No.04326 喫煙率の減少についての検定  【SHIGE】 2007/09/07(Fri) 18:23

健診施設に勤務する医師です。ExcelやSPSSなどの統計ソフトを多少は使っていますが,統計学に対する根本的な理解?が欠けるために行き詰って,この掲示板にたどり着きました。

当施設の健診受診者を2群に分けて,医師が問診のときに
 A群:「喫煙者には禁煙を勧め,禁煙したものには禁煙継続を勧める」
 B群:「喫煙者にも禁煙したものにも,禁煙について何も言わない」
とした場合,翌年の健診時に禁煙している受診者の割合が変わるか,検討しています。

仮にA群,B群とも2200人(喫煙者1000人,非喫煙者1200人)として,下記のような結果となった場合

     A群     翌年の喫煙者  翌年の非喫煙者  合計
  問診前の喫煙者    950人      50人     1000人
  問診前の非喫煙者    15人     1185人     1200人
     合計      965人     1235人     2200人

     B群     翌年の喫煙者  翌年の非喫煙者  
  問診前の喫煙者    960人      40人     1000人
  問診前の非喫煙者    20人     1180人     1200人
     合計      980人     1220人     2200人

単純に考えると,下記のような2×2の表を作って,カイ2乗検定をすれば良いと思いました

    問診前の喫煙者 翌年の非喫煙者(=新規に禁煙した受診者)    
 A群: 1000人       50人       :禁煙率5%
 B群: 1000人       40人       :禁煙率4%

ところが,問診前に禁煙していた受診者で,新たに喫煙を再開してしまう受診者もいるので,その受診者の処理に困っています。問診前の非喫煙者まで含めた集団で考えて,下記のような表を考えたのですが,このあとどう処理すれば良いのか行き詰ってしまいました。

    問診前の喫煙率   翌年の喫煙率     喫煙率の減少度
 A群 1000/2200=45.5%  965/2200=43.9%  :(45.5-43.9)/45.5=3.50%
 B群 1000/2200=45.5%  980/2200=44.5%  :(45.5-44.5)/45.5=2.00%


特 定の介入を行った集団と行わなかった集団で,介入後のその集団におけるある疾患の有病率(この場合は喫煙率=ニコチン依存症の有病率)の減少度の検定,と いうことになるのでしょうか。何かアドバイスをいただければ幸いです。よろしくお願いいたします(長文になり申し訳ありません)。

No.04327 Re: 喫煙率の減少についての検定  【青木繁伸】 2007/09/07(Fri) 18:44

A群,B群それぞれでは,問診前後の喫煙率に違いがあるかは,マクネマー検定になりますね。
つまり,A群では,喫煙状況の変わった人は65人
非喫煙→喫煙 15人
喫煙→非喫煙 50人
B群では,喫煙状況の変わった人は60人
非喫煙→喫煙 20人
喫煙→非喫煙 40人
それぞれの群でのマクネマー検定は65人と60人がそれぞれフィフティ・フィフティで二つのカテゴリーに振り分けられるかの検定をしているわけです。ずっと喫煙とかずっと非喫煙の人は無関係なんですね。
では,A群とB群で喫煙から非喫煙になる人の割合は50/65と40/60ですね。この割合に違いがあるかどうかは二群の比率の差の検定(あるいは2×2分割表の独立性の検定)ではないでしょうか?
       A群   B群  計
非喫煙→喫煙 15人  20人  35人
喫煙→非喫煙 50人  40人  90人
合計     65人  60人  125人
> fisher.test(x)

Fisher's Exact Test for Count Data

data: x
p-value = 0.2346
alternative hypothesis: true odds ratio is not equal to 1
95 percent confidence interval:
0.2516365 1.4168895
sample estimates:
odds ratio
0.6024939

> chisq.test(x)

Pearson's Chi-squared test with Yates' continuity correction

data: x
X-squared = 1.159, df = 1, p-value = 0.2817

No.04328 Re: 喫煙率の減少についての検定  【SHIGE】 2007/09/07(Fri) 19:40

青木先生,早速のご返事感謝いたします。

さて,先生のお答えでは,喫煙状況の変化した受診者数を2群間で比較するとのことですが,医師の立場からいたしますと
 喫煙→非喫煙:新規に禁煙してくれた偉い?受診者
 非喫煙→喫煙:禁煙に挫折した残念な?受診者
という感じで,「喫煙状況の変化」という観点からは同じカテゴリーに入るにしても,「禁煙のお勧め」という介入の結果,として捉えると,全く正反対の行動をしているわけで,この2つを合計するというところが腑に落ちません。つまり
 新規に禁煙してくれた受診者:介入の効果あり
 禁煙を継続してくれた受診者:介入の効果あり
 喫煙を再開してしまった受診者:介入の効果なし
 喫煙を継続している受診者:介入の効果なし
と考えたいのですが,そうするとどういう2×2の表を考えるべきか,また行き詰ってしまいます。

No.04329 Re: 喫煙率の減少についての検定  【青木繁伸】 2007/09/07(Fri) 20:53

> 喫煙→非喫煙:新規に禁煙してくれた偉い?受診者
> 非喫煙→喫煙:禁煙に挫折した残念な?受診者

という,「神の立場」に立つのではなく,「教えられたことに従いたいけど,説得力が今ひとつなんだよね」という「凡俗の立場」からものを見るというのも大事なんでは?

要するに,「あれこれ言われたけど,やっぱ,タバコ吸いたいんだよね」という行動様式を如何に変えられたかということ。

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