★ 論文中の%の記述法 ★

2519. 論文中の%の記述法 ぴよう 2004/03/01 (月) 00:51
├2531. Re^2: 論文中の%の記述法 ぴよう 2004/03/01 (月) 22:23
│├2534. Re^3: 論文中の%の記述法 青木繁伸 2004/03/01 (月) 23:25
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└2520. Re:論文中の%の記述法 ひの 2004/03/01 (月) 00:55


2519. 論文中の%の記述法 ぴよう  2004/03/01 (月) 00:51

まったく初歩的な質問ですが,どうかよろしくお願い致します。

100人を対象に社会調査を行います。ある設問に対して,無回答・不明の回答者が20人いるとします。論文中の記述で,「小泉首相が靖国神社に参拝することに40%の人が賛成している」とある場合,賛成の回答者は,32名なのでしょうか,それとも40名なのでしょうか。私は,今まで前者が正しいと思いこんでいたのですが,一般に図表中には,無回答・不明の割合が記述されていますので,後者が正しいように思えてまいりました。
本当に愚問だとは思いますが,ご教授いただけましたら幸いです。

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2531. Re^2: 論文中の%の記述法 ぴよう  2004/03/01 (月) 22:23
ご回答ありがとうございます。

>「何に対してか」は書いてないわけですから判断できません。%表記だけで実際の数が書いていないような論文は信用しないことです。

例示が適切ではなかったかもしれません。
例えば,福祉施設入所者100人を対象として全数調査を行い,80人から有効回答を得られたとします。この場合,「回答者の40%(32人)が賛成している」と書けば,正しい記述だということなのでしょうか。実際には,いちいち「回答者」と書くのは煩雑なので,「40%(××人)の人が賛成している」と記述されていることが多いように思います。この場合,人=母集団ではなく,やはり人=回答者と理解してよろしいのでしょうか。もし,そうだとすると,グラフを提示した場合,文中の記述とグラフの%が異なってくるように思います。
愚問の極みだと思いますが,どうぞよろしくお願いいたします。

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2534. Re^3: 論文中の%の記述法 青木繁伸  2004/03/01 (月) 23:25
> 実際には,いちいち「回答者」と書くのは煩雑なので,「40%(××人)の人が賛成している」と記述されていることが多いように思います。

科学的な,ちゃんとした論文では,煩雑性を避けるよりは,正確性を取ります。
簡潔(?)であっても正確性に乏しい論文は,査読者レベルで却下されるでしょう。

> この場合,人=母集団ではなく,やはり人=回答者と理解してよろしいのでしょうか

どちらと解釈すべきかというような慣習(指針)はありませんので,どちらともとれるような曖昧な書き方が良くないということでしょう。

> グラフを提示した場合,文中の記述とグラフの%が異なってくるように思います。

グラフも,いずれを分母とすべしというような指針はありません。
何を表しているかよく分からないグラフは何の情報も与えないばかりでなく,間違った情報を与えたりします。また,わざと意図して誤ったグラフが提示されることさえあります。

ちなみに,割合を計算する時の分母として
(1) 母集団の人数
(2) 母集団から標本を抜き出すためのリスト上の人数
(3) 実際に調査できた人数
(4) そのうちで,データの不備のあるものを除いた,解析に使用した人数
というようなものを考えて,どれが分母としてふさわしいか考えてみてはいかがでしょうか。

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2539. Re^4: 論文中の%の記述法 ぴよう  2004/03/02 (火) 05:38
ひのさま,青木さま,丁寧なレスをありがとうございます。
かなり理解が進んでまいりましたが,やはり疑問が残ります。

基数nを明記すれば,この問題は解決するのでしょうか。

例えば,下記調査の6(4)においては,
http://www.pref.gifu.jp/s11123/chosa/01.htm
n=1147で,職業をグラフ化していますので,
「回答者のうち,自営業者は192人(16.0%)であった(n=1147)。」と記述することが出来ると思います。

>(3) 実際に調査できた人数
(4) そのうちで,データの不備のあるものを除いた,解析に使用した人数
というようなものを考えて,どれが分母としてふさわしいか考えてみてはいかがでしょうか。

個別の設問の回答者数から無回答のものを除き,比率を計算する(上の例ではn=1067)のは慣用的に正しくないのでしょうか。
「この設問に回答した人のうち,自営業者は192人(××%)であった(n=1067)。」

全く的はずれな質問でしたら,ご容赦下さい。

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2541. Re^5: 論文中の%の記述法 青木繁伸  2004/03/02 (火) 08:56
> 個別の設問の回答者数から無回答のものを除き,比率を計算する(上の例ではn=1067)のは慣用的に正しくないのでしょうか。
> 「この設問に回答した人のうち,自営業者は192人(××%)であった(n=1067)。」

「慣用的に正しくない」とは言っていないつもりです。
何を分母に使ったかを明示するべしということです。
そして,それは質問項目ごとに毎回明示しなくても,最初に定義しておけばそれでいいでしょう。

いろいろな論文(調査報告書などではなく,いわゆる学会誌に投稿されるような論文)では,(4)に示した基準が多く使われていると思いますが,そのような場合であっても,たとえばクロス集計表は「不明」などを含んで示しても,二変数の独立性の検定では不明を除いて検定することが多いでしょう。
「不明・無回答」を除いたクロス集計表が提示されることも多いですよ。また,ご丁寧な表だと,「不明・無回答」を除いた場合と含めた場合の両方のパーセントを表示するようなこともあります。もっともそのようなことが必要なのは,「不明・無回答」が多いときであって,逆に言えば「不明・無回答」がそんなに多いということは,調査の信頼性自体が疑われるということにもなります。

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2540. Re^5: 論文中の%の記述法 青木繁伸  2004/03/02 (火) 08:34
どこに引っかかっているのか,なかなか分かりませんが,引用されたページでは,わざわざ
「1)回答比率の算出方法
 回答比率は,原則としてその設問の回答者数(無回答を含む)を基数として算出した。クロス集計の場合は,分類別の回答者数を基数として算出した。」
と,この調査結果報告書での定義を書いているのだから,それはそれで明確にされているではないですか?で,そして,この定義でも問題はないと思いますが。

もっとも,「原則としてその設問の回答者数(無回答を含む)を基数として」というのは,理解不能な言い回しですが(^_^;)。
無回答を含む回答者数ってどうやって数えるか??
 たぶん,これは私が前にあげた (4) で,要するに分析に使用できる標本を決めたら,その後の個々の項目の集計では,その項目に無回答のものも「無回答」として数えるよということでしょう。
原則でない場合には明記されているか??
基数という用語は??
  聞いたことないですね。基数というと,数学で言えば10進数の時の10,2 進数の時の2のようなものとか,英語で base といえば日本語では底と呼ばれる対数の底,英語で「基数と序数」という対で使われるもの(one, two, three と first, second, third)でしょうが。割合を計算するときの分母に当たるものは,やはり「分母」としか言いようがないように思われます。

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2543. Re^6: 論文中の%の記述法 HC  2004/03/02 (火) 16:13
> 基数という用語は??
>   聞いたことないですね。基数というと,数学で言えば10進数の時の10,2 進数の時の2のようなものとか,英語で base といえば日本語では底と呼ばれる対数の底,英語で「基数と序数」という対で使われるもの(one, two, three と first, second, third)でしょうが。割合を計算するときの分母に当たるものは,やはり「分母」としか言いようがないように思われます。

それはそれとしまして,とりあえず,こういう用語を使う分野もありますようということで....

JMRA(社団法人日本マーケティングリサーチ協会)の「調査めマネージメントガイドライン」のなかの「用語の定義・使用例(集計・分析関連)」には,

用語:
基数(きすう)

意味・内容:
ある質問項目の集計対象となるサンプル数のこと.総数(N)か該当者のみ(n)か,など.

他の同義語:
集計母数 ベース

とあります.JMRAのガイドラインにこうあるくらいなので,使う人は多いかも知れません.

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2544. Re^7: 論文中の%の記述法 青木繁伸  2004/03/02 (火) 17:26
検索しましたが,なかなか使用例が見つかりませんでした(疲れたので途中でやめましたが)

その中で,
http://www.city.hiroshima.jp/shimin/danjo/2zokusei.pdf
においては,分母ではなくて,分子のことを基数と呼んでいるみたいで驚きました。

II 調査回答者の属性
1.性別
基数(人) 比率(%)
1.女性 521 62.0
2.男性 317 37.7
(無回答) 3 0.4
合計 841 100.0

二列目が基数と呼ばれている。単位は人。
つまり,基数÷基数の合計×100=比率(%)となっている。

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2532. Re:論文中の%の記述法 ひの  2004/03/01 (月) 22:26
ですから,論文中のどこにもそれが明記されていないならそれはゴミ論文だということです。読む価値はありません。

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2520. Re:論文中の%の記述法 ひの  2004/03/01 (月) 00:55
> 100人を対象に社会調査を行います。ある設問に対して,無回答・不明の回答者が20人いるとします。論文中の記述で,「小泉首相が靖国神社に参拝することに40%の人が賛成している」とある場合,賛成の回答者は,32名なのでしょうか,それとも40名なのでしょうか。

 「何に対してか」は書いてないわけですから判断できません。%表記だけで実際の数が書いていないような論文は信用しないことです。

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