No.01692 臨床の善し悪しを統計で判断したい  【統計ができないと】 2006/11/30(Thu) 11:13

初めまして,某病院の透析室で勤務する看護師です。宜しくお願いします。

数名の患者さんに対して,今まで行っていた療法から別の療法へ変更しました。
変更した目的としては,安定した療法(血液流量が十分取れる)が行えて,療法中の血圧安定(薬物を使用しない)と基本的に4時間という療法時間を完了することです。

2つの療法の善し悪し(有意差はなかったとか,後の療法が優れていたなど)を出したいと思っています。
データとしてはある期間に2つの療法を行った患者さん数名で,血流量がある基準以上以下・血圧が100以上未満・時間完了出来たか出来なかった,この3点を取って統計的に比較?検定?したいと思っているのですが。
どうのような方法が良いのでしょうか。宜しくお願いします。

No.01695 Re: 臨床の善し悪しを統計で判断したい  【にゃんちゅう】 2006/11/30(Thu) 16:26

この質問には2つの面があります。
(1)療法の指標としてどのようなものがいいか。
(2)同一患者に2つの療法を行ったが,それによって改善もしくは同等の結果を得たとする方法。

(1)に関しては,従来から人工透析で指標とされているものを使うのがいいでしょう。一番多いのはリスク(死亡率)です。そのほか,Kt/v とかの検査から導かれる指標を使う場合,QOL のように別途測定することもあります。
  血圧の指標は見かけたことがないのです(注:適正血圧あたりかどうかデータをプロットしているのはあった)が,患者的にはかなり重要な問題です。新たに提 案する意味はあるでしょう。そのとき,絶対的に100以下と規定する方法と,透析前に測定した値から相対的にいくら低くなったときというような決め方の2 つの方法があります。臨床的にどういう基準が適切か調べてみてください。
 いずれにしても見た文献の範囲が狭いので,透析医にお聞きになるか,ご自分で探してみるのがいいでしょう。

(2)に関しては,前と後という比較はかなり問題を含む方法なので,ランダムに割り当てる等,サンプリング上の作法に従ったほうがいいでしょう。

No.01710 Re: 臨床の善し悪しを統計で判断したい  【統計ができないと】 2006/11/30(Thu) 22:37

にゃんちゅうさん,ありがとうございます。
私の質問は(1)(2)そのものです。

(1)に関しては,当院での結果を出したいので死亡率は無理で,Kt/vは検査データから透析量・効率を判断するような数値で2つの療法を比較するさい結果の意味が違ってきます。
今 回私達が2つの療法(HDとHDF)を行ったのは検査データを改善するためでなく,HDでは治療困難(一番のデータは血圧)でHDFを行ったら治療続行が 可能となったすなわち改善傾向となったことをなんらかの統計(t検定だとかカイ自乗etc)にあてはめて出来ないかと思いまして・・・上手く伝えられなく て,すみません。
それと,数名の患者さんに行ってます。同じ療法を行ったとしても様々な条件には相違があります。どうのようにデータを集計するべきでしょうか?

恥ずかしながら,ランダムに割り当てる等やサンプリング上の作法とかの言葉の意味合いもわからないしだいです。

No.01727 Re: 臨床の善し悪しを統計で判断したい  【にゃんちゅう】 2006/12/01(Fri) 18:51

(1)については,
http://202.216.128.227/%E9%80%8F%E6%9E%90%E7%99%BE%E7%A7%91/15.08.htm
にいくつか論文があがってます。
 一方で http://yujinkai.net/hdf.html にあるように血圧に対する効果を上げているものもあります。しかし,具体的に統計学的に示したものではなさそうです。
 血圧の例はないようなので自分で指標化する必要があるでしょう。100未満,100以上をカウントするなら,%データになります。が,1週間に3回計測したのをどの程度つかうのでしょう。何人くらいのデータになるのかそれによって,どうするのか考えなくてはなりません。

一応高い方が正常値に近くなるとかは考えなくていいのですね。

(2)のほうは指標をどうするかによって違ってきます。ただ,それを無視して,
(a)血圧をそのまま表すとして1人に1指標で十分な人数がいる(前の療法と後の療法を同じ患者がうけた)とした場合。
   →対応のあるt検定でできる。(血圧の高いほうがよいとする)
(b)1人一人血圧が100以上と未満の%データを指標として,何人かのデータがある。
(前の療法と後の療法を同じ患者がうけた)
   →ちゃんと考えないといけないようなのでパス。

とかのように場合によって違ってきます。

No.01768 Re: 臨床の善し悪しを統計で判断したい  【QE一辺倒】 2006/12/05(Tue) 18:01

実験計画は交配法,分析は分散分析でしょう。
武藤時宗著 品質管理の技術 日刊工業(S52)の5.8章に交配法が紹介されています。パターン(1)〜(5)まであって,投稿された内容から考えるとパターン(1)が適用できるのではないかと思います。
その方法は,次のようです。
パ ネル(人)Rを二群に分けて,ある時期はR1群には療法A1,R2群には療法A2を適用します。ある時期から逆にしてR1群には療法A2,R2群には療法 A1を適用します。分散分析は,要因をA(療法の差),R(パネル),K(時期),残差に分解して残差で要因Aを検定します。

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