No.01932 多重比較  【suzuki】 2006/12/18(Mon) 03:50

以下の2点をお尋ね申し上げます。ご指導のほどよろしくお願い致します。
(1)1標本t検定を繰り返す場合には,検定の多重性は問題とならない(一連の検定を独立なものであると考えることができる)のでしょうか?
(2) 「ANOVAでは有意差はなかったが,多重比較では有意差が出るケース(多群のうち2群間には差があるがその他はほぼ一様でANOVAをおこなうと有意差 なしとなってしまうこともある)」の逆のケース,すなわち,「ANOVAでは有意差が出るが,多重比較では全ての対比較で有意差が出ない(全体では差があ るが,どの群間にも差がない)」場合には,どのような解釈が可能でしょうか?

No.01933 Re: 多重比較  【青木繁伸】 2006/12/18(Mon) 08:38

>(1)1標本t検定を繰り返す場合には,検定の多重性は問題とならない(一連の検定を独立なものであると考えることができる)のでしょうか?

その検定の実際が分からないと,「1標本t検定を繰り返す場合」というだけの情報では,判定できないでしょう。

> (2)「ANOVAでは有意差はなかったが,多重比較では有意差が出るケース(多群のうち2群間には差があるがその他はほぼ一様でANOVAをおこなうと 有意差なしとなってしまうこともある)」の逆のケース,すなわち,「ANOVAでは有意差が出るが,多重比較では全ての対比較で有意差が出ない(全体では 差があるが,どの群間にも差がない)」場合には,どのような解釈が可能でしょうか?

「全体では差があるが,どの群間にも差がない」ということでしょう。それ以外にどのように解釈もできないと思います。

No.01934 Re: 多重比較  【suzuki】 2006/12/18(Mon) 09:08

コメントありがとうございます。
http://cse.naro.affrc.go.jp/takezawa/r-tips/r/64.html
複 数のgroupについて,10人の患者に睡眠薬を飲ませ,睡眠時間がどれだけ増加したかを示すデータ(data名:sleep)があり,各group (1, 2, )のデータについて一標本t検定を行う(母平均muが0であるかどうかを検定する)場合には,検定の多重性は問題となるのでしょうか?

No.01935 Re: 多重比較  【青木繁伸】 2006/12/18(Mon) 09:56

そのような場合も,データは独立でしょうが,おなじ目的を持つ実験結果を複数回検定すると言うことは,明らかに検定の多重性があるでしょう。

例えば,1000人についてデータを集め,10人ずつのサブグループにして,100回検定するなんてことを考えれば,明らかに変だとわかるはず。

No.01937 Re: 多重比較  【suzuki】 2006/12/18(Mon) 10:37

アドバイスありがとうございます。検定の多重性を考慮し,以下の(i)あるいは(ii)の方法を適用します。
(i)平均0の対照群を用意し,dunnett法により検定を行う。
# http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/R/dunnett.html
control <- rep(0, 10)
group1 <- c(0.7,-1.6,-0.2,-1.2,-0.1,3.4,3.7,0.8,0.0,2.0)
group2 <- c(1.9, 0.8, 1.1, 0.1,-0.1,4.4,5.5,1.6,4.6,3.4)
dat <- c(control, group1, group2)
group <- rep(1:3, c(10,10,10))
library(mvtnorm)
dunnett(dat, group)
(ii)一標本検定を行い,bonferroni法によりP値を補正する。
t.test(group1, mu=0)$p.value
t.test(group2, mu=0)$p.value

No.01938 Re: 多重比較  【青木繁伸】 2006/12/18(Mon) 10:50

そもそも,なぜ2グループができているんでしょう?
control <- rep(0, 10)
なんてものを置いてもしょうがない。そもそも,何故そのようなものを置けるのか?
ダネットの検定について,もう一度確認なさる方がよいと思います。

ひょっとして,グループには違った睡眠薬を割り当てているんですか?
だとしたら,対照群には偽薬を与えて実際に実験データを採らないといけませんね。

No.01940 Re: 多重比較  【suzuki】 2006/12/18(Mon) 11:17

ご指摘ありがとうございます。ここでは,睡眠薬が睡眠時間を増加させるかどうかを調べることを目的とし,2種類の 異なる睡眠薬の例(2グループ)を挙げていますが,実際には,何種類もの薬の効果を検討したいと考えています。また,プラシーボ(偽薬投与)やシャムト リートメント(見せかけの治療)群を設定することが困難な治療法の効果も検討したいと考えています。

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