★ 偏った得点がある場合の因子分析について ★
6152. 偏った得点がある場合の因子分析について ひまわり 2005/03/07 (月) 20:58
└6153. Re: 偏った得点がある場合の因子分析について 青木繁伸 2005/03/07 (月) 21:17
└6156. 偏った得点がある場合の因子分析について(II) ひまわり 2005/03/07 (月) 22:23
└6157. Re: 偏った得点がある場合の因子分析について(II) 青木繁伸 2005/03/07 (月) 22:40
└6159. ご回答,ありがとうございました。 ひまわり 2005/03/07 (月) 23:53
6152. 偏った得点がある場合の因子分析について ひまわり 2005/03/07 (月) 20:58
5段階評定で,60項目を設けて日韓で調査を行いました。そのうち8項目が日韓ともに,項目得点が4.5を越えています。項目得
点の分布が偏っている項目は,項目精選の際に(本来なら)削除すべきだと聞いておりますが,4.5以上の得点を示している項目は,日韓いずれも特定の概念
に関わる項目ばかりでした。高点に偏った項目は,いずれも構成概念上,重要な項目なので,それらを取って因子分析することはしたくありません。
正規分布ではない場合,ノンパラメトリックデータとして因子分析を行う方法はないでしょうか。因子分析以外に,因子のように概念をまとめる方法がありましたら,お教えいただけると幸いです。よろしくお願いいたします。
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6153. Re: 偏った得点がある場合の因子分析について 青木繁伸 2005/03/07 (月) 21:17
>そのうち8項目が日韓ともに,項目得点が4.5を越えています。項目得点の分布が偏っている項目は,項目精選の際に(本来なら)削除すべきだと聞いておりますが,
必ずしもそう言うことはないと思いますが。
そもそも,5件法のデータを正規分布だの何だの決めつけるのもどうかと思いますし。10点満点もしくは100点満点での回答を求めれば良かったかというとそうでもないと思いますしね。
それらの項目を含めて分析して何らかの不都合があるなら再考も必要でしょうが。
> 高点に偏った項目は,いずれも構成概念上,重要な項目なので,それらを取って因子分析することはしたくありません。
しかるべき理由があって,5件法で回答を求める際に平均が3になるような選択肢の付け方もできなかったとしたら,仕方ないじゃないですか。
> 正規分布ではない場合,ノンパラメトリックデータとして因子分析を行う方法はないでしょうか。
正
規分布でないということだけなら,順位相関係数などを計算して,相関係数行列から始める因子分析をすればよいでしょう。もっとも,そのような場合に因子得
点を計算するのは面倒ではありまして,さらにそのようにして求める因子得点に妥当性があるかといわれると,そこまでのフォローはしたことがありませんが。
しかし,正規分布しないということが,いわゆる天井効果,つまり高得点が与えられた選択肢の方に回答が集中し(飽和し)ているような場合には,順位相関係数を取ったとしても,真の(背景にある)相関関係を測定できないだろうという批判には答えられないかもしれない。
> 因子分析以外に,因子のように概念をまとめる方法がありましたら,お教えいただけると幸いです。
ご存じないとは思いませんが,数量化III類などをお試しになるのも一興かと。
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6156. 偏った得点がある場合の因子分析について(II) ひまわり 2005/03/07 (月) 22:23
青木先生
> > 正規分布ではない場合,ノンパラメトリックデータとして因子分析を行う方法はないでしょうか。
> ご存じないとは思いませんが,数量化III類などをお試しになるのも一興かと。
早々,お返事くださり,ありがとうございます。
引
き続きお訊ねしたいのですが,ノンパラメトリックデータのまとめ方として,「数量化III類」以外に「カテゴリカル主成分分析」(SPSSの場合)という分析
を使ってもよいでしょうか。しかし,これは通常の因子分析とは違って,因子回転を行わないこと,因子の抽出が主成分法のみなので,使ってよいのだろうか
と,躊躇してしまいます。
また,項目得点を日韓で比較する際に,正規分布の項目とノンパラメトリックの項目が一つの尺度の中に混ざってい
るとしたら,分析法の統一性を保つため,すべての項目にノンパラメトリック検定(Mann-Whitney検定)を行ったほうがよいのでしょうか。それと
も,正規分布の項目には通常のt検定を行ってもよいのでしょうか。
お忙しいところ,初歩的な質問で申し訳ありませんが,よろしくお願いいたします。
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6157. Re: 偏った得点がある場合の因子分析について(II) 青木繁伸 2005/03/07 (月) 22:40
> 「カテゴリカル主成分分析」(SPSSの場合)という分析を使ってもよいでしょうか。
一般的には,
「カテゴリカル主成分分析」という用語は「数量化 III 類」のことを意味することが多いかと思いますが,SPSS
では実際の所,何を指しているのでしょうね。google で検索すると「"カテゴリカル主成分分析"
SPSS」だと,ある本についてのページだけしか引っかかりませんね。
> これは通常の因子分析とは違って,因子回転を行わないこと,因子の抽出が主成分法のみなので,使ってよいのだろうかと,躊躇してしまいます。
後の質問とも関連し,また,数量化 I 類,II 類との関連から言えば,順序尺度変数をダミー変数に変換して因子分析を行うことだって可能なわけです(実例はあまり見ないけど)。
また,数量化 III 類であろうと,解の回転は可能です。昔の,大型計算機センターで利用できた SPSS(京都大学が関与していたと思うが) の 数量化 III 類は,解の回転もちゃんとサポートしていたはず。
>
また,項目得点を日韓で比較する際に,正規分布の項目とノンパラメトリックの項目が一つの尺度の中に混ざっているとしたら,分析法の統一性を保つため,す
べての項目にノンパラメトリック検定(Mann-Whitney検定)を行ったほうがよいのでしょうか。それとも,正規分布の項目には通常のt検定を行っ
てもよいのでしょうか。
一つの尺度に「正規分布の項目とノンパラメトリックの項目」が混ざっている??
「ノンパラメトリックの項目」という用語で貴方は何を意味しているのでしょうか。「正規分布していない項目」ということを表しているのでしょうか。そもそも,「ノンパラメトリックな項目」という用語の使い方は変ですね。
単
に正規分布に近い(左右対称に近い)分布をする項目と,歪んだ分布に従う項目ということであったとしても,そのような条件の前に,そもそもデータは5件法
なのですから,これを間隔尺度(つまり,文字通りパラメトリックな分析が適切なデータ)として扱うのは無理がありませんかということです。回りくどいこと
を言わないとすれば,ノンパラメトリックな分析(検定)の方が無難でしょう。
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6159. ご回答,ありがとうございました。 ひまわり 2005/03/07 (月) 23:53
青木先生
いつも,早々お返事くださり,感謝しております。
不適切な用語を使っていました。申し訳ありませんでした。
お聞きしたかったことは,先生のご指摘の通り,正規分布に近い分布をする項目と,歪んだ分布に従う項目が混ざっていると意味でした。
「カテゴリカル主成分分析」については,ネットで検索できた東京図書の本を通じて知りました。具体的なやり方については,まだ分かっていないので不安ですが。SASユーザーではありませんので,何とかSPSS Winでできる方法を探しています。
いろいろご丁寧にお教えくださり,ありがとうございました。
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