No.04746 多重比較補正と正規化  【K】 2007/11/20(Tue) 15:05

青木先生

査読コメントへの対応に困っており,初めて質問させていただきます.

今回の実験 では,各被験者とも6条件での測定を行っており(repeated-measures),ある1条件(条件A)のみが興味の対象で,残り5条件はコント ロール条件になっています(条件Aに効いていると予想される要素のうち,我々の仮説以外のものを一つずつつぶすために行ったのが5つのコントロール条件で す).よって示したいのは,条件Aが他の全ての条件よりも有意に大きいということです.被験者間の分散が非常に大きいため,条件Aを基準に全条件のデータ を正規化し,5つのコントロール条件の値が1より有意に小さいかどうかをt検定で調べたところ,全て有意になりました.全ての条件で有意差が出る場合のみ 意味があるため,多重比較補正は不要と考え補正しませんでした.

その結果差読者に,複数のt-testをやる以上,repeated- measures one-way ANOVAの後,多重比較補正をしてpost-hoc testを行うのが正しく,多重比較補正をしていないのは問題である.またrepeated-measures ANOVAは被験者間のばらつきを考慮したものであるから,被験者間のばらつきを減らすために正規化をするのはおかしい,と指摘されました.

Perneger, T. V. "What's Wrong with Bonferroni Adjustments." Brit. Med. J. 316, 1236-1238, 1998. 等を参照すると多重比較補正は我々の場合必要なさそうなので,そのように反論しようと考えていますが,問題ないでしょうか.また,確かに repeated-measures ANOVAは被験者間のばらつきを考慮したものですが,5つのコントロール条件の正規化データが1より有意に小さいことを示すことが数学的に間違っている のか分からず困っています.アドバイスを頂ければ幸いです.

どうぞよろしくお願いいたします.

● 「統計学関連なんでもあり」の過去ログ--- 041 の目次へジャンプ
● 「統計学関連なんでもあり」の目次へジャンプ
● 直前のページへ戻る