★ 残差分析の結果の見方 ★

9631. 残差分析の結果の見方 森山 2006/03/13 (月) 12:21
└9633. Re: 残差分析の結果の見方 青木繁伸 2006/03/13 (月) 13:15
 └9634. Re^2: 残差分析の結果の見方 森山 2006/03/13 (月) 14:34
  └9637. Re^3: 残差分析の結果の見方 青木繁伸 2006/03/13 (月) 15:05
   └9640. Re^4: 残差分析の結果の見方 森山 2006/03/13 (月) 15:46
    └9642. Re^5: 残差分析の結果の見方 青木繁伸 2006/03/13 (月) 16:02
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     └9644. Re^6: 残差分析の結果の見方 青木繁伸 2006/03/13 (月) 16:11


9631. 残差分析の結果の見方 森山  2006/03/13 (月) 12:21
はじめまして。
χ2検定の後に行う,残差分析の結果の見かたについて質問させてください。


【度数分布表】
評定A 評定B 評定C
条件1 31 11 5
条件2 6 12 8
条件3 5 6 6


【残差分析の結果】
評定A 評定B  評定C
条件1 3.835 −1.871 −2.545
** + *
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
条件2 −2.859 1.802 1.431
** + ns
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
条件3 −1.583 0.300 1.591
ns ns ns


上記のような度数分布表と,残差分析の結果があります。
評定Aの反応数(反応割合?)について,条件1は条件2,条件3よりも有意に大きいと言って良いのでしょうか?
それとも単に,条件1・評定Aの値は「期待値(偶然)よりも有意に大きい」と言えるだけなのでしょうか?
残差分析の結果は,何に比べて有意に大きいといえるのかが,本で読んでもいまいち理解できませんでした。

また,上と関連した疑問なのですが,条件1・評定Aの値と,条件2・評定Cや条件3・評定Bの値を比較してものをいうことはできるのでしょうか?(たとえば,条件1・評定Aの反応数は,条件2・評定Cよりも有意に大きい,というように)

ご説明いただけますと大変ありがたいです。
どうぞよろしくお願いします。

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9633. Re: 残差分析の結果の見方 青木繁伸  2006/03/13 (月) 13:15
残差分析の定義(式)を見ればおわかり頂けると思うのですが,要するに,「ある一つのセルの観測値が期待値に比べて有意に大きいか小さいか」ということを見ているわけで,2要因の水準間の比較などではない(できない)と思います。

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9634. Re^2: 残差分析の結果の見方 森山  2006/03/13 (月) 14:34
お返事,どうもありがとうございました。
まだ少し,自分の中で理解できていないところがあるので,補足の質問をさせてください。

先ほどのデータは,心理統計のテキストから引用したものなのでした。
テキストには,「評定値Aの欄では条件1の残差だけがプラスに有意であり,他の条件2・条件3の残差はマイナスに有意または有意でなかったことから,評定値1がもっとも優れた成績をあげたといえる」と書かれていました。

評定値Aの反応について,
1)条件1は偶然よりも有意に反応が多い
2)条件2は偶然よりも有意に反応が少ない
3)条件3は偶然と変わらない。
となっているわけですが,条件1でだけ偶然よりも有意に反応が多いという結果から,条件1がもっとも優れた成績(評定値A)をあげたと読み取ることは間違いなのでしょうか?

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9637. Re^3: 残差分析の結果の見方 青木繁伸  2006/03/13 (月) 15:05
「評定値Aの条件1の観察値は期待値より有意に多かった」ということでしょう?

評定値A,B,Cと条件の具体的な関係がわからないので何とも言えませんが,どの評定値が重要かということなら評定値A:B, A:C, B:C の3通りの3×2分割表(3は3条件)の比較をすればよいし,条件間の比較なら,条件1:2, 1:3, 2:3 の3通りの2×3分割表(3 は3評定値)の比較をすればよい。
もちろん検定の多重性を考慮すること。

両者を組み合わせて,どの評定値・条件の組み合わせがもっとも期待値から離れているかは残差分析でよいけど。
ということではないですか?
この意味で言えば,二種類の下位検定は同じものではないということ。

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9640. Re^4: 残差分析の結果の見方 森山  2006/03/13 (月) 15:46
たびたびすみません。
また,すばやいお返事,どうもありがとうございます。

先ほどの例は,どういう教え方が効果的かを調べる研究でした。3つの条件(教え方)で実験して,成績(評定値)の分布が条件間でどう異なるかを見ています。成績の良い方から評定値A,B,Cとなっています。
そしてテキストでは,評定値Aの欄の結果(有意差の有無)を条件1〜実験3で比較することで,条件1がもっとも効果的な教え方であると述べていました。


しかし,「有意差」の意味が,全体の比率からの期待値と観測値との比較であるというお話を伺っていると,3x3の残差分析からいったい何が言えるのか,よく分からなくなってきてしまうのです(条件1・評定Aの数が多かった,ということは分かるのですが,それが他の条件2や条件3との比較ではなく,期待値との比較というところがピンと来ないのです)。

テキストにあるように,3x3の残差分析から,どの条件(教え方)がもっとも効果的であるか(評定値Aが多いか)を見ることはできるのでしょうか?

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9642. Re^5: 残差分析の結果の見方 青木繁伸  2006/03/13 (月) 16:02
> 先ほどの例は,どういう教え方が効果的かを調べる研究でした。3つの条件(教え方)で実験して,成績(評定値)の分布が条件間でどう異なるかを見ています。成績の良い方から評定値A,B,Cとなっています。

そのようなデータをなぜカイ二乗検定(私はこの呼び方は嫌いですが)をするのでしょう。
3条件の代表値の差の検定,つまりクラスカル・ウォリス検定をすべきものでしょう。
そして,どの条件(授業法)が優れているかは,2つの授業法をついにして,多重比較を行えばいいことです。

データ分析のスタート地点がおかしかったわけですね。

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9646. Re^6: 残差分析の結果の見方 森山  2006/03/14 (火) 01:53
お返事ありがとうございます。

統計はいろいろな方法によってアプローチできるのですね。
自分のデータを分析する際に参考にさせていただけたらと思います。

ただ今回は,可能であれば,前回投稿させていただいた分析結果から,残差分析の結果の見方について学ぶことができたらと考えています(説明が至らずに申し訳ありません)。

テキストにあるように,条件1・評定Aのセルが有意で,条件3・評定Aのセルが有意でないという結果から,評定Aの得られやすさは条件1>条件3であると解釈してよいのでしょうか?

お手数をお掛けして申し訳有りません。
お時間の空いたときに,お返事をいただけましたら幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

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9647. Re^7: 残差分析の結果の見方 青木繁伸  2006/03/14 (火) 09:24
> ただ今回は,可能であれば,前回投稿させていただいた分析結果から,残差分析の結果の見方について学ぶことができたらと考えています(説明が至らずに申し訳ありません)。
>
> テキストにあるように,条件1・評定Aのセルが有意で,条件3・評定Aのセルが有意でないという結果から,評定Aの得られやすさは条件1>条件3であると解釈してよいのでしょうか?

よくありません。
何回も言うように,残差分析は,特定のセルの観測数が期待値と乖離しているかどうかの検定だけです。

特に,分析の前提が不適切な場合には問題外です。
教科書が不適切なわけです。

実際の具体的な例で,残差分析が適切な場合に検定結果を正しく(特定のセルの観測数と期待値の乖離)解釈できれば良いだけです。

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9648. Re^8: 残差分析の結果の見方 青木繁伸  2006/03/14 (火) 09:36
> テキストにあるように,条件1・評定Aのセルが有意で,条件3・評定Aのセルが有意でないという結果から,評定Aの得られやすさは条件1>条件3であると解釈してよいのでしょうか?

本当に「評定Aの得られやすさは条件1>条件3」ということが言いたいのなら,「評定A を取ったものだけについて,条件1〜3の人数が同じである」という「一様性の検定を行えば良いだけでしょう。クロス表全体を対象にする必要もないし,残差分析も無関係です。

そのやり方では評定B,Cを考慮しなくても良いのか?ということでしたら,以前に述べた条件1〜3の3群の代表値の差の検定(クラスカル・ウォリス検定)行うということになります。

。。。堂々巡りだなぁ。

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9657. ありがとうございました 森山  2006/03/16 (木) 02:31
> > テキストにあるように,条件1・評定Aのセルが有意で,条件3・評定Aのセルが有意でないという結果から,評定Aの得られやすさは条件1>条件3であると解釈してよいのでしょうか?
>
> よくありません。
> 何回も言うように,残差分析は,特定のセルの観測数が期待値と乖離しているかどうかの検定だけです。

テキストにあるような見方は誤りだったのですね。
もう一度,特定のセルが有意であることの意味を考えてみたいと思います。
ご指摘をいただき,どうもありがとうございました。

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9644. Re^6: 残差分析の結果の見方 青木繁伸  2006/03/13 (月) 16:11
R でやってみると以下のようになりますね

データの定義
> x1 <- rep(1:3, c(31,11,5))
> x2 <- rep(1:3, c(6,12,8))
> x3 <- rep(1:3, c(5,6,6))

各条件での評定のメディアン
> median(x1)
[1] 1
> median(x2)
[1] 2
> median(x3)
[1] 2
結果:条件1が一番成績がよい

ウィルコクソンの順位和検定(連続性の補正)
> wilcox.test(x1, x2)
W = 335, P値 = 0.0005066
> wilcox.test(x1, x3)
W = 235.5, P値 = 0.005412
> wilcox.test(x2, x3)
W = 223, P値 = 0.9682

1:2, 1:3 とも有意な差がある
2:3 には有意な差がない

よって,条件1が一番優れた授業法である

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