No.04096 分布について  【Yahoo!】 2007/08/09(Thu) 10:18

標本数が変わっても母集団の分布は変わりませんが,標本の分布は変わるのでしょうか?ここでいう変わるとは正規分布の形が変わるというのではなく,正規分布が対数分布になるということです。

例えば標本数が5のとき正規分布していたものが,標本数を100にすると対数分布に変化したというようなことはあるのでしょうか?

よろしくお願い致します。

No.04097 Re: 分布について  【青木繁伸】 2007/08/09(Thu) 10:56

> 標本数が5のとき正規分布していたものが,標本数を100にすると対数分布に変化した

「標本数」という用語の使用法に誤りがあります。ここで言われているのは「標本の大きさ(サンプルサイズ)」ということでしょう。「対数分布」も「対数正規分布」ですね。

そ れはさておき,標本サイズが5のようなときに,その母分布が何であるかは決めるのは無理でしょう。正規性の検定についてのことだと思いますが,サンプルサ イズが5では,「正規分布である」という帰無仮説はほとんどの場合棄却されないでしょう。標本サイズが100でもまだ正規性の検定においては少ないでしょ うが,正規分布であるという仮説が棄却されて対数正規分布だと言うことになったとすれば,それはサンプルサイズが大きくなったため標本誤差が小さくなり本 来の母分布の型が明らかになったということに過ぎないでしょう。

R の fBasics パッケージにある D'Agostino 検定を行う関数 dagoTest は,サンプルサイズが20未満だと検定してくれません。

No.04098 Re: 分布について  【Yahoo!】 2007/08/09(Thu) 13:20

青木先生,ご回答ありがとうございます。
動物種にもよりますが,私が行っている動物実験は1群5匹で行うことが多いのです。
次のような例題をつくりました。
(例題)
5匹でグラフを描くと正規分布していたので,対数変換もせず,そのまま解析しました。
しかし,100匹でグラフを描くと対数正規分布をしていたので,対数変換後,解析しました。
(解釈)
サ ンプルサイズが大きくなると,正規分布ではなく対数正規分布に従うということは,母分布が対数正規分布であるからだと思います。母分布が対数正規分布であ るにもかかわらず,サンプルサイズが5の場合,正規分布を仮定して解析を行っています。これは間違ったやり方なのでしょうか。このような場合,ノンパラメ トリック検定を行うのが正しいやり方なのでしょうか。それとも母分布が対数正規分布なので,標本が正規分布に従っていても,対数正規分布に従って解析しな ければならないのでしょうか。
ご教授の程をお願い致します。

No.04099 Re: 分布について  【青木繁伸】 2007/08/09(Thu) 14:16

母分布が何であるかは理論的に決まる場合もありますが,かなり大きな標本(サンプルサイズが大きい)をとれば,標本分布から母分布が推測できることもあります。

「サ ンプルサイズが5のとき,グラフを描くと正規分布していた」というのは本当は対数正規分布であるにもかかわらずサンプルサイズが小さく母分布を推測できな かった(正規分布に従うという帰無仮説を棄却できなかったので正規分布を仮定した)ので対数変換せずにそのまま分析したというだけのことです。
し かし,本当は対数正規分布であるなら,それはまずいでしょうね。対数正規分布に従うデータを正しく取り扱う方法で分析しなければならないでしょう。その方 法としては,対数変換してパラメトリック検定とかノンパラメトリック検定とか。いずれがより妥当性があるのかは,よく考えないといけませんね。

「標本が正規分布に従っていても」というのは,選択の理由になりません。

No.04100 Re: 分布について  【Yahoo!】 2007/08/09(Thu) 17:03

青木先生,ご回答ありがとうございます。
このようなこともありサンプルサイズが重要になってくるわけですね。
サンプルサイズが5の場合しか行っていなかったら,間違った解析を行っていたことになるわけですね。
このことを考えると,サンプルサイズが小さい場合,検出力は落ちますが,ノンパラメトリック検定を行った方が無難ですね。
母分布が何であるかは理論的に決まる場合には,標本分布が何であろうと母分布に従って解析することでよろしいのですね。
青木先生,ご教授ありがとうございました。

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