★ 交互作用項を持つ重回帰分析について ★

6466. 交互作用項を持つ重回帰分析について TAROU 2005/04/22 (金) 06:42
├6468. Re: 交互作用項を持つ重回帰分析について 青木繁伸 2005/04/22 (金) 07:57
│└6469. Re^2: 交互作用項を持つ重回帰分析について 青木繁伸 2005/04/22 (金) 08:01
└6467. Re: 交互作用項を持つ重回帰分析について 青木繁伸 2005/04/22 (金) 07:45
 └6470. Re^2: 交互作用項を持つ重回帰分析について mint 2005/04/22 (金) 12:38
  └6480. Re^3: 交互作用項を持つ重回帰分析について TAROU 2005/04/23 (土) 10:05
   └6484. Re^4: 交互作用項を持つ重回帰分析について TAROU 2005/04/24 (日) 14:56


6466. 交互作用項を持つ重回帰分析について TAROU  2005/04/22 (金) 06:42
よく,ソーシャルサポート研究などにおいて交互作用項を含む重回帰分析が行われたりします.ここで,y = b1x + b2z + b3xz + b0(x,zは変数,b1,b2,b3は係数.またx,zは事前にセンター化(各変数の平均値を差し引いた後に式に投入))という重回帰分析において,例 えば「b1」が有意であった時に,上記の研究論文では「xはyに対して主効果があった」と記載される事が多いのですが,この記述は正しいのでしょうか?

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6468. Re: 交互作用項を持つ重回帰分析について 青木繁伸  2005/04/22 (金) 07:57
前の記事のx,yを平均値より大きいかどうかで二値変数に変換。更に条件を揃えるために平均値0に調整。
そのあと,重回帰と二元配置分散分析を行う。
> x <- c(21,58,80,51,59,51,82,83,40,27,22,34,61,37,46)
> z <- c(41,46,81,40,60,47,75,49,85,58,16,35,40,16,62)
> y <- c(33,46,84,34,54,48,73,68,57,45,21,34,53,25,49)
> x2 <- x>mean(x) # 平均値より大きいと TRUE(値としては1)
> z2 <- z>mean(z)
> x3 <- x2-mean(x2) # さらに平均値0になるように調整
> z3 <- z2-mean(z2)
> summary(lm(y ~ x3+z3+x3:z3)) # 重回帰
Coefficients:
Estimate Std. Error t value Pr(>|t|)
(Intercept) 48.246 2.771 17.413 2.35e-09 ***
x3 20.930 5.554 3.769 0.00311 **
z3 21.257 5.657 3.758 0.00317 **
x3:z3 -1.550 11.323 -0.137 0.89359
> summary(aov(y ~ x3+z3+x3:z3)) # 分散分析
Df Sum Sq Mean Sq F value Pr(>F)
x3 1 1461.50 1461.50 12.7300 0.004411 **
z3 1 1624.39 1624.39 14.1488 0.003146 **
x3:z3 1 2.15 2.15 0.0187 0.893588
Residuals 11 1262.88 114.81

ちょっと違う。。。

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6469. Re^2: 交互作用項を持つ重回帰分析について 青木繁伸  2005/04/22 (金) 08:01
別のプログラムで分析すると

変動要因 平方和 自由度 平均平方 F値 P値
要因 A 1629.854 1 1629.854 14.196 0.003
要因 B 1624.394 1 1624.394 14.149 0.003
交互作用 2.151493 1 2.151493 0.019 0.894
残差 1262.883 11 114.8076
全体 4350.933 14 310.7810

R の二元配置分散分析の計算アルゴリズムが違うのか,後で調べよう。。

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6467. Re: 交互作用項を持つ重回帰分析について 青木繁伸  2005/04/22 (金) 07:45
> 「xはyに対して主効果があった」と記載される事が多いのですが,この記述は正しいのでしょうか?

x,z が二値変数のときのテストデータを作って,それを重回帰分析と二元配置分散分析の結果と比べてみれば良いでしょう。

ところで,一般的に x, z が連続変数の時,平均値0に調整することは,交互作用を使わない場合には独立変数の有意性については無関係ですが,交互作用項を入れるときには,結果は違ってきます。
以下のようなテストデータの分析結果は,問題点を指摘するでしょう。
> x <- c(21,58,80,51,59,51,82,83,40,27,22,34,61,37,46)
> z <- c(41,46,81,40,60,47,75,49,85,58,16,35,40,16,62)
> y <- c(33,46,84,34,54,48,73,68,57,45,21,34,53,25,49)
> x2 <- x-mean(x) # 平均値が0になるように調整
> z2 <- z-mean(z) # 平均値が0になるように調整
> summary(lm(y ~ x+z+x:z)) # 元の変数を使う
Coefficients:
Estimate Std. Error t value Pr(>|t|)
(Intercept) 7.362528 8.254615 0.892 0.392
x 0.321159 0.190402 1.687 0.120
z 0.329225 0.159211 2.068 0.063 .
x:z 0.003074 0.003204 0.959 0.358

> summary(lm(y ~ x2+z2+x2:z2)) # 平均値が0になるように調整した変数を使う
Coefficients:
Estimate Std. Error t value Pr(>|t|)
(Intercept) 47.663099 1.369939 34.792 1.33e-12 ***
x2 0.475081 0.072035 6.595 3.89e-05 ***
z2 0.483352 0.072375 6.678 3.48e-05 ***
x2:z2 0.003074 0.003204 0.959 0.358

この例の場合,元の変数を使った場合には有意でないのに,平均値が0になるように調整した変数を使った場合には有意になってしまう。
交互作用項の有意性検定は不変である。

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6470. Re^2: 交互作用項を持つ重回帰分析について mint  2005/04/22 (金) 12:38
以下の文献が,交互作用つきの重回帰分析について初学者向けに書かれているのでご参考になると思います.
Leona S. Aiken, Stephen G. West (1991) Multiple Regression: Testing and Interpreting Interactions.Sage.

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6480. Re^3: 交互作用項を持つ重回帰分析について TAROU  2005/04/23 (土) 10:05
まずは,青木先生,mintさん,丁寧なご回答ありがとうございます.じつはAikenら(1991)の文献に「b1が有意で あっても,それを分散分析でいうところの「主効果(main effect)」としてはならない」という記述があるのです.これは,回帰式をy = (b1+b2z)x + b0 と変形したときに,xの係数は「(b1+b2z)」となり,b1だけがxのyに対する効果を決定する係数ではなくなるからだという説明が加えてあります. しかし,x,zをセンター化し,x,zの平均値を「0」にしておけば,b1はzが平均値(つまり0)のときのxのyに対する効果を表し,よってこの時には b1は主効果を表すものとして近しい(familiar),という記述もあります.結局どっちやねん!という感じなのです.長々とすいません.

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6484. Re^4: 交互作用項を持つ重回帰分析について TAROU  2005/04/24 (日) 14:56
すいません.回帰式は「y = (b1 + b3z)x + b2z + b0」でした.

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