★ 階層的重回帰分析における交互作用の下位検定について ★

9704. 階層的重回帰分析における交互作用の下位検定について yumin 2006/03/23 (木) 21:19
├9809. 測定限界以上の数値の取り扱い geepochi 2006/04/10 (月) 14:47
│└9810. Re: 測定限界以上の数値の取り扱い 青木繁伸 2006/04/10 (月) 16:09
├9709. Re: 階層的重回帰分析における交互作用の下位検定について NA 2006/03/24 (金) 14:13
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└9708. Re: 階層的重回帰分析における交互作用の下位検定について にゃんちゅう 2006/03/24 (金) 12:35
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9704. 階層的重回帰分析における交互作用の下位検定について yumin  2006/03/23 (木) 21:19
階層的重回帰分析において,変数XとZの交互作用項XZを第2ステップで投入したところ交互作用がみられました。分析の結果,交互作用が有意であった場合は,分散分析の交互作用のように作図をして視覚的な側面を示したいのです。交互作用が有意であることはわかったのですが,どのような交互作用になるのかビジュアル的にわかりません。

重回帰における交互作用も,分散分析のそれと同じように4つのセル(4水準の場合)の値を出して図示できるのでしょうか?もしできるとすれば,どのようにすればよいでしょうか?どなたか,ご教示していただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

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9809. 測定限界以上の数値の取り扱い geepochi  2006/04/10 (月) 14:47
初歩的な質問かと思いますが・・・
患者を対象とした症例研究で,ある検査値の疾患毎の比較を行っています。この検査値は正常値は1mg/dl以下で,測定可能範囲は0-20mg/dlです。全体の数%の症例で20mg/dlを超えており,ある特定の疾患Aでは20mg/dlを超える症例が3割を超えています。疾患Aでは他疾患に比較して有意に検査値が高いことを証明したいのですが,この場合
1)20mg/dl以上を例えば20として平均値の算出および比較を行っていいかどうか?その際の統計解析方法は?また疾患Aにおける平均値や中央値の算出は記述してもいいものかどうか?
2)検査値を軽度,中程度,重度など段階にわけて疾患ごとに比較すべきかどうか?またその際の解析方法は?

以上です。宜しく御願いします。

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9810. Re: 測定限界以上の数値の取り扱い 青木繁伸  2006/04/10 (月) 16:09
> 1)20mg/dl以上を例えば20として平均値の算出および比較を行っていいかどうか?

よくないです。
20以上であることはわかっても,21 なのか 36 なのかはたまた10000なのかわからないでしょ?
わからない数値を足して割っても,平均値になるわけがないですね。

> その際の統計解析方法は?

平均値を使わない検定方法を採用すればよいでしょうね。
二群の比較ならマン・ホイットニー,三群以上ならクラスカル・ウォリス。

> また疾患Aにおける平均値や中央値の算出は記述してもいいものかどうか?

前述のように,平均値はダメ
中央値はどのような定義かを考えてみれば,3割以上が20以上であることが中央値の計算に影響を及ぼすかどうかわかるでしょう。

> 2)検査値を軽度,中程度,重度など段階にわけて疾患ごとに
比較すべきかどうか?またその際の解析方法は?

例えば,10未満,10以上20未満,20以上などのように分けると言うことですか?
20以上というのはやむを得ないと思いますが,20未満の測定値をなぜわざわざ情報を捨てるのですか?もったいないお化けが出てきたり,モータイさん(だっけ?)にしかられてしまいますよ。
ノンパラメトリック検定だからといって,カテゴリー化なんかする必要はないのです。

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9709. Re: 階層的重回帰分析における交互作用の下位検定について NA  2006/03/24 (金) 14:13
通常の数量変数間の重回帰分析を前提にコメントします。もし,データが数量変数でなければこのコメントは無視してください。

説明変数が2個(x,y)の場合,目的変数 z を x,y の関数 f(x,y) で説明することが重回帰分析の主目的です。この関数で最も簡単なものが1次式で,その場合回帰式は

z = f(x,y)= a+b_1x+b_2y

です。1次式で十分なフィットが得られなければ,つぎの段階では2次式

z = f(x,y)= a + b_1x+b_2y + c_{11}x^2 + 2c_{12}xy + c_{22}y^2

が自然な拡張でしょう。質問中の「交互作用」が何を意味しているかよくわからないのですが,もし,上の式の中の xy のことを指しているとすれば,この項だけをモデルに取り込むことは,あまり意味がないような気がします。

データ解析の固有技術的な側面を考えないと,断定的なことはいえませんが,一般論としては,「第 2 ステップ」では,2次の係数全体についての有意性,すなわち

H_0 : c_{11}=c_{12}=c_{22}=0

を検定するところから始めてはいかがでしょうか。

分析結果を図示したいとのことですが,応答曲面(response surface) z=f(x,y) を 3-D ソフトを使って描いてみることも一案です。なお,2変数の2次式については,判別式 D = c_{11}c_[22} - c_{12}^2 の正,0,負にしたがって,応答曲面の形状が一変します。もし2次の係数が全体として有意ならば,つぎには D の符号を決めることは,意味のあることではないかと思います。

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9711. Re^2: 階層的重回帰分析における交互作用の下位検定について yumin  2006/03/24 (金) 18:28
NA様

早速丁寧かつ重厚なアドバイスありがとうございます。
難しいですが,勉強になります。

> 質問中の「交互作用」が何を意味しているかよくわからないのですが,もし,上の式の中の xy のことを指しているとすれば,この項だけをモデルに取り込むことは,あまり意味がないような気がします。

交互作用項はご指摘いただきましたようにxyのことです。xとyの積を第2ステップで投入しました(すべての変数は中心化してから投入しました)。

> データ解析の固有技術的な側面を考えないと,断定的なことはいえませんが,一般論としては,「第 2 ステップ」では,2次の係数全体についての有意性,すなわち
>
> H_0 : c_{11}=c_{12}=c_{22}=0
>
> を検定するところから始めてはいかがでしょうか。

△R2乗値の増加の検定ということでしょうか?
もし,そうであるようでしたらご指摘いただきましたように,検定を行いたいと思います。

図示することに関しては,難しいようです。
今から書いていただいたことを消化できるように
改めて調べてみたいと思います。
ありがとうございました。

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9714. Re^3: 階層的重回帰分析における交互作用の下位検定について NA  2006/03/24 (金) 23:17
yumin さま

> △R2乗値の増加の検定ということでしょうか?

(残差平方和の減少分/自由度)を誤差分散と比較する,いわゆる F 検定が適用できると思います。

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9708. Re: 階層的重回帰分析における交互作用の下位検定について にゃんちゅう  2006/03/24 (金) 12:35
かったのですが,どのような交互作用になるのかビジュアル的にわかりません。

論文でたまに見るのは,重回帰分析後に,x, zを2つのカテゴリそれぞれ高低にわけ図示する方法です。4つに分けたいなら4つにわけてもいいでしょう。

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9712. Re^2: 階層的重回帰分析における交互作用の下位検定について yumin  2006/03/24 (金) 20:15
にゃんちゅう様

貴重なアドバイスありがとうございます。
適当な論文を探してみたところ,2×2の分散分析のように4つのセルを使って図示してあるものありました。問題は4つのセルの値の求め方が難しいようで,私の用いている統計ソフトのSPSSでは困難なのかもしれません。

また,自ら調べてみようと思いますが,にゃんちゅう様がすでにお分かりでしたら,ご教授願えると幸いです。
ありがとうございました。

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9713. Re^3: 階層的重回帰分析における交互作用の下位検定について にゃんちゅう  2006/03/24 (金) 21:07
> にゃんちゅう様

> 適当な論文を探してみたところ,2×2の分散分析のように4つのセルを使って図示してあるものありました。問題は4つのセルの値の求め方が難しいようで,私の用いている統計ソフトのSPSSでは困難なのかもしれません。

これは簡単です。高低に分割する方法を適当に決めます。
(a)平均値・中央値などの真ん中で分ける。
(b)3分類して真ん中を抜かす。
(c)自分で高と低の区切り位置を決める
などの考え方があります。交互作用をはっきり見るのは(b)案がいいでしょうが,もともとデータがしっかり交互作用のあるものなら(a)でも大丈夫です。いずれかの方法で,x, zのデータを2分割します。分割の仕方はrecode とかrankを使います。
(a)recode の場合
メニューのデータ→値の再割り当て→他の変数へ
というのを使います。
(b)rank の場合
メニューのデータ→ケースのランク付け→百分位→2 とすれば2分割
この場合は自動的に変数名をつけてデータ窓に出力されるのでこれをつかう。

(a)の場合柔軟ですが,区切りの値を自分であらかじめ求めておく必要があります。

てなわけで,SPSSはこの問題に実に簡単に対応できるのです。

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9715. Re^4: 階層的重回帰分析における交互作用の下位検定について yumin  2006/03/24 (金) 23:27
にゃんちゅう様

早速のご教授ありがとうございました。
SPSSでやってみたのですが,とまどってしまいました。
戸惑いは以下の2点に集約されます。

(1)重回帰分析での交互作用項(x*y)のβが有意であったとき,その交互作用項の図示のために,分散分析を再度行い(4つのセルの値はにゃんちゅう様が教示してくださったような方法を用いる),SPSSに図示してもらうという方法でしょうか?
 
(2)もし,上記で正しいようでしたら,なぜ最初から分散分析を行わないのか?という疑問が湧いてしまったのです。重回帰分析を用いての交互作用の検討は,連続変量を分散分析のようにカテゴリカルな変数に変換せずにそのまま使えるという強みがあると思うのですが,図示の時だけ,分散分析の力を借り近似値にて示す,ということになるのでしょうか?

わかりにくい説明で申し訳ありません。
なお,私はいつも値の再割り当てを用いておりましたが,別の方法があることに驚きを隠せません。改めてありがとうございました。


>
> > 適当な論文を探してみたところ,2×2の分散分析のように4つのセルを使って図示してあるものありました。問題は4つのセルの値の求め方が難しいようで,私の用いている統計ソフトのSPSSでは困難なのかもしれません。
>
> これは簡単です。高低に分割する方法を適当に決めます。
> (a)平均値・中央値などの真ん中で分ける。
> (b)3分類して真ん中を抜かす。
> (c)自分で高と低の区切り位置を決める
> などの考え方があります。交互作用をはっきり見るのは(b)案がいいでしょうが,もともとデータがしっかり交互作用のあるものなら(a)でも大丈夫です。いずれかの方法で,x, zのデータを2分割します。分割の仕方はrecode とかrankを使います。
> (a)recode の場合
> メニューのデータ→値の再割り当て→他の変数へ
> というのを使います。
> (b)rank の場合
> メニューのデータ→ケースのランク付け→百分位→2 とすれば2分割
> この場合は自動的に変数名をつけてデータ窓に出力されるのでこれをつかう。
>
> (a)の場合柔軟ですが,区切りの値を自分であらかじめ求めておく必要があります。
>
> てなわけで,SPSSはこの問題に実に簡単に対応できるのです。

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9752. Re^5: 階層的重回帰分析における交互作用の下位検定について にゃんちゅう  2006/03/31 (金) 21:27
最近の雑誌
Multivariate Behavioral Research, 40, 3, 2005, 373-400.

Bauer, D. J. and Curran, P.J.  Probing interaction in fixed and multilevel regression: Inferential and graphical techniques.
という論文がでています。

これによると,2つの図示する方法があります。

一つは,一方だけをカテゴリ化して図示する方法です。これだと,分散分析よりは連続的になります。(直線性がきちんとしていればたいして変わらないとは思いますが)

もう一つはちゃんと論文を読まないとわからないので自分で読んでみてください。

おそらく,重回帰分析の解釈の仕方そのものにも役に立つものと思います。

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9754. Re^6: 階層的重回帰分析における交互作用の下位検定について yumin  2006/04/01 (土) 18:52
にゃんちゅう様

本当にありがとうございました。
さっそく原著にあたりたいと思います。
また,何かありましたら質問させていただきますが,
その時もお答えいただければ幸いです。
改めてありがとうございました。

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