No.00636 カイ2乗検定か多重解析か  【さわこ】 2006/07/13(Thu) 20:16

こんにちわ。よろしくお願いします。
ある3種の菌の感染における疫学調査をしています。
菌の感染において肝障害を起こした群と起こさなかった群の症例数の比率をだしました。菌A,菌B,菌Cの順に肝障害を起こした症例の割合が高かったので,菌Aと菌B,菌Bと菌C,菌Cと菌Aのそれぞれにχ2検定を行ないました。肝障害の起きる確率がA,B,Cの順に高いことを言いたかったのですが,先生のホームページを含め調べてみると多群間の解析なので間違いであることに気付きました。
どの検定法を使うのが正しいのか,カイ2乗検定では本当にだめなのか教えてください。
先生のホームページではTukeyを使うのがよいとのことでしたが,Tukeyで大丈夫でしょうか。
御教授よろしくお願い致します。

No.00638 Re: カイ2乗検定か多重解析か  【QE一辺倒】 06/07/14(Fri) 08:51

品質工学(QE)では,χ2検定は役に立たないとしています。理由は(1)要因効果の大きさの評価が不適当である,(2)χ2検定は誤差分散の評価がまずいためです(田口玄一 実験計画法第3版上,91ページ)。長年QC,QEに携わった製造現場の者としては,χ2検定はやったことすらありません。替わる方法は累積法です。累積法は開発された数十年前にはQC界から見向きもされませんでしたが,産業界で効果があがるとその声も無くなったと思っています。さらに,最近20年位は累積法を用いなければならないのは特性値の測定法が貧弱なためとされ,SN比で表現するように変わってきています。ですから,QEの世界では累積法はすでに価値を失っています。
このウエブサイトを拝見すると,回帰分析では最小二乗法,ステップワイズ法が散見されますが,田口先生発案の実験的回帰分析の方が実務者には理解と利用がしやすい。また,多くの質問は対比の分解による分散分析や直交多項式,SN比,MTシステムによるマハラノビス距離で片付くように思えてなりません。

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