.06798 Re: t検定の頑強性  【青木繁伸】 2008/06/12(Thu) 19:18

なぜ,そうけんか腰なのか。ハンドルネーム変えても,IP アドレス見ればわかるんですけど。。。

No.06799 Re: t検定の頑強性  【青木繁伸】 2008/06/12(Thu) 21:53

いくつかのキーワード(小標本 厳密 正規性,等分散性を検定 少数 検定 パス)でネット検索すると,殆ど同じ記述があるページが見つかりました。
あなたが引用した本の著者ではなく,その本を引用して自分の意見を陳述したものと思いますが,以下のようでした。このページの著者の言っていることは正しいと思いますよ。(ノンパラメトリックの検定力については若干異論有り)(文中,「適応」は「適用」と思われる)
http://www.ibaraki-kodomo.com/toukei/parame.html
パラメトリックかノンパラメトリックか

小 標本の場合:厳密に正規性,等分散性を検定しても,少数ゆえに検定をパスする。極端な場合を除いて事実上t 検定の適応は正当化されるという。しかし,問題は母集団がどういう分布をするかである。もし,非正規分布するデータにパラメトリック法を用いたり,正規分 布するデータにノンパラメトリックを用いた場合のp値は信用できない可能性がある。この場合,今回のデータだけでなく,それ以外のデータも参照にし正規分 布するかどうかを考察するとよい。

No.06806 Re: t検定の頑強性  【かまず】 2008/06/14(Sat) 00:56

いまその本がないので詳しくかけませんが,確か山口大学の先生が書いた本です。自分的にはわかりやすい本ですが。。
そこにはまた書き込みしますが,大標本で等分散でない場合,正規分布でない場合でもt検定は最終的に正当化されるようなことを書いてました。
中身はまたかきますが,,,

No.06820 Re: t検定の頑強性  【青木繁伸】 2008/06/15(Sun) 19:31

> 大標本で等分散でない場合,正規分布でない場合でもt検定は最終的に正当化されるようなことを書いてました。

あなたの記事の値取るが,「頑健性」なので,行き着く先はそういうことであるのは当然というか。

ただし,頑健性が発揮される条件というのもいくつかあるので,その本はその辺りのことについても書いているはず(何にも書かずに単に頑健性があると言われると。。)

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