No.06704 2元配置分散分析に関しての質問  【tothi】 2008/06/06(Fri) 12:26

統計解析に関し,お聞きしたいことがありメールしました。現在実験中のデータを統計学的に解析しているところなのですが,正直混乱しています。

要は2要因が絡んだ計4群の平均をそれぞれ比べたいと思っています。解析ソフトはSPSSを使っています。

実験モデルを詳しく説明すると・・・

1)動物実験モデルです
2)要因1:手術法(手術法1,手術法2の計2つ)
  要因2:時間経過(具体的には術後2週と術後4週の計2つ)
3)Nはそれぞれの群で4から6です。

計4群が出来上がるのですが,この4群それぞれの平均値を比較したいのです。

手法としては4群の平均値の比較で,2要因が絡んでいると考えられるので,two-way ANOVAが良いのではないかと思っています。

実際SPSSでtwo-way ANOVA解析を試みたところ,要因1と要因2での交互作用はありませんでした。そして要因2に関して有意差ありとの判定が出ました。また等分散性の検定では等分散していませんでした。

個 人的には多重比較をして,4群のどことどこに差があるのかを統計学的に知りたいのですが,この後どういう風に群間の比較を行っていったらよいでしょうか? ちなみにSPSSではpost hocのところにクリックしても3群以下なので多重比較は出来ませんといったコメントがでてきます。

長くなりましたが,質問は

1)現在行っている統計手法でよいのか?
2)もしこの方法があっているとしたら,多重比較はどうすればよいのか?

です。かなり煮詰まっているので,ご相談させて頂きました。まことに申し訳ありませんが,ご回答お願いいたします。

No.06707 Re: 2元配置分散分析に関しての質問  【知ったかぶり】 2008/06/07(Sat) 10:57

>1)現在行っている統計手法でよいのか?
「1要因に対応のある二元配置分散分析」を行ったのであれば,手法として間違っていないと思います.

>2)もしこの方法があっているとしたら,多重比較はどうすればよいのか?
水準が2つしかなく,交互作用もないのですから,これ以上するべきことはありません.「手術法1,術後2週」と「手術法2,術後4週」の比較などを想定しておられるのかもしれませんが,そういう比較に何か意味がありますか?

>等分散性の検定では等分散していませんでした。
間違いありませんか?等分散性の検定における帰無仮説が「母分散が等しい」であることをご確認下さい.

No.06732 Re: 2元配置分散分析に関しての質問  【tothi】 2008/06/10(Tue) 13:13

ご回答ありがとうございます。そこで勝手とは思いますが,いくつか補足説明と質問をさせて頂きたいと思います。

>1要因に対応のある二元配置分散分析」を行ったのであれば,手法として間違っていないと思います.

Hi さんのスレッドにも質問させて頂いたのですが,「対応のある」の定義が自分の中でしっくり来ていません。僕の場合ですと術後週数が対応のある要因というこ とになるのでしょうか?つまり,同一検体から採取したデータの場合対応のあるということになるのでしょうか?補足説明させていただくと,僕のモデルの場 合,術後2週と4週は別のサンプルからデータを取っています。具体的に申しますと,術後2週でsacrificeしてあるデータを採取する,また術後4週 で別のグループをsacrificeしてデータを取るといった感じになっています。うまく説明できなくて申し訳ありません。つまり術後2週と4週のデータ は全く別のグループから採取しているのです。こういった場合も1要因に対応のある2元配置分散分析と言ってよいのでしょうか?

>.「手術法1,術後2週」と「手術法2,術後4週」の比較などを想定しておられるのかもしれませんが,そういう比較に何か意味がありますか?

知っ たかぶりさんのおっしゃるように,僕が比較したいのは上記のような比較です。手術法1と手術法2を比べた場合,術後2週には差がなくても術後4週には差が 出たというような話にもって行きたいと思っています。説明不足で申し訳ありません。統計学的に意味がないものなのでしょうか・・・

>等分散していませんでした。
SPSSでleveneの検定をしました。Sig .033で残念ながら等分散とはいえない結果でした。モデルの性質上,各群間のN数も一定ではなく,今後の改善のためにもご意見をお聞かせいただくと幸いです。

No.06733 Re: 2元配置分散分析に関しての質問  【takahashi】 2008/06/10(Tue) 13:41

上記の場合は,通常は,対応がないものと扱われると思います。
そもそも対応のつけようがない。だから(等分散性の問題を無視すれば)繰り返しのない2要因分散分析でOKです。

同一検体ではなくても,体重とか月齢とか,その他諸々のファクタを全て可能な限り揃えたサンプル対を用意するような場合は,対応があるものと扱われることもあるかもしれません。

>手術法1と手術法2を比べた場合,術後2週には差がなくても術後4週には差が出たというような話にもって行きたいと思っています。
交互作用があって,術後4週でのみ単純主効果が認められたら,このような話になります。交互作用がなければ,「時間経過によって術法の効果は変わらない」という帰無仮説が採択されることになります。

No.06738 Re: 2元配置分散分析に関しての質問  【知ったかぶり】 2008/06/10(Tue) 15:14

失礼致しました.勝手に同一個体からのデータだと思いこんでいました.takahashiさんが言われるように対応のない分散分析ですね.

>Sig .033で残念ながら等分散とはいえない結果でした。
サ ンプルサイズ4〜6程度なら,そう簡単に帰無仮説は棄却されないと思ったのですが,おそらく4群の中にかなりバラツキの大きなものが含まれているのでしょ う.どういう測定値であるのかわかりませんが,極端な外れ値がないか検討する必要があるかもしれません(何をもって外れ値とするかも問題ですが).

No.06740 Re: 2元配置分散分析に関しての質問  【tothi】 2008/06/10(Tue) 15:51

早速のご回答ありがとうございます。自分なりに大分頭の整理がついてきました。ありがとうございます。それといっては何ですが,後学の為にいくつか質問させて頂くことをお許しください。

等分散の問題は置いておいて,結果の解釈に関して質問させてください。2元配置分散分析をつかい以下のような結果が出たとします。
1)手術法(Surgery) Sig .035
2)術後(Time) Sig .813
3)交互作用(Surgery*Time)Sig .069

この結果の解釈として,
A.SurgeryとTimeの間に交互作用は見られなかった。
B.Surgeryを無視した(手術法1と2をひとまとめにした)Time間(術後2週と4週の間)に差は見られた。
C・Timeを無視した(術後2週と4週をひとまとめにした)Surgery間(手術法1と手術法2の間)に差は見られなかった。

と考えてよろしいのでしょうか?

も しこの解釈が正しいとすると,Bの差をさらに詳しく解析するために「手術法2,術後2週」と「手術法2,術後4週」の差,それと「手術法1,術後2週」と 「手術法2,術後4週」の差をt検定等で検証することは意味がないのか,はたまた見当違いのことをしているのでしょうか?

しつこくて申し訳ありませんが,僕のこれからの研究領域ではこの手法をつかう事が非常に多くなると思われるので,理解をあまり曖昧にしたくありません。まことに申し訳ありませんが,出来ればよろしくご回答お願いいたします。

No.06742 Re: 2元配置分散分析に関しての質問  【takahashi】 2008/06/10(Tue) 16:33

>もしこの解釈が正しいとすると,Bの差をさらに詳しく解析するために「手術法2,術後2週」と「手術法2,術後 4週」の差,それと「手術法1,術後2週」と「手術法2,術後4週」の差をt検定等で検証することは意味がないのか,はたまた見当違いのことをしているの でしょうか?

分散分析のお作法としては,「意味がない」というのが答えです。
気持ちは分かりますが・・・。

No.06743 Re: 2元配置分散分析に関しての質問  【tothi】 2008/06/10(Tue) 16:58

takahashiさん,何度もご回答ありがとうございます。回答を頂く度に頭の整理がついてきます。

しつこくて申し訳ないのですが,

1.結果の解釈としては間違った解釈をしていないでしょうか?
2.もしこのデータに交互作用が見られた場合には,先ほど僕が書いた様なpost hoc進めていっていいのでしょうか?交互作用に有意差が見られなかった時点で意味のないものとなってしまったのでしょうか・・・

>気持ちは分かりますが・・・
あ りがとうございます。しかし今のデータに関しては僕もそんなもんかなと納得しています。今回質問させて頂いたのは,自分自身2元配置分散分析の考え方を しっかり定着させておきたいと思ったからです。詳しい方から見るととても馬鹿らしい質問かと思いますが,上記質問に答えて頂ける方がいれば幸いです。

No.06744 Re: 2元配置分散分析に関しての質問  【知ったかぶり】 2008/06/10(Tue) 17:17

>1)手術法(Surgery) Sig .035
2)術後(Time) Sig .813
3)交互作用(Surgery*Time)Sig .069

であれば,要因「手術法」の水準間に有意差があり,要因「術後」の水準間には有意差がないということになりますが(書き間違えかな?).

No.06745 Re: 2元配置分散分析に関しての質問  【takahashi】 2008/06/10(Tue) 17:26

「無視した(ひとまとめにした)」という言い方は微妙ですが,AからCの解釈(というか,検定の結果そのものですが^^;)は正しいと思います。
ただ,P<0.1のときに「有意ではない」ではなく「有意な傾向」といってお茶を濁す場合もあります。
(追記: 時間と術法が逆ですね。書き間違いですかね。)

交互作用が有意(ちなみに交互作用は「有意差」とは言いません)ではなければ,それでおしまいです。
交互作用が有意なら,(必要であれば)t検定ではなく単純主効果の検定を行うのが普通だとおもいます。

No.06756 Re: 2元配置分散分析に関しての質問  【tothi】 2008/06/11(Wed) 15:01

takahashiさん,知ったかぶりさんご回答ありがとうございます。おかけで大分勉強させて頂きました。

お二人のおっしゃるように,データを反対に記載していました。正確には

1)手術法(Surgery) Sig .813
2)術後(Time) Sig .035
3)交互作用(Surgery*Time)Sig .069

でした。混乱させてしまい申し訳ありません。また何かあればご相談させて頂くと思いますが,その時は宜しくお願いいたします。

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