★ クラスカル・ウォリスの検定のサンプル数計算 ★

8888. クラスカル・ウォリスの検定のサンプル数計算 大学院生 2005/12/27 (火) 11:44
└8890. Re: クラスカル・ウォリスの検定のサンプル数計算 青木繁伸 2005/12/27 (火) 12:05
 └8893. Re^2: クラスカル・ウォリスの検定のサンプル数計算 大学院生 2005/12/27 (火) 15:43
  └8895. Re^3: クラスカル・ウォリスの検定のサンプル数計算 青木繁伸 2005/12/27 (火) 16:39
   └8897. Re^4: クラスカル・ウォリスの検定のサンプル数計算 大学院生 2005/12/27 (火) 18:46


8888. クラスカル・ウォリスの検定のサンプル数計算 大学院生  2005/12/27 (火) 11:44
統計を独学している素人です。どうぞよろしくお願いします。「統計学関連なんでもあり」には,分かりやすい詳細で丁寧な説明があるためアクセスして勉強させて頂いております。

3 つのグループの差を調べる場合に必要なサンプル数を計算しようとしています。計画しているサンプル数で十分かどうか確認したいです(不十分であればサンプ ル数を増やします)。データはノンパラメトッリクです。複数の書籍からクラスカル・ウォリスの検定を行うのが適当ではないかと判断しました。しかし,計画 ではサンプル数が第1群は5,第2群は6,第3群は8です(合計19)。このサンプル数で,検出力が80%,有意水準5%の判定は可能ですか。また,可能 かどうかを調べる方法はありますか。

クラスカル・ウォリスの検定に必要なサンプル数の計算式というのは文献上もほとんど見当たらない,F検定(ANOVA?)に必要なサンプル数から計算しなおすと聞きましたが,素人であるため判断できません。

以 前このサイトで,青木先生が,マンホイットニーのU検定(対応のない2群の差のT検定)でサンプル数の少ない検定の意味について回答しておられます (2002年4月17日)。U統計量の分布の計算をして「意味」を判断するということで,非常に分かりやすかったです。同様なことが,クラスカル・ウォリ スの検定でも出来ますか。

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8890. Re: クラスカル・ウォリスの検定のサンプル数計算 青木繁伸  2005/12/27 (火) 12:05
> クラスカル・ウォリスの検定に必要なサンプル数の計算式というのは文献上もほとんど見当たらない,F検定(ANOVA?)に必要なサンプル数から計算しなおすと聞きましたが,

同じデータを一元配置分散分析(F検定)とクラスカル・ウォリス検定で分析する場合,後者は前者の3/π≒95.5%の検出力効率を持っています。ですから,F検定に必要な例数を求めてそのπ/3≒105%のデータを集めれば良いと言えます。
しかし,当然ながらF検定で扱うデータ(つまり,調査するデータ)が,クラスカル・ウォリス検定で扱うデータと同じ(例えば5件法であるとかいうことも含めて)でなくてはなりません。
また,事前,事後にかかわらず,パワー・アナリシスには効果量を仮定しないと計算できませんよ。

R には,F 検定のパワー・アナリシスのための関数 power.anova.test があります。
そのほか,G*power というフリーソフトがあります(Windows/Macintosh 版とも)。

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8893. Re^2: クラスカル・ウォリスの検定のサンプル数計算 大学院生  2005/12/27 (火) 15:43
青木先生
早速詳しいご説明とフリーソフトの情報をありがとうございます。

> > クラスカル・ウォリスの検定に必要なサンプル数の計算式というのは文献上もほとんど見当たらない,F検定(ANOVA?)に必要なサンプル数から計算しなおすと聞きましたが,
>
> 同じデータを一元配置分散分析(F検定)とクラスカル・ウォリス検定で分析する場合,後者は前者の3/π≒95.5%の検出力効率を持っています。ですから,F検定に必要な例数を求めてそのπ/3≒105%のデータを集めれば良いと言えます。
> しかし,当然ながらF検定で扱うデータ(つまり,調査するデータ)が,クラスカル・ウォリス検定で扱うデータと同じ(例えば5件法であるとかいうことも含めて)でなくてはなりません。

計画している実験から得られるデータは,5件法(5段階順序尺度)ではなく,0から1(1が最大値)までの計量値です(クラスカル・ウォリス検定する時には,小さい値から順位をつけますが)。このようなデータでもF検定に必要な例数からの計算可能でしょうか。

> また,事前,事後にかかわらず,パワー・アナリシスには効果量を仮定しないと計算できませんよ。

効果量は,自分の実験では過去のデータがないため,既存の,例えば,Cohenによる分散分析の効果量(f)の中(0.25)を採用していいものでしょうか。

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8895. Re^3: クラスカル・ウォリスの検定のサンプル数計算 青木繁伸  2005/12/27 (火) 16:39
> 計画している実験から得られるデータは,5件法(5段階順序尺度)ではなく,0から1(1が最大値)までの計量値です(クラスカル・ウォリス検定する時には,小さい値から順位をつけますが)。このようなデータでもF検定に必要な例数からの計算可能でしょうか。

5 件法うんぬんは,例ですから,あなたのデータのような場合でもいっこうに差し支えないです。

> 効果量は,自分の実験では過去のデータがないため,既存の,例えば,Cohenによる分散分析の効果量(f)の中(0.25)を採用していいものでしょうか。

効果量は,設定するものですから,他人に文句を言わせないだけの根拠があればどんな値を持ってきてもかまいません。

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8897. Re^4: クラスカル・ウォリスの検定のサンプル数計算 大学院生  2005/12/27 (火) 18:46
青木先生

年末のお忙しい時に,詳しいご説明をありがとうございました。
さっそくサンプル計算してみます。
よいお年をお迎えください。


> > 計画している実験から得られるデータは,5件法(5段階順序尺度)ではなく,0から1(1が最大値)までの計量値です(クラスカル・ウォリス検定する時に は,小さい値から順位をつけますが)。このようなデータでもF検定に必要な例数からの計算可能でしょうか。
>
> 5 件法うんぬんは,例ですから,あなたのデータのような場合でもいっこうに差し支えないです。
>
> > 効果量は,自分の実験では過去のデータがないため,既存の,例えば,Cohenによる分散分析の効果量(f)の中(0.25)を採用していいものでしょうか。
>
> 効果量は,設定するものですから,他人に文句を言わせないだけの根拠があればどんな値を持ってきてもかまいません。

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