No.02724 独立した2群を比較し、介入前後での有病率の変化に差があるかを検定するには  【ぐら】 2007/02/13(Tue) 06:08

青木先生/皆様
 いつもディスカッションを読んで勉強させて頂いております。ありがとうございます。

 過去の診療データによる薬の安全性の比較を計画しており,異なる2種類の治療を受けた群を比較して,血液検査値の異常の有無をエンドポイントとします。投薬により検査値が悪化するとは限らないので,投薬前の検査値異常者が投薬後にも異常であったとは限りません。

 2つの異なる治療群を比較し,治療の前後での検査異常者の割合の変化に差があるかを検定しようと思います。

薬Aで治療された群105人中
 投薬前の検査値異常が 8人
 投薬後の検査値異常が 12人
薬Bで治療された群140人中
 投薬前の検査値異常が 10人
 投薬後の検査値異常が 16人

というデータが仮に得られたとして,どの数字をどのように比較するのが適切でしょうか。

(1) まずは寄与危険度の差を検定しようと考えて「統計手法の選択ガイド」を使いましたが,検定→比率→標本比率と母比率の比較ではない→対応のない比率→2群,と進んだところで行き詰ってしまいました。

(2) 次にA群での「相対危険度1.5倍」とB群での「相対危険度1.6倍」の差をt検定するのが適切ではないかと考えましたが,そうすると今度はそれぞれの分散の求め方が分かりません。

 何か考え方に大きな穴があるでしょうか?よろしくお願いします。

No.02726 Re: 独立した2群を比較し,介入前後での有病率の変化に差があるかを検定するには  【青木繁伸】 2007/02/13(Tue) 08:39

> 投薬により検査値が悪化するとは限らないので,投薬後の検査値異常者が投薬前にも異常であったとは限りません

対応のあるデータでしょうから,投薬前・後の元データがないと(少なくとも,この後に示されているデータの他に投薬前・後共に異常値が見られたものの数がないと)適切な分析はできないでしょう。

No.02728 Re: 独立した2群を比較し,介入前後での有病率の変化に差があるかを検定するには  【ぐら】 2007/02/13(Tue) 09:24

ありがとうございました。

対応のあるデータだと考えるならば,薬A群,薬B群のそれぞれについて
 治療前後とも正常値
 治療前正常,治療後異常
 治療前異常,治療後正常
 治療前後とも異常値
の4つのパターンに分けてカウントする必要がありますね。

その上で,
 2*4のカイ2乗検定にするか,
 サブグループに分けて2*2のカイ2乗検定にするか
臨床的な意味付けを考えて選択することにします。

● 「統計学関連なんでもあり」の過去ログ--- 040 の目次へジャンプ
● 「統計学関連なんでもあり」の目次へジャンプ
● 直前のページへ戻る