No.05907 正規分布と対数正規分布について  【姿 三四郎】 2008/02/18(Mon) 20:48

ウイルス量は 10^X(例:10^2.0, 10^2.3)のように記載します。
細菌数は Y×10^Z(例:1.0×10^6, 2.0×10^6)のように記載します。
このようなものは正規性を検定するまでもなく対数正規分布に従うものと考えてよいのでしょうか?
抗体価は正規性を検定するまでもなく対数正規分布に従うので,ウイルス量や細菌数も同様なのかと思い質問したしだいです。
よろしくお願い致します。

No.05908 Re: 正規分布と対数正規分布について  【青木繁伸】 2008/02/18(Mon) 22:58

対数正規分布に従うデータということは,データの対数をとると正規分布に従うということです 10^x が対数正規分布に従うなら,log10(10^x) = x が正規分布に従うということです。逆に考えれば,もし,x が正規分布に従わないなら,10^x は対数正規分布には従いませんね。
layout(1:2)
par(cex=1.5)
x <- runif(10000) # もし x が[0,1)の一様分布に従うなら
hist(10^x) # 10^x は対数正規分布ではない
y <- rnorm(10000, 0, 0.1) # もしy が正規分布に従うなら
hist(10^y) # 10^y は対数正規分布に従う
こ れとは全く別のことで,a*10^6 などの10^6に相当するところは単位にすぎない。a の部分がどういう分布に従うかは表記に規定されない。たとえば身長を mm であらわすとき 1730 mm = 1.73*10^3 と表記されても,たぶん身長は正規分布に近い分布であることを否定されるものではない。


No.05922 Re: 正規分布と対数正規分布について  【姿 三四郎】 2008/02/21(Thu) 19:34

青木先生,詳細な説明ありがとうございます。
たとえば2群をそれぞれ正規性検定し,A群は正規分布,B群は対数正規分布に従う結果になった場合,2群間の検定は正規分布を仮定した検定で行うのがよいのでしょうか,それとも対数正規分布を仮定した検定で行うのがよいのでしょうか?
よろしくお願い致します。

No.05923 Re: 正規分布と対数正規分布について  【青木繁伸】 2008/02/21(Thu) 21:24

> 2群間の検定は正規分布を仮定した検定で行うのがよいのでしょうか,それとも対数正規分布を仮定した検定で行うのがよいのでしょうか?

前の質問が,この質問のイントロとも思えませんが。。

結論:「どちらも不適切です」

No.05936 Re: 正規分布と対数正規分布について  【マスオ】 2008/02/24(Sun) 02:01

前の質問についてですが,

表記の仕方とは関係なく,
ウイルスや細菌の増殖速度(Doubling Time)が正規分布に従う誤差を伴うとすると,その数量は対数正規分布の定義式に従うので,対数正規分布になります.
普通はその仮定のもとに,その対数が正規分布に従うとして処理しています.

No.05938 Re: 正規分布と対数正規分布について  【青木繁伸】 2008/02/24(Sun) 09:34

ウイルス量,細菌数も,それがどのようなものの測定値であるかによって,その分布が決まるだろうと言うことでしょう。
マスオさんの指摘のように,「増殖速度(Doubling Time)が正規分布に従う誤差を伴うとすると」などの前提条件(データ生成機序)によるわけです。
データ生成機序によって生成されているデータを記述するために記述方法があるわけで,ある記述方法に従っていればその生成機序が仮定される訳ではないと言うことです(まあ,身長のデータを a*x^b の形式で表すことはないでしょうけど)。

No.05950 Re: 正規分布と対数正規分布について  【姿 三四郎】 2008/02/25(Mon) 23:00

青木先生,マスオさん,ご教授いただきありがとうございました。

実はウイルスの排泄量をラット5匹を使って調べたのですが,ワクチン群の排泄量は対数正規分布し,対照群の方は正規分布するような結果になってしまいました。
これはサンプルサイズが小さかったために生じたものであり,ウイルス量は一般的に対数正規分布するもの(個人的な思い込み)だから,2群間の比較は対数正規分布で行えばよいと思っていました。

青木先生には心情を害してしまい,申し訳ありませんでした。

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