★ 処理平方和を分解して分散分析した場合の有意水準について ★
3300. 処理平方和を分解して分散分析した場合の有意水準について 太郎 2004/05/26 (水) 15:04
└3307. Re: 処理平方和を分解して分散分析した場合の有意水準について マスオ 2004/05/27 (木) 19:50
└3313. Re^2: 処理平方和を分解して分散分析した場合の有意水準について 太郎 2004/05/28 (金) 11:10
3300. 処理平方和を分解して分散分析した場合の有意水準について 太郎 2004/05/26 (水) 15:04
ある植物の病害に対し,無処理区を含め5つの処理を行い,発病度を見る実験をおこないました。処理区は次のとおりです。
(1)新薬Aと慣行薬剤Dの混合処理
(2)新薬Bと慣行薬剤Dの混合処理
(3)既存薬剤Cと慣行薬剤Dの混合処理
(4)慣行薬剤Dの単用処理
(5)無処理
ここで薬剤Cは,Dと混合することにより防除効果が高まると思われる既存の薬剤です。
この実験は構造化された処理を持つため,以下のように処理平方和(数値は省略)を分解して分散分析表が作成できます。(以下の比較は,実験を行う前から計画されたものです。)
----------------------------------------------
比較 自由度
---------------------------------------------
無処理:処理(4処理)-------------1
薬剤D単用:薬剤混合(3処理)-----1
既存薬剤混合:新薬混合(2処理)---1
新薬間-----------------------------1
合計-------------------------4
---------------------------------------------
ここで各比較を有意水準a=0.05で検定する方法が,統計テキストや雑誌の記事等で紹介されておりますが,検定の多重性を考慮し,私は,Bonferroni式やDunn-Sidak式で有意水準を調整して検定を行う必要があると考えております。(TukeyやScheffeの対比の検定でもよいのですが検出力が低い場合が多いので)
ここで,有意水準5%で検定を行う場合には,自由度1ずつ4つの比較を行っているわけですから,
Bonferroni式ではa=0.05/4=0.0125,
Dunn-Sidak式ではa=1-((1-0.05)の4乗根)=0.0127でそれぞれ検定を行うことになります。
長くなってすみません。ここで質問です。
(1)この方法が正しいかどうかが1つ。
(2)もう1つは,このように自由度1ずつにきっちり分解できない場合の有意水準の調整法です。この例では,新薬A,Bがそれぞれ既存薬剤の場合,表の上から3番目の比較が既存薬剤間の比較になり自由度が2になります。その場合は,自由度に応じて有意水準を分配する方法が良いと思うのですがそれでよいかどうかです。具体的には既存薬剤間の比較は
Bonferroni式ではa=0.05/2=0.025,
Dunn-Sidak式ではa=1-((1-0.05)の2乗根)=0.0253でそれぞれ検定を行うことになります。
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3307. Re: 処理平方和を分解して分散分析した場合の有意水準について マスオ 2004/05/27 (木) 19:50
こんにちは.
(1)
計画的直行対比なので特にBonferroniやSidakの補正は必要ないと思います.分野で異なるのかしら?
検定の繰り返しという意味ではやってもよいのかもしれませんが.
(これをやるとなると二要因分散分析の要因A,要因B,交互作用A*Bの確率を3つ並べるときなども補正することになってしまいそう)
(2)
BonferroniやSidakの補正の場合,自由度の違いは比較の多重性には関係しません.
(計画的な比較であれば)確率をいくつならべるかのみの問題です.
新薬が既存薬の場合,その比較は自由度2になりますが,その分新薬間の比較がなくなるので,自由度合計は4でも出てくる確率は全部で3つ.
Bonnferroni式では a' = 0.05/3 ですべての比較を判定することになります.
#利用させていただいているのに久しくROMなので,たまには寄与しないと(只今 r**2 = 1E-16)
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3313. Re^2: 処理平方和を分解して分散分析した場合の有意水準について 太郎 2004/05/28 (金) 11:10
> 計画的直行対比なので特にBonferroniやSidakの補正は必要ないと思います.分野で異なるのかしら?
> 検定の繰り返しという意味ではやってもよいのかもしれませんが.
> (これをやるとなると二要因分散分析の要因A,要因B,交互作用A*Bの確率を3つ並べるときなども補正することになってしまいそう)
>
> (2)
> BonferroniやSidakの補正の場合,自由度の違いは比較の多重性には関係しません.
ご回答ありがとうございます。
(2)については了解いたしました。
(1)について,私は,計画的直交対比であっても,検定の多重性を考慮すると有意水準の調整は必要ではないかと思っております。
たとえば,量的因子の分散分析で,回帰分析(多項式)を適用する場合,1次,2次等の各次数成分に平方和を分解して検定を行うわけですが,それぞれを5%で検定すると全体として過誤率が高くなり「言い過ぎ」になる危険性が高くなるといった問題が生じてきます。
要因実験の場合は,たとえば2因子では要因A,B,交互作用A*Bの3つをそれぞれ1つの族ととらえて,族基準の過誤率といった考え方で有意水準を調整しないことは可能になると思います。
これと同じように今回の試験のような自由度1の直交対比をそれぞれ1つの族とすればよいのかもしれませんが,この場合は要因実験の各要因,交互作用のような族とは考えにくい面があり,そのため有意水準の調整が必要ではないかと考えております。
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