No.02284 標本数なのか。それとも。。。  【波音】 2007/01/14(Sun) 19:00

調べ物をしていてたまたま文部科学省のこんなページを見つけました(http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/18/10/06100304/003.htm)。

こ のページにおいて,どのExcelファイルでも良いので開いていただくと分かると思うのですが,表中のセルに「標本数」と書かれています。でも恐らくは標 本数ではなく,標本の大きさではないかと思うのですが単なる私の勘違いなのでしょうか?まさか文部科学省が用語を間違って使うわけもありませんし。。。

でも平均値と標準偏差を載せているのに標本の大きさではなく,標本数を載せることに何の意味があるのでしょうか?

No.02285 Re: 標本数なのか。それとも。。。  【青木繁伸】 2007/01/14(Sun) 19:12

文科省といっても,お手本になるような玉じゃありません。統計学をちゃんと習っていない官僚が作った(管理した)ページなんでしょう。

大学や研究機関のホームページでも,誤用はいっぱいあります。しかも,統計学のページにさえ。
統計学の教科書にも誤用が見られることもあります。

http://www.jil.go.jp/column/bn/colum005.html

No.02288 Re: 標本数なのか。それとも。。。  【波音】 2007/01/14(Sun) 20:10

早速の回答ありがとうございます。

やはり誤りだったのですか。そうではないかと思っても,国家権力にはどうも弱い私です。ご指摘されているように教科書にも標本数と書いてあるものがあったりするものが結構多いので,そうなると「私が間違っているの?」と不安さえ覚えてしまいます。

きっ と1冊の本で間違いがあれば,極端な話,購入された部数分の人間が騙されることになるのでしょうから,ねずみ講のようにドンドンと氾濫していってしまうの かもしれません。もっとも,統計学関連の書籍を買うなんて人は専門家かマニアックな人種でしょうからそれほど顕著ではないでしょうが。。。

No.02312 Re: 標本数なのか。それとも。。。  【元サムライ名物学生】 2007/01/16(Tue) 13:04

非統計博士の有名な統計入門の本を書かれているスタンフォード帰りの博士研究者は,データまたは標本の数という風 な言い方をしています。この方は,あえてサンプルサイズという英語をそのままカタカナにしたものを避けているようです。他にも,標本数とは言っていません が,観測値の総数というsample sizeの定義の訳語を使っておられるかたもいます。官僚の方々は,アメリカやその他英語圏に修士留学されるかたも相当数おられ,当然,そこで行われるコ ンピューター実習なども,the number of observationsはいくつだとして何なにせよいう問題や課題を目にしているわけであり,そこからも,標本数と言う風になったのであろうと思われま す。

ビックリされるかもしれませんが,アメリカでは主にカリフォルニアの大学の先生はaccept the nullと言う言葉を多用または許容していますが,中西部や東部ではdo not reject the nullと書いたり言ったりしないと減点されるという統計学の違いまで存在します。

いちがいに間違いだと断定しないのが無難だと思われます。

No.02316 Re: 標本数なのか。それとも。。。  【takahashi】 2007/01/16(Tue) 13:28

>いちがいに間違いだと断定しないのが無難だと思われます。
私は間違いだと断定しなければならないと思っています。

私の理解では,標本数が何故間違いなのかというと,定訳(サンプルサイズ・標本の大きさ)ではないから間違いなのではなく,全く別の概念を示してしまうから間違いなのです。

もし現在の標本数が示すものに別の名前が付いて,それが認知されれば,サンプルサイズを標本数としても間違いではなくなるのかもしれません。

>観測値の総数
>the number of observations
これは問題ないように思います(もちろん定訳を使ったほうがわかりやすいですが)。

>データまたは標本の数
これは変ですね。

accept the nullとdo not reject nullの話は,行間を読めばニュアンスが違ってきますが,別にどっちでも統計学的には意味が通じるので個人的にはどっちでもいいと思います。これ,統計学的に違うんですか?

No.02318 Re: 標本数なのか。それとも。。。  【青木繁伸】 2007/01/16(Tue) 13:49

日本における学術用語は漢字をつなぎ合わせてもっともらしく作られていますね。
英語などでは普通の用語をつなぎ合わせて学術用語になっていると思います。
その辺の違いも,影響しているのではないかと思います。

日本では,「帰無仮説を採択する」といいますね。これは,accept the null なんでしょうか。
しかし,個々の帰無仮説に沿って詳しく述べるときには,「○○に差がないとはいえない」とかいいます。これは,逆をとれば,do not reject null そのものではないけど近いでしょうか。
不思議なものです。

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