No.02825 因子分析のはじめについて  【猫】 2007/02/21(Wed) 20:47

はじめまして。
探索的因子分析を勉強中です。例えば5段階のリカート尺度で作ったときに,平均値±標準偏差で最小 値と最大値を超える時にその項目は因子分析前に削除すると書いてある本がありました。しかし,平均値が高いのであれば,それはその対象者の傾向を表してい るような気がするのですが,やはり項目を削除するものなのでしょうか。場合によって項目を残して因子分析をしてもよいと書かれている本もあります。それと も,因子分析ではない別の分析方法が適切なのでしょうか。よくわかりません。参考文献などありましたら教えてください。

No.02827 Re: 因子分析のはじめについて  【青木繁伸】 2007/02/21(Wed) 21:22

いろいろ試してみるのがよろしいのでは。
基本的なことは別として,万能因子分析マニュアルみたいなものはないと思います。

No.02832 Re: 因子分析のはじめについて  【にゃんちゅう】 2007/02/22(Thu) 10:38

>平均値±標準偏差で最小値と最大値を超える時にその項目は因子分析前に削除すると書いてある本がありました

そのようなことを書いてある本は管見では,
松本太加志・中村知靖(2002)『誰も教えてくれなかった因子分析』北大路書房
だけですが,あなたは何を読んだのでしょうか?
文献の紹介を求めながら,自分の参考にした図書を挙げないのはどうしてですか?

No.02833 Re: 因子分析のはじめについて  【猫】 2007/02/22(Thu) 11:07

回答ありがとうございます。
私が参考にしました著書の中には,松本太加志・中村知靖(2002)『誰も教えてくれなかった因子分析』北大路書房も,含まれています。南風原朝和(2002)『心理統計学の基礎』,そのほかSPSSで行う〜,SPSSで学ぶ〜と書かれている本も読みました。
参考にした著書を挙げなかったのは,図書館で借りた本でしたので,著者名と題名を提示できませんでした。すみません。
例 えば,「SPSSで行う多変量解析」のような本で,実際の方法についてはかかれていますが,どうして「天井効果」「フロア効果」と呼ばれるものを除外する のかという理由にあたる部分の説明が省略されていました。因子分析を始めるときに,データからいきなり開始しているものもありましたし,偏りとなっている 「天井効果」などがみられているものを除外しているものもありました。
手ものに,データをもっている状態ですが,質問紙の回答に偏りがでてしま い,25項目で天井効果などを削除すると,因子分析開始の段階で15項目に減ってしまいます。15項目で因子分析をするのと,25項目で因子分析をするの では,抽出される因子の内容が変わってきます。それが気になったので,今回質問をさせていただきました。ちなみに,この質問紙は尺度作成が目的ではなく て,「出来事を覚えていた理由」を知ることを目的に作られていました。
 説明が足りなくてすみません。いろいろ試してみようと思います。

No.02834 Re: 因子分析のはじめについて  【にゃんちゅう】 2007/02/22(Thu) 11:27

>南風原朝和(2002)『心理統計学の基礎』
有斐閣
わからないから教えて欲しいのです が,この本のどこかに天井効果と標準偏差との関係について書かれているのでしょうか?丁寧に読んだつもりですが,記憶にありません。今索引をみても, ちょっとめくってみてもそれらしいところはなさそうです。もし,書かれていたとするとどこにかかれていたか教えてください。

No.02837 Re: 因子分析のはじめについて  【猫】 2007/02/22(Thu) 13:13

にゃんちゅうさんへ
 何度も,お手数かけてすみません。確かに,『心理統計学』の基礎の中には,天井効果についての内容は書かれていません。因子分析などを勉強するときに,「猫」がどんな文献を参考にしたのかという意味に(猫が)とらえて,『心理統計学』の文献を記載しました。
 猫の最初の質問に対しては青木先生から,「因子分析のマニュアルはない」というコメントから,回答は得られたと考えます。文献を提示するときには,正確に行いたいと思います。ご指摘およびアドバイスありがとうございます。

No.03672 Re: 因子分析のはじめについて  【亀レオン】 2007/06/16(Sat) 21:54

ひとつは,回答の分布が偏った項目から相関係数を求めても精度が悪いためでしょう.
このような場合は項目分析を繰り返すにしたがって除外されることが多いと思います.
もうひとつは,その項目にはほとんどのヒトが同じ回答をするわけですから.全体の中の相対的な位置を知るためには不向きといえます.最終的な尺度にこのような項目ばかりが集まると「天井効果」や「フロア効果」が生じます.
また,回答の分布が偏っていても,最終的に因子負荷量が大きい項目は,項目の意味と因子に整合性があればひとまず採択して再調査するとよいでしょう.再現性があれば因子に対して極端な特性をもったヒトが反応しているかもしれません.
一 方,非常に希な回答や誰もが同じ回答をすることに調査の意味を見いだすのであれば,猫さんの言われるように対象者の傾向を表している項目であるといえま す.たとえば虚偽回答をチェックするという目的で使うという例が考えられます.ただしその場合は因子分析に用いる変数としては不向きであるといえます.
いちばんやっかいなのは,回答の分布が多峰性の場合かもしれません.この場合は平均値や分散に問題は生じません.回答の分布をチェックして除外するか,因子負荷量が大きい場合には項目や選択肢を改変して再調査が必要となるでしょう.
「15項目で因子分析をするのと,25項目で因子分析をするのでは,抽出される因子の内容が変わる」のというのは,因子の意味が変化する,因子数が変化する,構造など様々な状況が考えられます.集団を変えて調査して再現性を検討されるのがよいと思います.

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