No.00166 Re: SN比の計算式について 【そしゅう】 06/05/29(Mon) 08:30
SN比の代用として,標準偏差を使いたいとのご提案でしょうか?SN比の計算式はご自身で示されていますのでお分かりと思いますが,これの偉い所は 感度÷バラツキである点です。
もし感度がさほど変化せず,バラツキだけが変わる事象であれば,言われる通りですが,感度が変わる場合には代用できません。
多分SN比をうまく使えていないのではなく,概念の部分をご理解される努力をされれば宜しいかと思います。日本規格協会でコースが設定されていますので,直接田口博士からレクチャーを受ける事が可能ですよ。(尚,同協会の回し者では有りませんので,念のため)
No.00172 Re: SN比の計算式について 【夏維】 06/05/29(Mon) 17:28
お返事ありがとうございます.
[感度÷バラツキ]に関しては,ここでは静特性について考えていますので,たとえばCV値(=標準偏差/平均値)代用すれば,解析結果は変わらないのではと感じています.
(解析上,SN比で計算した場合と標準偏差やCV値を使用した場合では要因効果図では大小が逆転したグラフになりますが・・・)
SN比のありがたみが感じられない原因として,私自身考えている点として
(1)我々が担当している実験計画の依頼者は殆どが望大特性を扱っているので,SN比の部分をあまり重視していない.バラツキを無視しているわけではなく,望大特性で目標になかなか届かないので,出力を上げる方に目が行ってしまっている.
(2)バラツキを抑えることを考える場合でも,SN比で考える習慣がない.また,少しでも改善されれば御の字と考えているので標準偏差で考えて十分じゃないのと感じる.
(3)これが一番の原因と考えていますが,理想機能を考えた動特性を扱っておらず,静特性を見ているため通常出力は平均値であり,絶対値が大きく変動することが少ない.感度であれば変動が大きいので,[感度÷バラツキ]のありがたみを感じれるのかもしれない.
品質工学のことをわかってらっしゃる人が見たら,だから駄目なんだといわれそうですが,実際に実験をする人に品質工学を理解してやってもらうというのはなかなかハードルが高いと感じています.
日 科技連の実験計画法セミナーで田口先生から直接講義をいただきましたが,時間が限られていたこともあり,非常に難解だったという印象です.もう一度講義を 受けられる機会があれば,受講してみたいと思います.個人的には受講したいですが,会社として行かせてもらえるかどうか・・・.
No.00178 Re: SN比の計算式について 【そしゅう】 06/05/29(Mon) 18:37
色々とご苦労されている由,心中お察し致します。と言うのも文中から察するに以前は似たような仕事を私もしておりました。古典的な実験計画法から,田口メソッドに移行するに際しては,ある程度全社的なドライブフォースが無いと厳しいものがありますよね。さて
(1)については,一般的なプロセスは平均を動かす方が簡単ですよね。
(2)については,目的はSN比を求める事ではありませんからね。
(3)については,理想機能と言いますか,基本機能を考えないと,SN比の本当の良さは伝わりませんよね。
最近仕事が変わり思うのですが,現場が欲しいのはOutputであり,そのための方法論は古典的な実験計画法でも,田口メソッドでも,1因子実験でも良い訳です。重要な事はどのツールが一番効率的か,見抜く目を持つ事だと考えています。
とは言うものの,平均とバラツキを1つの尺度で表せるSN比は,テーマによっては大変優れていると感じています。
アドバイスにもなりませんでしたが,頑張って下さい。
No.00190 Re: SN比の計算式について 【夏維】 06/05/30(Tue) 09:16
お返事ありがとうございます.
御察しの通り,弱小統計部門で今のところはなんのサポートもないのですが,品質工学を少しでも導入していきたいとあがき始めたところです.ロバスト設計(外乱要因の影響を受けない設計)という文化を根付かせたいと考えていますが,まだまだ道のりは遠いですね...
(3)の部分がやはり一番ハードルが高いと考えています.
色々アドバイスありがとうございました.成功事例を積み上げていって徐々に普及を目指します.
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