No.02068 相関と対応のあるt検定 【かきやま】 2006/12/30(Sat) 13:29
「例題からわかる心理統計学」という本に,このような例題があった。
25名の女子大生に,自分(女子大生)と恋人の容貌の程度について,それぞれ7段階で評価してもらった。結果は表にまとめる。容貌において,自分と相手とのバランスは取れているかを検定せよ。であった。
この章に相関が取り上げられていたこともあり,答えも相関係数で解かれているのだが,一見して,これは対応のあるt検定が考えられないだろうか。
t検定であるという考え方をとった場合,
(1)対応のあるt検定をした際に,仮説は,自分と相手との容貌の評価には差がないとする。そこで差がないという結果がでた場合,それは自分と相手との評価に差がない,つまりバランスがとれているということが言える。
t検定ではないという考え方をとった場合,
(1)対応のあるt検定は平均の差を見るもの。今回は,自分と相手との対応関係を見るのだから相関を用いる。
やはりこの本の通り,相関係数を用いるのが正しいのか,そのあたりを,相関と対応のあるt検定の違いを含めてご教示いただけたらと思います。どうかよろしくお願いします。
No.02072 Re: 相関と対応のあるt検定 【青木繁伸】 2006/12/30(Sat) 15:22
対応のないデータでも,相関をとることはできますね。
たとえば,50人の身長と体重は普通は対応があるデータといいませんね。対応のあるt検定はできません。相関係数を計算することはできます。
50人についてトレーニング前後の体重は対応のあるデータで,対応のあるt検定もできますし,相関係数を計算することもできます。相関係数の検定と似ているけど単回帰分析をしても良いし(相関係数は双方向であるが,単回帰分析は一応因果関係を仮定する)。
なお,何相関係数を計算しているのかは分からないが,7件法であるなら,スピアマンの順位相関係数かケンドールの順位相関係数が良かろう。
また,7件法というので同じく,対応のあるt検定ではなく符号付順位和検定かと思うが,7件法では,差の順位付けができないので,せいぜい符号検定というのがせいぜいだろう。
● 「統計学関連なんでもあり」の過去ログ--- 039 の目次へジャンプ
● 「統計学関連なんでもあり」の目次へジャンプ
● 直前のページへ戻る