★ オッヅ比とその信頼区間 ★

629. オッヅ比とその信頼区間 鈴木洋一 2003/09/10 (水) 11:10
└630. Re: オッヅ比とその信頼区間 青木繁伸 2003/09/10 (水) 13:28
 └631. Re^2: オッヅ比とその信頼区間 鈴木洋一 2003/09/10 (水) 18:26


629. オッヅ比とその信頼区間 鈴木洋一  2003/09/10 (水) 11:10
遺伝型と疾患(喘息の発症)の相関の研究をしていますが,患者側の遺伝型の少ないほうのセルが0になってしまい。
このような場合,オッヅ比の計算をどう処理するのがいいのかわからないので,投稿いたしました。

データの状態は,

遺伝型のタイプ     A B
コントロール(人)   181  8
患者(人)      148 0

遺伝型のBのオッヅ比はオッヅ比の定義から,
(0/148)/(8/181)=0
となりますが,95%信頼区間を求める式では0のセルが分母に来ますので求められないと思います。
このような場合はオッヅ比を出そうということ自体がナンセンスなのでしょうか。
手元にある,統計関係の本では,唯一,医者いらずの医科統計学(INTUITIVE BIOSTTISTICS Harbery Motulskyの訳本)に,このような場合には,各セルに0.5を加える方法があると書いてありますが,この方法の根拠となる,引用できる論文はあるのでしょうか?
0.5を加えたデータで95%信頼区間をだしていいものでしょうか?

ご教授よろしくお願いいたします。

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630. Re: オッヅ比とその信頼区間 青木繁伸  2003/09/10 (水) 13:28
> 手元にある,統計関係の本では,唯一,医者いらずの医科統計学(INTUITIVE BIOSTTISTICS Harbery Motulskyの訳本)に,このような場合には,各セルに0.5を加える方法があると書いてありますが,この方法の根拠となる,引用できる論文はあるのでしょうか?

0.5 を加えるのは良くやられる方法ですね。
その本(の原書)を引用すればいいのではないでしょうか。

訳本ではいろいろあると思うが,原書を見てみました。

私の本棚にあった Statistical Methods in Epidemiology(Harold A. Kahn, Christopher T. Sempos)Oxford Univ. Press には,どんな場合にも 0.5 を加える方がよい(Haldane 1956, Fleiss 1979)とする論と,加えるべきではない(Mantel 1977, Miettinen 1979)が紹介されている。
著者はどちらにも組みしないと書いてあるが,どれかのセルが0である場合には当然加えねばならぬと書いてある。

以下は私が自分で確認したものではない。
Haldane JBS(1956), Ann Hum Genet 20:309
Fleiss JL(1979), J Chron Dis 32:69
Mantel N(1977), Am J Epidemiol 106:125
Miettinen OS(1979), J Chron Dis 32:80

名著として知られる Alan Agresti の Categorical Data Analysis(John Wiley & Sons, Inc.) にも,0.5 を加える定義を示してある。そこに挙げられている文献は,Gart and Zweiful(1967) と Haldane(1955)。

以下も直接見ていないが,
Gart and Zweiful(1967),Biometrika 72:179-190.
Haldane(1955), Ann HUman Genet20:309-311.

最後のものは上に上げた本の中では 1956 とされているが,同じものだろう。

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631. Re^2: オッヅ比とその信頼区間 鈴木洋一  2003/09/10 (水) 18:26
青木先生

大変詳しくお答えいただきありがとうございました。

0.5を加えたデータで,やってみます。
Gart and Zweifel(1967),Biometrika 72:179-190.
Haldane(1955), Ann Human Genet20:309-311.
あるかどうか図書館で探してみます。

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