★ 売上げ予測重回帰モデルの定数項に関して ★

3220. 売上げ予測重回帰モデルの定数項に関して 末吉大輔 2004/05/19 (水) 12:24
└3226. Re: 売上げ予測重回帰モデルの定数項に関して 青木繁伸 2004/05/19 (水) 14:18
 └3229. [お願いします]Re^2: 売上げ予測重回帰モデルの定数項に関して 末吉大輔 2004/05/19 (水) 15:44
  └3232. [お願いします]Re^3: 売上げ予測重回帰モデルの定数項に関して 青木繁伸 2004/05/19 (水) 16:23
   └3245. Re: [お願いします]Re^3: 売上げ予測重回帰モデルの定数項に関して   2004/05/20 (木) 00:41


3220. 売上げ予測重回帰モデルの定数項に関して 末吉大輔  2004/05/19 (水) 12:24
SPSSを用いて売上げ高を予測する重回帰分析を行った結果,重回帰式の定数項がマイナス値を取りました。

重回帰式の定数項部分については,重回帰式では説明のつかない部分という認識の下,また,すべての変数値がゼロの場合に,売上げ高がマイナス値をとってしまうというのはビジネスとして解釈出来ないという判断の下,

SPSSで重回帰式を行う際に,「定数項を含まない分析」オプションを選択し実行を行いました。

そこで質問なのですが,
1.定数項を含まない重回帰モデルとは,定数項を含む重回帰モデルを平行移動させたものなのでしょうか?

2.算出された定数項を含まないモデルのR2乗値が極めて高くなるのには何か理由があるのでしょうか?そのままあてはまりが良いと認識しても良いのでしょうか?

     [このページのトップへ]


3226. Re: 売上げ予測重回帰モデルの定数項に関して 青木繁伸  2004/05/19 (水) 14:18
> 重回帰式の定数項部分については,重回帰式では説明のつかない部分という認識の下,

そうではありません。
重回帰式で説明のつかない部分というのは残差(各データから予測値をひいた残り)です。
定数項は,重回帰式が全ての変数(独立変数も従属変数も)の平均値を通らねばならない(通る)というための補正項とも言うべきものです。

> また,すべての変数値がゼロの場合に,売上げ高がマイナス値をとってしまうというのはビジネスとして解釈出来ないという判断の下,

全ての独立変数が0を取るという状況が,実際に存在しうるかどうか考えてみてください。そんなことはあなたの対象とした売上高の予測をするための独立変数においてはありえないこと(あるいはきわめて起こりにくいこと)ではないでしょうか?
確かに正でない売上高の予測が出てしまうのは好ましくはないですが,それは,線形重回帰式を選んだからです。原点を通る(?)非負の曲線で予測式を作れば負の売り上げなど出ないわけですから。モデル式の選定に問題があるわけです。

> SPSSで重回帰式を行う際に,「定数項を含まない分析」オプションを選択し実行を行いました。

以上のような理由だけから,定数項を含まない分析を選ぶのは間違っています。

また,以下に示すように,原点を通る予測式にはいろいろ問題があります。

> そこで質問なのですが,
> 1.定数項を含まない重回帰モデルとは,定数項を含む重回帰モデルを平行移動させたものなのでしょうか?

違います
(独立変数が一つの場合のテストデータを作って,図を描いてみても,すぐわかります)

> 2.算出された定数項を含まないモデルのR2乗値が極めて高くなるのには何か理由があるのでしょうか?そのままあてはまりが良いと認識しても良いのでしょうか?

理由はあります。

そしてまた,ふたつの R^2 を比べてはいけません。
定義が異なるものなので,比べることのできないものです。

以下も参照
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/Hanasi/StatTalk/11.html

     [このページのトップへ]


3229. [お願いします]Re^2: 売上げ予測重回帰モデルの定数項に関して 末吉大輔  2004/05/19 (水) 15:44
早速の回答,有難うございます。

青木教授のご指摘の通り,全ての独立変数が0(ゼロ)を取る状況というのは有り得ないことであります。
ただ,現状のモデル式において,定数項のマイナス値が大きい為,全ての独立変数が0(ゼロ)を取らなくても,売上げ予測結果がマイナス値を取ることは考えられます。

また,私が線形重回帰式を選択した理由ですが,売上げと各独立変数との単純相関(散布図)を見たところ,線形の傾向が見られた為,線形モデルを選択したことは正しかったと考えています。

最後に教えて頂きたいのですが,定数項のマイナス値の大きさを小さくする為にはどのような方法が考えられますでしょうか?
現時点では,まだ重回帰モデル(定数項を含む)の決定係数値が0.48程度の為,独立変数を現状の3個から増やすことで,定数項の持つ大きさも変わってくると信じているのですが・・・。

また,定数項を含まないモデルのあてはまり度はどのように算出,見ればよいのでしょうか?

     [このページのトップへ]


3232. [お願いします]Re^3: 売上げ予測重回帰モデルの定数項に関して 青木繁伸  2004/05/19 (水) 16:23
> 最後に教えて頂きたいのですが,定数項のマイナス値の大きさを小さくする為にはどのような方法が考えられますでしょうか?


原点を通るとおらないと言うのは本質的なものではないでしょう。
す べての重回帰分析の結果において,独立変数の変域の中心(平均値)部分においては予測制度は高いのですが,両端においては誤差が大きくなるものです。従って,原点近辺で切片がかなり大きい正の値を取っているように見えても,0に近いことだってあるのです。また,変閾全体において直線関係が成り立つとは限らないということです。

特に,原点を通るようにする特別の方法はないでしょう。
予測精度の高い重回帰式を編み出すことに専心すべきでしょう。

> 現時点では,まだ重回帰モデル(定数項を含む)の決定係数値が0.48程度の為,独立変数を現状の3個から増やすことで,定数項の持つ大きさも変わってくると信じているのですが・・・。

そうなるかもしれませんし,そうならないかもしれません。
いずれにしろ,やってみれば分かることです。

> また,定数項を含まないモデルのあてはまり度はどのように算出,見ればよいのでしょうか?

R2 でみればいいでしょう。
ただし,原点を通らない重回帰式の R2 と比較してはいけないと言うことだけです。

数値の大きさより何より,予測値と実測値のグラフを描いてみると,R2 が0.8くらいでもたいしたことないな〜と思うかもしれませんし。

     [このページのトップへ]


3245. Re: [お願いします]Re^3: 売上げ予測重回帰モデルの定数項に関して    2004/05/20 (木) 00:41
> > 最後に教えて頂きたいのですが,定数項のマイナス値の大きさを小さくする為にはどのような方法が考えられますでしょうか?

連続変数説明変数をセンタリングすれば切片(定数項)が解釈しやすくなります。

     [このページのトップへ]


● 「統計学関連なんでもあり」の過去ログ--- 029 の目次へジャンプ
● 「統計学関連なんでもあり」の目次へジャンプ
● 直前のページへ戻る