★ 工具の再研磨の最適化 ★
6252. 工具の再研磨の最適化 渡瀬昌明 2005/03/17 (木) 11:14
└6253. Re: 工具の再研磨の最適化 韮澤 2005/03/17 (木) 12:39
6252. 工具の再研磨の最適化 渡瀬昌明 2005/03/17 (木) 11:14
当社では,あるネジを用いた接合を使った建築部材を月間3000個から以上生産しています。この製品の目ネジを切るために,高価
な工具(タップ)を使っています。一つの工具は,トータル約2000個のねじ切りを行い,寿命となります。寿命となるまでに,約200個のねじ切り毎に
再研磨します。再研磨せずに,無理をして,切削を続けると,タップが早期破損します。現在も,タップ10本から20本に1本は,1000個切削する前
に破損しています。
今回,過去数年間のデータを集め,各タップにかけたトータルコスト(購入価格+(再研磨回数x再研磨コスト)を各タップの
寿命までの総生産数で割った値のバラツキを見ました。400円/個から600円/個でばらつきました。データは,まったく正規分布しておらず,大きく右に
スキューしています。タップのコストを最小限に抑えるために,統計的品質管理や検定による原因分析を行おうとしていますが,1)T検定やANOVAによ
る検定は不可である。2)メジアン管理図を使って,推移は,管理できそう。と判断しています。良いアイデアをご教示いただければ幸甚です。 現場の意見と
して,再研磨にいたる前の切削数を一定数に抑えると寿命が延びると言っていますが,再研磨コストとの兼ね合いがあるので,上記の応答変数を,
再研
磨前に一定数以下だった場合と超えた場合と言う因子で検定したいと思っています。この場合,このサイトにあるWEB計算機で得られる,等分散が仮定できな
いときに得られる(Welch の方法によって)P-valueを参考にして良いのでしょうか。アドバイスいただければ,非常にありがたいです。
他のデータとしては,タップの刃幅の減り具合のデータがあるので,何らかの分析をしようと思ってます。
|
[このページのトップへ]
6253. Re: 工具の再研磨の最適化 韮澤 2005/03/17 (木) 12:39
「等分散が仮定出来ない」というのは,ふたつの正規分布の間で,分散が異なる可能性,という議論であって,この場合は,分布そのものの問題ですから,性質が異なり,正しい分布モデルに対して,データを近似した上で,研磨回数の最適点を見つける,という課題と思います。
この場合,ワイブル分布になりそうに思います。ただ,再研磨直後は壊れにくいという要素が働くかと思いますので,きれいな分布にはならず,ワイブル分布に対してこのぎり状になるのではないかと。
その前に心配なのは,最適を求める為には,例えば,180回毎・200回毎・220回毎に再研磨した場合のそれぞれの分布,という様なデータがないといけませんが,現状でお持ちのデータは,この様な分析をできるほど,再研磨回数の情報も含めて,十分なのでしょうか?
再
研磨回数が不正確なのであれば,所定の回数毎に再研磨するデータを取る所から始める必要があると思われます。また,「10〜20本に1本は」などの記述か
ら想像すると,各研磨回数毎に10本程度のデータがないと結論が出せそうになく,3種類のデータをとるだけでも,30本使いきる必要がある,という事にな
ります。その3種類で最適が見つからない場合は,もっとやらないといけませんし,工具の使用率から見て,かなり時間がかかる事になるんではないでしょう
か?
と考えると,現状のデータから多少誤差があっても何か答えを出せないか,という意味で,正規分布していると仮定したら,こういう結果,という指針を得る方が良いかも知れません。
|
[このページのトップへ]
● 「統計学関連なんでもあり」の過去ログ--- 033 の目次へジャンプ
● 「統計学関連なんでもあり」の目次へジャンプ
● 直前のページへ戻る