No.04119 検定についての質問  【むらかみ】 2007/08/12(Sun) 15:33

はじめまして。ヒトの動作の解析を行っております。試行ごとにかなりデータ−の変動がある動作で,侵襲があるため被験者が 見つからないため,一人の被験者に対し10試行(A動作),さらにその動作にある修飾をして10試行(A’動作)しました。AとA’動作それぞれの10個 のデータ−(正規性の検定は行いました。)を比較したいと考えてpaired t-testを行ったのですが,これは間違っているでしょうか。そもそも検定は出来ず,単純に平均値の大小くらいしか語れないのではないかと指導者には意 見されたのですが,他の手法はありますでしょうか?勉強不足なのですがよろしくご教示ください。

No.04125 Re: 検定についての質問  【青木繁伸】 2007/08/13(Mon) 15:01

「paired t-testを行った」とありますが,「一人の被験者に対し10試行(A動作),さらにその動作にある修飾をして10試行(A’動作)」という10組の データをどのように対応づけたのでしょうか?この場合は,いろいろ問題点はあるでしょうが(1回目と10回目では同じ条件とは言い難いとか?),対応のあ るなしでいえば,対応のないt検定ではないでしょうかね?

No.04130 Re: 検定についての質問  【むらかみ】 2007/08/13(Mon) 21:06

青木先生,ご教示ありがとうございます。このような場があり大変助かります。同じ人間で行った動作(動作というの は嚥下運動,飲み込みです.まったく同じ条件でも結構変動があります.)なので対応があると思い込んでしまいましたが,A動作とA’動作のそれぞれの試行 はまったくは対応はしておりませんでした。失礼しました。そこで,下記文献よりF検定でA動作とA’動作の分散は等しくなかったため,ウェルチのt検定を 行ってみようかと考えましたがいかがでしょうか?それと,最初の質問にも書かせていただきましたが10症例あるわけではなく,同じ人間の10試行ずつを比 べるというのは一般的ではないのでしょうか?尚,付け焼刃の私の知識は「4ssteps エクセル統計」(オーエムエス出版)からです。以上,ご教示可能でしたらお願いいたします。

No.04134 Re: 検定についての質問  【青木繁伸】 2007/08/13(Mon) 22:24

> 同じ人間の10試行ずつを比べるというのは一般的ではないのでしょうか

対応のないt検定の場合,ある群と別の群は全く別の対象についてのデータです(たとえばA群10人,A'群はそれとは別の10人みたいなもの)。このようなデータを独立2標本データといいます。
対 応のあるt検定の場合は,一人の人についてある条件と別の条件について対応のあるデータをとります(たとえばaさんもbさんも,AとA'の二条件でデータ をとります。10人で二条件,合計20個のデータがとられます。しかし,10人は同じ人は含まれません。つまり,aさんは3回,計6個のデータ,bさんは 2回,計4個のデータなどと言うことはないと言うこと)。このようなデータを関連のある2標本データといいます。

統計学では,データはそれぞれ独立でなくてはならない(対応のあるデータを除く)という大原則があります。そうしないと,ある特定の条件下のデータが多く取られるとしたら,結果をゆがめてしまうであろうことは容易に想像できますよね。

例 外的に今回のようにある一人の人について,条件を変えてそれぞれ複数回のデータをとるということがあります。これは,特定の人について条件による違いがあ るかどうかを知ることはできますが,その違いが普遍的であるかどうかはわからない(他の人においても同じように違いがある・ないといえるかどうかは全く情 報を与えない実験であるということ)。

No.04135 Re: 検定についての質問  【むらかみ】 2007/08/13(Mon) 22:44

青木先生,遅い時間に早速のお返事ありがとうございます.恥ずかしながら私の研究のデザインからして問題でした. 初めてといっていい研究ですのでこのような始末ですが,今後に生かしたいと思います(先ほどのデーターは使おうと思います).再度,基礎的なところから丁 寧なご教授ありがとうございました.

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