No.02097 因子分析  【茶】 2006/12/31(Sun) 15:49

参考書等を見ても,ここまで詳しく載っていないので,質問させていただきます。

天井効果(偏ったデータ) が出たので,天井効果を除いて因子分析を行ったら,項目数が2項目の因子が出てきました。元から尺度項目もそんなに多いものではないため,因子数を固定し て試してみても2項目のみの因子が現れてしまいます。このような少ない因子を用いて,分析を行うことに何か不都合な点は生じてくるのでしょうか?

そ れともう一点,回転法についてなのですが,プロマックス回転をしてみたところ,4因子中,1つの因子間に因子間相関が0.1という相関が現れました。 0.2以下はほとんど相関のないようなものだと教わったのですが,限りなく0に近いというわけでもないわけでありますが,このような場合,バリマックス回 転の方がふさわしいのでしょうか。
よろしくお願いします。

No.02098 Re: 因子分析  【青木繁伸】 2006/12/31(Sun) 16:21

> このような少ない因子を用いて,分析を行うことに何か不都合な点は生じてくるのでしょうか

記述が変なのですが,因子分析の結果として,因子が得られるというのは,承知なんでしょうね。
不都合かどうかは,解釈できるかどうかでしょう。また,尺度を作るなどの目的なら,そのように含まれる項目数が少ない因子を利用するのが難しいでしょう。

> 限りなく0に近いというわけでもないわけでありますが,このような場合,バリマックス回転の方がふさわしいのでしょうか。

因子間の相関が0に近いからバリマックスというのは変でしょう。
プロマックスで因子間相関が若干でも見られれば,直交を仮定するバリマックスは「近似解」ですよね。近似解が望ましいわけはありません。

No.02104 Re: 因子分析  【茶】 2006/12/31(Sun) 18:11

返信ありがとうございます。大変参考になります

尺度を作る目的ではなく,既存尺度を用いて分析を行おうと考えていたので,今回,得られたデータは天井効果が多く,先行研究とはだいぶ項目数の少ない下位尺度となってしまい戸惑っていました。

>因子間の相関が0に近いからバリマックスというのは変でしょう。

プロマックスで因子間相関が0.00に近ければバリマックスで再度因子分析を行うと簡単に考えていましたが,そもそも根本的な考え方が間違っていたようでした。

>プロマックスで因子間相関が若干でも見られれば,直交を仮定するバリマックスは「近似解」ですよね。近似解が望ましいわけはありません。

予想される因子(下位尺度)に相関がないと仮定を置いた上で,バリマックス回転を行うと考えてよろしいのでしょうか?(同じようなことかもしれませんが・・・)

解釈を間違っていないか別の尺度例で確認させていただきたいのですが,
抽 出された3因子の中で1つの因子間にのみ相関がほとんどない(今度は0.06)のですが,他の因子間には相関がある場合,(因子1と2では類似した因子で すが,因子3は異なった内容の因子)相関があると仮定して,プロマックス回転を適用するほうが適切ということでよいのでしょうか。

わかりにくい点あると思われますが,何卒よろしくお願いします。

No.02105 Re: 因子分析  【にゃんちゅう】 2006/12/31(Sun) 18:30

プロマックス回転そのものが近似解といえるものですから,それを絶対視することはできません。

3因子でも4因子中のほかの因子は相関があるのなら,斜交回転のほうがいいでしょう。

下位尺度に相関がないという前提は成立するのでしょうか? 相関がないのでは下位尺度にはならないのでは?

少ない項目なのに安定して抽出されるのは2つの項目に特殊な意味があるからではないでしょうか? 元の相関行列を見て考えてみましょう。

No.02106 Re: 因子分析  【青木繁伸】 2006/12/31(Sun) 19:00

にゃんちゅう さんのおっしゃるように「プロマックス回転そのものが近似解といえるものです」というのはそのとおりです。というか,因子分析自体,データ構造の近似解ですから(^_^;)

因子軸が直交というのは,因子軸が斜交とうのに含まれるわけですから,斜交解を求めるのがまっとうなのです(と,どなたかも本に書かれております)。
斜交解で因子軸が直交に近かったらそのように解釈・理解すればいいだけで,直交を仮定したけど実際は直交していないかもしれないという不安がないだけましでしょう。

前のコメントで書き落としましたが,因子負荷量の大きな項目を2つくらいしか含まない因子というのは,分析に用いた変数セットでは独自因子に近いということになるんでしょう。そのような項目を除いて因子分析する方がきれいな結果が出るのではないでしょうか。
所詮,分析に用いた変数セットの範囲内でしか答えは得られないのですから。

No.02107 Re: 因子分析  【茶】 2006/12/31(Sun) 19:15

にゃんちゅうさん 青木先生 コメント誠にありがとうございます。

下位尺度とはいえ,異なる既存尺度から下位尺度をもってきたものを併せた尺度になります(聞きたい内容は同じなのですが)。ですので,相関があるということが言い切れないこととなります。

>少ない項目なのに安定して抽出されるのは2つの項目に特殊な意味があるからではないでしょうか? 元の相関行列を見て考えてみましょう。

この2項目と,ある因子との相関がほとんどなく(0.06),元の相関行列をみても,部分的に有意ではない状態となっています。

参考書等を見てみたものの,理解力不足で,きっちり理解できていなかったようです。

「因子間相関が無相関=斜交回転を用いることは適切ではない」ということで解釈していたのですが,そもそもの解釈自体が間違っていたようです・・・。

ということは今回のこのようなケース(3因子中,ある因子間の中に0.06が含まれるケース)の場合でも,斜交回転がふさわしいということで理解しても間違いないでしょうか?

本当に初歩的で申し訳ないのですが,よろしくお願いします。

No.02110 Re: 因子分析  【青木繁伸】 2006/12/31(Sun) 23:43

> 下位尺度とはいえ,異なる既存尺度から下位尺度をもってきたものを併せた尺度になります(聞きたい内容は同じなのですが)。ですので,相関があるということが言い切れないこととなります。

概念だけで下位尺度であるとしても,データがそれを裏切っているわけですね。

> この2項目と,ある因子との相関がほとんどなく(0.06),元の相関行列をみても,部分的に有意ではない状態となっています。

要するに,その2項目は他の項目とほとんど関係のない独立した因子(質問項目)なのでしょう。そのような項目を分析に含めるのはやはりまずいでしょう。どうしてもその項目が聞いている内容を聞きたいなら,その内容を聞く質問項目を増やすべきでしょう。さもなくば,削る。

> 今回のこのようなケース(3因子中,ある因子間の中に0.06が含まれるケース)の場合でも,斜交回転がふさわしいということで理解しても間違いないでしょうか

そのような項目は除外すべしと言うことなんですよ。

No.02119 Re: 因子分析  【茶】 2007/01/02(Tue) 15:14

コメントありがとございます。大変参考になりました。

項目を除外してみたところ,削っても負の相関が現れたので,先行研究では逆転項目扱いしてなかった下位尺度ですが,異なる下位尺度をもってきたものを併せた尺度なので,負の相関が現れた下位尺度全てを逆転項目として,因子分析をしなおしてみました。

すると信頼性もあがったわけでありますが,逆転項目にしても因子のわかれかたも同じでも,逆転項目にしたため先行研究の下位尺度と意味を逆に変えて取り扱うべきなのでしょうか?

(たとえば,「悲しみ因子」だったものが,逆転項目としてその下位尺度全部を逆転として扱ったため,「喜び因子」と全く逆の意味として扱わなければならないのでしょうか?)

他の因子と異なることを聞いているのをわかりやすくするために,そのまま逆転する前の因子内容の解釈として扱うのではおかしいのでしょうか?

それとも,ある下位尺度まるごとを逆転項目として取り扱うこと自体が問題あるのでしょうか?

わかりにくい点あると思われますが,どうぞよろしくお願いします。

No.02120 Re: 因子分析  【青木繁伸】 2007/01/02(Tue) 15:23

> 削っても負の相関が現れたので,先行研究では逆転項目扱いしてなかった下位尺度ですが,異なる下位尺度をもってきたものを併せた尺度なので,負の相関が現れた下位尺度全てを逆転項目として,因子分析をしなおしてみました

この時点でやっと,逆転項目であることが分かったのですか?

> 「悲しみ因子」だったものが,逆転項目としてその下位尺度全部を逆転として扱ったため,「喜び因子」と全く逆の意味として扱わなければならないのでしょうか

因子分析の結果として出てくる,因子負荷量の符号は,因子単位でそっくり入れ替えて良いと言うことはご存じでしょうか?
プラスだから喜び,マイナスだから悲しみなどという価値観と結びつくような符号ではないのですよ。
喜びを表す項目の因子負荷量がマイナスで,悲しみを表す項目の因子負荷量がプラスで,不都合だと思えば(思う必要もないのだが),符号を入れ替えればよいのです。

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