No.02480 Re: 用量依存の試験について 【takahashi】 2007/01/26(Fri) 17:38
ダメというか,順位が想定できる場合はWilliamsの方が検出力が高いんじゃないですか?
薬品業界の話は詳しく知りませんが,それが一般的なんじゃないですか(貴方の方がお詳しいと思いますが)?
DunnettもWilliamsも多重比較法としては特殊な部類なので,分野を限定しない一般論の話をしても,あまり意味は無いと思います。
あと結果に応じて,採用する多重比較法を変えるというのは,よろしくないと思います。
No.02508 Re: 用量依存の試験について 【木枯らし紋次郎】 2007/01/29(Mon) 08:44
takahashiさん,ご回答ありがとうございました。
用量依存の試験であるのに,ウイリアムズ以外の多重比較法を使用している文献がありましたので,用量依存の試験なのになぜウイリアムズを使用していないのだろうかと疑問に思っていました。それでこのような質問をした次第です。
No.02509 Re: 用量依存の試験について 【青木繁伸】 2007/01/29(Mon) 10:07
吉田らの本(45ページ)で,「さらにa個の母平均について,μ1≦μ2≦...≦μa 中略 の関係を想定できるものとする」と書いてありますね。
逆に言えば,この想定ができない場合(必要ない場合)はダネットで良いことになりますね。
あるいは,単純に,著者がそのような検定を知らなかったという理由から間違えた(不適切な)検定を採用する(更に,査読者もそれがわからない)ということは少なからずあります。
No.02516 Re: 用量依存の試験について 【mom】 2007/01/29(Mon) 14:33
はじめまして。統計に詳しいわけではないですが,私の経験上の話をさせていただきます。
Williams の多重比較を知らない,あるいは使わない人は大手メーカーでない製薬業界人には多いと思います。Dunnettが使えてもWilliamsが使えない統計 ソフトがあることも一因かもしれません。薬効を証明する場合,Dunnettを使って検出力が落ちたとしても,「いいすぎにはならない」ので良しと考えて いるのかもしれません。
ただし,「用量依存的に効果があった」と結論するのであれば,「用量依存的であることを検定している」ことが要求されます。用量依存性を前提としているWilliams検定で有意であれば良いが,Dunnett検定では駄目,といわれたことがあります。
とはいえ,前述のようにWilliams検定はそれほど使われていないので,その場合はどうしているかというと,回帰分析で直線性を示し(直線的でないとやっかいでしょうが),どの用量で有意な効果が認められるかについてはDunnett検定を行う場合が多いようです。
No.02521 Re: 用量依存の試験について 【takahashi】 2007/01/29(Mon) 21:22
用量依存云々よりも,DunnettとWilliamsでは帰無仮説・対立仮説が違いますよね?
ですから,木枯らし紋次郎さんの読んだ文献ではDunnettが仮定する帰無仮説を立ててたのではないですか?
そうじゃないとおかしい。
手元の資料では,Dunnettの対立仮説は
∃i: μ1 ≠ μi, i=2,...,k
Williamsは
∃i: μ1≦μ2≦...≦μk, μ1<μk
となっています。
たとえば,用量依存であっても,「あるベースとなる用量と差が出てくるような用量はいかほどか」という問いに対しては(この問いの妥当性は議論の余地があるが),Dunnettが適してるような気がします。
これはまさに,momさんがおっしゃっているやり方ですね。
No.02523 Re: 用量依存の試験について 【青木繁伸】 2007/01/29(Mon) 21:57
繰り返しになるけど,どの時点で有意な効果が現れるかということを知りたい場合,Dunnette の仮定では弱いという場合があるんでしょう。用量 X(i) で有意だけどX(i+1)では有意でないということが起こると困るなあというときには,Williams の仮定の方が都合がよいわけでしょう。
No.02534 Re: 用量依存の試験について 【木枯らし紋次郎】 2007/01/31(Wed) 08:38
皆様,ご回答ありがとうございました。
前々から悩んでいた疑問が解決いたしました。
今後もこのサイトを利用させていただきますので,ご指導のほどをお願い致します。
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