★ 試料の物理的な大きさによる統計値の処理 ★

2996. 試料の物理的な大きさによる統計値の処理 蔵田 2004/04/22 (木) 13:01
└2998. Re: 試料の物理的な大きさによる統計値の処理 青木繁伸 2004/04/22 (木) 13:17
 └3003. Re^2: 試料の物理的な大きさによる統計値の処理 蔵田 2004/04/23 (金) 07:21
  └3005. Re^3: 試料の物理的な大きさによる統計値の処理 青木繁伸 2004/04/23 (金) 09:03
   └3008. Re^4: 試料の物理的な大きさによる統計値の処理 蔵田 2004/04/23 (金) 12:42
    └3025. Re^5: 試料の物理的な大きさによる統計値の処理 韮澤 2004/04/26 (月) 12:39
     └3037. Re^6: 試料の物理的な大きさによる統計値の処理 蔵田 2004/04/27 (火) 17:28
      └3048. Re^7: 試料の物理的な大きさによる統計値の処理 韮澤 2004/04/30 (金) 12:45


2996. 試料の物理的な大きさによる統計値の処理 蔵田  2004/04/22 (木) 13:01
初心者がお邪魔します。お許しください。
モータコイル(全長100m)の絶縁評価についてご指南お願いします。
コイルを10cm程度に切り出し,十分な試料数(n=50)でワイブル確率紙より50%値20kV,0.1%値10KVを得ました。この値からモータコイル(100m試料)としての50%,0.1%値を推測することができるでしょうか。
よろしくお願いします。

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2998. Re: 試料の物理的な大きさによる統計値の処理 青木繁伸  2004/04/22 (木) 13:17
10cm の試料から得られた特性値が,100m の試料の特性値とどんな関係があるか,統計学で答えられるものなんでしょうか。
(わからないから聞いてるんだ)ということかもしれませんが,電気学(?)の方で何か公式などないんですか?

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3003. Re^2: 試料の物理的な大きさによる統計値の処理 蔵田  2004/04/23 (金) 07:21
青木先生,コメント・ご指摘ありがとうございます。
文献(高電圧機器,モータ関連,信頼性に関する書籍)はいくつかあたったのですが,公式の類は見つかりませんでした。
上司からは「製品(100m)は試料(10cm)が1000個直列に並んだだけで,そのうちの一個が壊れれば製品としてオシャカなんだから試料0.1%値が製品の50%値だろ! その延長で製品の0.1%値は試料の0.001%を見りゃいいんだ!公式なんかあるか!」と一喝されてしまいました。
釈然としません・・・

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3005. Re^3: 試料の物理的な大きさによる統計値の処理 青木繁伸  2004/04/23 (金) 09:03
> 上司からは「製品(100m)は試料(10cm)が1000個直列に並んだだけで,そのうちの一個が壊れれば製品としてオシャカなんだから

これを,聞きたかったんですよ。言葉(専門用語)の意味が全然わかりませんでしたからね。

上司の言うような単純なことなのかどうか。ただ単に1000倍したり,1000分の1にしたりするものではないように思うのですがね。

例になるかどうか,以下のようなものを考えてみてください。
電球が5個直列につながっています。電球一個の故障率は0.001(多めにしておきます)。切れたら取り替えます。全部付いている確率は?
1-(1-0.001)^5=0.0049903この数値は 0.001×5 =0.005に似ていますが違いますよ。
電球が1000個あったら,後者の式では0.001×1000=1 で,こわれていないときがないことになります。前者の式では,1-(1-0.001)^1000=0.6323046 ですね。

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3008. Re^4: 試料の物理的な大きさによる統計値の処理 蔵田  2004/04/23 (金) 12:42
青木先生,中学・高校レベルの質問にご丁重なアドバイス下さり本当にありがとうございました。
ご指摘のとおり,ワイブル分布で0.1%値の破壊電圧は「その試料が壊れる確率」=「故障率」で,1000個の試料(製品)では63%値になると理解できました。
「統計」どころか「確率の概念」すらアヤフヤだったこと恥ずかしく思います。自分なりに勉強を進めるつもりです。
今回は本当にありがとうございました。
以上です。

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3025. Re^5: 試料の物理的な大きさによる統計値の処理 韮澤  2004/04/26 (月) 12:39
まず,ワイブル分布を使っているのが気になりました。
説明から想像すると,絶縁破壊の初期特性を測定されていると思いますので,そうだとすると,正規確率分布を使う方が適切と思います。測定内容から考えて,絶縁破壊電圧はlog軸を使うのが一般的。
100mと10cmの差異は,一般論として,単純に1000倍よりは低い値と思いますが,値を特定するには,その為の係数取得の実験が必要でしょう。10m,1m,10cmの結果をlog-logグラフに書いて,100mの点を推定する様な方法がよいでしょう。それが出来ないなら「1000倍より悪いはずはない」と考え,1000倍するしかないでしょう。

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3037. Re^6: 試料の物理的な大きさによる統計値の処理 蔵田  2004/04/27 (火) 17:28
韮澤様 ご指摘ありがとうございます。
> まず,ワイブル分布を使っているのが気になりました。
> 説明から想像すると,絶縁破壊の初期特性を測定されていると思いますので,そうだとすると,正規確率分布を使う方が適切と思います。

今まで一連の投稿でお分かりのとおり,統計の意味が身について
いない素人です。ただデータ処理(電気・機械的破壊)について
は,以前からワイブル分布で行っております。
http://www.mogami-wire.co.jp/note/weibull.html
にもありますが(このHPと弊社とは無関係です),これと同じ考え方で私もデータ処理を行っております。
申し訳ありませんが,正規確率分布を使うほうが適切との意味をもう少し砕いて(?)ご説明いただけないでしょうか。
よろしくお願いします。
以上です。

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3048. Re^7: 試料の物理的な大きさによる統計値の処理 韮澤  2004/04/30 (金) 12:45
私は,半導体等の弱電系ですので,考えが一致するのかは,よくわかりませんが・・・

データ処理の基本(工学的立場でのは,データをプロットして,近似直線を書いて,それ以外の点を推定しようという事ですから,要は,グラフが直線に乗ればいいのです。ただ,なぜ直線に乗るかの裏付けの理論もあった方がよいと考えると,統計学的に正当な説明がつくか,あるいは,その分野で慣習として使われているか,等が大事と思います。

ワイブル分布は,故障に至るまでの時間等を統計処理する方法です。
それに対して,正規分布は,例えば,抵抗の抵抗値の初期特性の分布の様な,平均と標準偏差で表される分布を統計処理する方法です。
絶縁破壊に対して,例えば,10kVをかけて,壊れるまでの時間の分布を見る,という事であれば,ワイブル分布を使うのが正しいと統計学的に断定できます。
しかし,破壊電圧の分布となると,一種の初期特性であり,ワイブルに乗ると統計学的に断定するのは無理です。ただ,正規分布すると断定する事も出来ません。
慣習的な意味も含めて,半導体屋の感覚で言うと,電圧のlogをとったもので,正規分布すると思われるというのが先の意見です。貴分野では,ワイブルを使うのが慣習という事であれば,反対するに足る統計的裏付けはありませんので,そう考えている分野もあるのだ,という程度にとらえて下さい。

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