★ 同等性の検定 ★

4545. 同等性の検定 Shimp 2004/10/07 (木) 23:16
└4547. Re: 同等性の検定 ひの 2004/10/08 (金) 00:58
 └4550. Re^2: 同等性の検定 Shimp 2004/10/08 (金) 14:49
  └4551. Re^3: 同等性の検定 ひの 2004/10/08 (金) 15:42
   └4555. Re^4: 同等性の検定 Shimp 2004/10/08 (金) 22:09
    └4556. Re^5: 同等性の検定 さら 2004/10/08 (金) 22:56
     └4562. Re^6: 同等性の検定 Shimp 2004/10/09 (土) 00:51


4545. 同等性の検定 Shimp  2004/10/07 (木) 23:16
>4520
>『ばらつきに差がない』という帰無仮説を棄却しないことで,
>『ばらつきに差がない』という結論を導けません。

 を読んで,ハッとしました。
 二群の代表値の差の検定にマン・ホイットニーのU検定を利用していて,見事に同じ落とし穴にはまっていました。

 早速,同等性の検定をやってみようと思ったのですが,具体的にどの様にすれば良いのか判りません。

  A群(B群よりも平均値がやや高い)の測定値の全てに,それぞれ1.4を乗じてからマン・ホイットニーのU検定を行っても,まだギリギリ p > 0.05であったので,「A群はB群と比べて+40%以上の差はない」...といったモデルを考えてはみたのですが,あまりにインチキな気がします。

 対応のない二群の代表値を検定するにあたり,同等性を検定するには,どの様にすれば良いのでしょうか?

 お手すきの折りにでも教えて頂けると幸いです。
 宜しくお願い致します。

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4547. Re: 同等性の検定 ひの  2004/10/08 (金) 00:58
検定という方針は捨てて,差の信頼区間を求めるという方針に変更してはいかがですか?

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4550. Re^2: 同等性の検定 Shimp  2004/10/08 (金) 14:49
 何だか,私の専用掲示板みたいになってきてしまい大変心苦しいのですが,申し訳ない反面興味が尽きず,重ねて書き込みをさせて頂こうと思います。

> 検定という方針は捨てて,差の信頼区間を求めるという方針に変更してはいかがですか?

 有り難う御座います。

 例えば,
  http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/R/CI4median.html
 の中から,

x <- c(38, 26, 29, 41, 36, 31, 32, 30, 35, 33)
y <- c(45, 28, 27, 38, 40, 42, 39, 39, 34, 45)

 を例に取ると,マン・ホイットニーのU検定ではp=0.075となり,有意水準5%の下で有意な差はありません。

 一方,これら二群の値に対し,氏の「中央値の(差の)信頼区間を求める関数」 CI4median()を用いて,
> $result
> LCL UCL
> -10 1
 が得られます。

 信頼限界値は判った訳ですが,これを用いてどの様に同等性を議論すれば良いのかが判りません。

 ゼロを挟んでの上下の対称性がカギかな? などと考えてみたのですが,結局の所,同等と言えるのか言えないのかが明確になりません。
 「同等と言えるのか言えないのか」という考え方自体が,検定という方針を捨てきれていない証なのですが,同等性を積極的に主張する材料として,どの様に扱えば良いのか...

 もしかすると,とんでもなく初歩的な理解が欠如していてご迷惑をおかけしているかもしれませんが,その解釈について教えて頂けると幸いです。
 宜しくお願い致します。

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4551. Re^3: 同等性の検定 ひの  2004/10/08 (金) 15:42
>  「同等と言えるのか言えないのか」という考え方自体が,検定という方針を捨てきれていない証なのですが,同等性を積極的に主張する材料として,どの様に扱えば良いのか...

そうです。全く同じであるということを言うためには差の信頼区間の幅を0にしなければいけないわけですが,それが不可能であることはおわかりでしょう。で すから,「同じである」という主張をすることを放棄して,「差が…以内である」というふうに方針転換しましょうと言っているのです。差がどのくらい小さけ れば実質的に同じとみなしてよいかは扱う問題ごとに異なります。
 「有意差がない」というのは「差の信頼区間が0を含む」という主張でしかありませんが,その信頼区間の大きさを示すほうが情報量は大きいのです。

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4555. Re^4: 同等性の検定 Shimp  2004/10/08 (金) 22:09
>「同じである」という主張をすることを放棄して,「差が…以内である」というふうに方針転換しましょうと言っているのです。

 考え方は概ね理解できたように思います。
 問題は,差がどのくらい小さければ実質的に同じとみなしてよいか,というあたりなのですが,似たようなケースにおける知見を集積して,少し考えてみたいと思います。

 有り難うございました。

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4556. Re^5: 同等性の検定 さら  2004/10/08 (金) 22:56
同等性の検定には noninferiority と equivalence があります。もちろんそれぞれから導かれる結論は違います。どちらにせよ,同等性の検定で大切なのは,何を持って同等とするか,の定義を解析前に宣言する ことです。解析の計画時の方がよいですね。なぜならデータを見たあとだと,同等である,という結論を導けるような値をいくらでも選べるからです。

もうデータを集めて見てしまっているので,今から同等性の検定に方向転換するのは不可能です。

さらに同等性を % で定義するのも,(odds ratioなどの特別な場合を除いて)好ましくありません。

私 もひのさんのおっしゃるとおり,信頼区間を使った結論に賛成です。ただ,(何度も繰り返しますが)信頼区間が0を含んでいるからといって,「同等である」 と結論してはいけません。フィッシャーが言ったように,これから導かれる結論は『なんらかの結論を導くにはこのサンプルサイズが小さすぎた』だけです。

デー タを見た後に解析方法を模索するのではだめです。ま,でも多くの論文で,そのようなことが行われているのは事実ですが・・・この場合も  noninferiority margin (何を持って同等とするかの定義)があたかも最初からちゃんと決められていたということにしてしまえますね。

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4562. Re^6: 同等性の検定 Shimp  2004/10/09 (土) 00:51
 有り難うございました。
 #4557の御発言と共に,耳の痛いご指摘です。

 私自身,自分の調査計画の至らなさに唇を噛むこともしばしばです。

 今回,同等性について考察を行いたいと考えたのは,当初有意な差を期待していた変数について群間に違いが認められず,悲嘆に暮れながら併せて採取しておいた別の変数データを眺めるうち,新しい現象モデルに思いが至ったのが発端でした。

 新しいモデルでは,むしろ当初有意な差を期待していた群間に違いが現れるはずはなく,また別の変数では新しいモデルの妥当性を示唆する傾向が見られていました。

 『新しいモデルを思いついたら,それを検証すべく新たに解析の計画を立て,新たに調査を実施し,改めて解析すべし』と言われればその通りだと思うのですが,まずは手持ちのデータを用いてその妥当性を強化しておきたいと考えていました。

 おそらく私は,データマイニングと呼ばれるものの真似事をやっているんじゃないかと思うのですが,もしもそうだとすると,データマイニングってのは統計の落とし穴だらけの危うい飛び道具なのかもしれません。

 雑談に過ぎない話で申し訳ありません。
 実は,今日も一つ,当初予定していなかった重回帰分析(数量化I類)で,思いの外高い決定係数が得られてちょっとウキウキしながら,その因果関係に思いを巡らせていたので,自戒を込めて。

 ...でも,燃えちゃうんです...こういうのがあると...(苦笑)

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