「統計学関連なんでもあり」の過去ログ--- 040

No.04162　評価尺度に関する調査　　【Nori】　2007/08/16(Thu) 20:11

ある事故がおこるリスクの評価尺度について調べています。稚拙ですが自分なりに調べて考えた方法も書き添えてあります。御笑覧ください。

事故のリスクファクターiがあればAi=1，なければAi=0
として評価点数V=∑Aiとしてもとめます。
(調査の概要)
被験者ごとに評価点数を求め，フォローアップして観察期間中の事故発生回数を調べます（ただしフォローアップ期間は対象者ごとに異なります）。

以上のような調査を実施し，評価尺度について次のようなことを調べたいのですが，
①どのリスクファクタが事故に関連しているか調べる
②評価尺度の点数が高いほど事故が起こりやすいことを示す
③評価尺度の点数のカットオフポイントを設定し，低リスク，高リスクの2群にわける

(考えた方法と疑問)
①事故の発生を目的変数，リスクファクタを説明変数とするロジスティックモデルを考えました。しかし，調査対象者ごとにフォローアップ期間が異なるため，この手法は使えないようです。リスクファクタごとにOdds ratioを求めて比較することは適切でしょうか。

② 評価尺度の点数がiである被験者を合計して，のべ観察日数Niあたりの事故発生数riをまとめました。評価尺度の点数と発生率の回帰分析をすればよさそうですが，直線関係でなくても単調増加にあることがいえればよい場合，どのような手法が適切でしょうか。また事故発生の頻度は明らかに1日1回より少ないので，評価尺度の点数ごとに事故があった日数となかった日数にわけてコクラン・アーミテージ検定，またはU検定を実施することはいかがでしょうか。

③ROC曲線の利用を考えています。事故発生の頻度は明らかに1日1回より少ないので，評価尺度の点数ごとに事故があった日数となかった日数にわけてROC曲線を書こうと思っています。
検査の標準値の決め方を見ていると，使用目的などから感度，特異度を適切に設定してカットオフ値を求めているようです。スクリーニングなので高い感度が必要，と主張してカットオフ値を定めることは問題ないでしょうか。またこのようなROC曲線の利用は可能でしょうか。

以上です。よろしくお願いします。

No.04163　Re: 評価尺度に関する調査　　【青木繁伸】　2007/08/16(Thu) 22:27

「Cox の比例ハザードモデル」というのを調べてください。
多重ロジスティックモデルは，観察期間が等しい（というか，ある時間経過後の状態の予測）という制約があります。
Cox の比例ハザードモデルは，観察期間自体をモデルに組み込んでいますから，個体ごとに観察期間が違うというのはなんの問題でもなくなります。

なお，該当する項目の個数を予測に使うのではなく，それぞれの項目の該当・非該当をそのまま予測に使います。

No.04167　Re: 評価尺度に関する調査　　【Nori】　2007/08/16(Thu) 22:47

さっそくのお返事ありがとうございます。
説明不足で申し訳ありません。観察期間中に事故は1回とは限りません。もうすこし具体的にシチュエーションを説明させていただきますと，「評価点数Vの患者が入院中に転倒する回数」を調査しました。入院期間は患者によりさまざま。入院中に転倒する回数は1回とは限りません。なのでハザードモデルは使えないかな，と考えました。

No.04168　Re: 評価尺度に関する調査　　【青木繁伸】　2007/08/16(Thu) 22:54

> 説明不足で申し訳ない

最近，この言い訳が続きますね。最初からちゃんと説明してください。私は千里眼じゃないんだから（^_^）

入院回数を従属変数とすると，観察期間の不同は大問題でしょう。
たとえば1年当たりの入院回数に換算すれば，普通の重回帰分析でもオーケーでしょうが。
しかし，それとても，独立変数の測定時点と入院までの時間経過が大問題となるでしょう。

問題の定義にもよるが，観察を始めて（独立変数の測定）から結果（一回目の入院）を予測するというCoxの比例ハザードモデルの方がすっきりしていると思いますよ。（私はね）

とにかく，現実が複雑なのは当たり前なんだが，それを客観的な統計データの解析で示すには，状況を限定するのが必須。

No.04169　Re: 評価尺度に関する調査　　【Nori】　2007/08/16(Thu) 23:17

ご指導ありがとうございました。
1回目の転倒エピソードまでの期間を予測するCoxの比例ハザードモデルで解析してみます。