No.05301 有意確率の表示の仕方について  【★★】 2008/01/09(Wed) 00:58

危険率5%未満と場合,raw dataで,有意確率0.049であるものを,小数点2桁で表示するため,四捨五入すると0.05となって有意差がなくなります.

通常は,四捨五入して小数点2桁を表すのでしょうか?
また,有意確率の表示の仕方は,小数点3桁でもよろしいのでしょうか?

No.05303 Re: 有意確率の表示の仕方について  【青木繁伸】 2008/01/09(Wed) 08:18

小数点以下2桁で表示というのは,そういう指示があるのでしょうか?

> 四捨五入すると0.05となって有意差がなくなります

四捨五入して0.05になっても,本当は0.049なのだから,0.05じゃないですよね

小数点以下3桁で示せば良いのではないですか?

なお,有意性の判定において,「P ≦ 0.05 ならば有意」とされていると思いますので,別に 「P = 0.05 で有意」と表記しても間違いじゃないでしょう?

それでも,「本当は P = 0.051 の場合には P = 0.05 で有意ではないとなるじゃないか」といわれるでしょう?

だから,結局小数点以下3桁で示せばよいのです。

誰が,「小数点以下2桁で示せ」というのでしょうかね?

No.05321 Re: 有意確率の表示の仕方について  【★★】 2008/01/09(Wed) 21:25

丁寧な説明,ありがとうございました.
青木さんの説明で納得いたしました.

もう一つ質問があるのですが,「危険率5%未満とする」とした場合,危険率1%未満または0.1%未満の結果が出た場合,発表用のスライドの図で,使用するアスタリスクの表示はどのようにすれば,いいのでしょうか?
「危険率5%未満とした場合」は有意確率が1%未満の結果が出た場合でも,アスタリスクは1つのみしかつけられないのでしょうか?

No.05322 Re: 有意確率の表示の仕方について  【青木繁伸】 2008/01/09(Wed) 21:35

どこかに書いたと思いますが,慣例的に,
P ≦ 0.001 なら ***
P ≦ 0.01 なら **
P ≦ 0.05 なら *
分野によっては
P ≦ 0.1 なら その他の記号 たとえば △
(R だと . を使う)
Coefficients:
Estimate Std. Error t value Pr(>|t|)
(Intercept) -7.5333 2.9601 -2.545 0.0344 *
x 4.3515 0.4771 9.122 1.68e-05 ***
---
Signif. codes: 0 ‘***’ 0.001 ‘**’ 0.01 ‘*’ 0.05 ‘.’ 0.1 ‘ ’ 1
もっとも,P 値をちゃんと表記するという習慣がついてからは,記号を併記するという習慣は衰退しつつあると思います。

No.05323 Re: 有意確率の表示の仕方について  【★★】 2008/01/09(Wed) 22:16

ありがとうございました.
アスタリスクの表示は前置きで,例えば「危険率を5%未満とする(p<0.05)」とした場合,図で使用するアスタリスクの表示は,‘***’ 0.001 ‘**’ 0.01は意味をなさないというコメントを頂いたのでが.....
視聴者に分かり易ければ,いいということでしょうか?
統計のことは,あまりよくわからないので,詳しくお願いいたします.

No.05324 Re: 有意確率の表示の仕方について  【青木繁伸】 2008/01/09(Wed) 22:26

> アスタリスクの表示は前置きで,例えば「危険率を5%未満とする(p<0.05)」とした場合,図で使用するアスタリスクの表示は,‘***’ 0.001 ‘**’ 0.01は意味をなさないというコメントを頂いたのでが....

「危険率を5%未満とする(p<0.05)」というのは3つの意味で変です。
「有意水準を5%として検定を行う」のほうが良いでしょう。この文脈でpなど出る幕はない。

「図で使用するアスタリスクの表示は,‘***’ 0.001 ‘**’ 0.01は意味をなさないというコメントを頂いたのですが」,言っておられることがよく分かりません。

有意水準を5%としたのだから,P値<0.05 のときは全部1個の * を付けるべしといっているのでしょうか?
なんと,硬直した見解。

「統計学の慣習」(これは,今でもかなり強力ですよ)で,P < 0.001 なら ***,P < 0.01 なら **, P < 0.05 なら * を付けるのは有意水準を何にしようが統一されています。

極端に言えば「有意水準α=0.01として検定を行う」と宣言しても,0.01 < P <= 0.05 なら * は付けるべきものです。"*" が付いても,筆者は「有意としなかった」だけですが。

そもそも,「P値をちゃんと表示しましょう」という,近代戦略に従うならアスタリスクなんか付けなくて良いのです。

P値を正確に計算できなかった時代(石器時代だ!)には,アスタリスクの個数が,P値の大まかな数値範囲と対応していると了解していた(慣習でそれを筆者も読者も共有していた)。

P値を計算できて,それを表示できる時代において,読者サービスの目的でアスタリスクを付けるのなら,P値の大きさによって(慣習にしたがって)複数個のアスタリスクを付ければサービス満点でしょう。それはそれで,評価できるでしょ?

「小数点以下2桁で示せ」とか「アスタリスクは何個付けるべし」とか,誰がいうんでしょうかねぇ。変ですねぇ。大御所ですか。

No.05331 Re: 有意確率の表示の仕方について  【★★】 2008/01/10(Thu) 19:22

詳しく説明してくださいまして,ありがとうございました.
勉強になりました.

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