★ Cox の比例ハザードモデルにおける F 検定とは ★

 229 Cox の比例ハザードモデルにおける F 検定とは  加藤  2003/04/03 (木) 13:11
  242 Re: Cox の比例ハザードモデルにおける F 検定とは  青木繁伸  2003/04/04 (金) 14:51
   243 Re^2: Cox の比例ハザードモデルにおける F 検定とは  加藤  2003/04/04 (金) 16:18
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  231 Re: Cox の比例ハザードモデルにおける F 検定とは  青木繁伸  2003/04/03 (木) 16:04


229. Cox の比例ハザードモデルにおける F 検定とは  加藤  2003/04/03 (木) 13:11
比例ハザードモデル(多変量)およびLogrank test(単変量)を用いて生存率に及ぼす因子を分析しました。サンプルが29例と少なかったのでp値だけではなくF値の記載が必要といわれました。ここでいうF値とは2 群の等分散性の検定で用いるものでしょうか?また,F値の記載は必要でしょうか?
使用しているStatViewではp値はカイ2乗を用いて算出しています。
以下のサイトの中の多変量の生存時間解析でF値について書いてありますが,
計算方法がよくわかりませんでした。
http://www.clg.niigata-u.ac.jp/~takagi/coxlife.html#prophazard

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242. Re: Cox の比例ハザードモデルにおける F 検定とは  青木繁伸  2003/04/04 (金) 14:51
> 比例ハザードモデル(多変量)およびLogrank test(単変量)を用いて生存率に及ぼす因子を分析しました。サンプルが29例と少なかったので

「わずか 29 例で比例ハザードモデルを適用するとは論外」という指摘(私信)がありました。

同じく,「Coef/SE は,t 分布ではなくて,単に正規近似である。二乗して自由度1のカイ二乗分布になっているだけ。」とも。

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243. Re^2: Cox の比例ハザードモデルにおける F 検定とは  加藤  2003/04/04 (金) 16:18
いろいろとありがとうございます。
> 「わずか 29 例で比例ハザードモデルを適用するとは論外」という指摘(私信)がありました。

査読者からは,「症例29例と少ない割に解析因子(8個)と多いため,解析結果の信頼度が十分かどうか疑問である。この観点からF値の記載が必須である」といわれました。
このF値の意味するものがよくわからず,困っておりましたが,青木先生からのご回答で不必要だということがわかりました。
比例ハザードモデルでは一体どれくらいサンプルがあれば適用できるものでしょうか?医学分野で珍しい症例はなかなか集まりません。是非ご教授ください。

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233. Re: Cox の比例ハザードモデルにおける F 検定とは  青木繁伸  2003/04/03 (木) 16:24
> サンプルが29例と少なかったのでp値だけではなくF値の記載が必要といわれました。

査読者に言われたんでしょうか。
その査読者は,重回帰分析などのときのような回帰の分散分析表を出せと言っているのでしょうか?

とんちきな査読者なんでしょうか,それとも私が馬鹿なだけなんでしょうか(^_^)

> ここでいうF値とは2 群の等分散性の検定で用いるものでしょうか?

いいえ,それは全く違います。

> また,F値の記載は必要でしょうか?

だから,何の F 値なんでしょうか。
重回帰分析のときのような,回帰の分散分析はできませんからそれではないのでしょうね。

Cox のモデルの当てはまり具合の指標は,対数尤度か,それから計算する AIC とかですね。

ところで,StatView で計算される,カイ二乗を用いた P 値ってなんなんでしょう。尤度比検定なのかな?

一般論から言えば,一番大事なのは P 値,それを計算するもとになる F 値とか t 値とか,カイ二乗値とか Z 値などは,表示するにこしたことはないけど,絶対に表示する必要があるかと言えばそうでもないと思う。(ちなみに,z 値意外の場合には,表示するときには自由度も表示したほうがいい)

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236. Re^2: Cox の比例ハザードモデルにおける F 検定とは  青木繁伸  2003/04/03 (木) 17:09
> > サンプルが29例と少なかったのでp値だけではなくF値の記載が必要といわれました。

査読者に言われたんでしょうか。
「サンプル数が少ないから P 値だけでは不十分」などという査読者は,それだけでとんちきでしょう。

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235. Re^2: Cox の比例ハザードモデルにおける F 検定とは  青木繁伸  2003/04/03 (木) 17:08
> Cox のモデルの当てはまり具合の指標は,対数尤度か,それから計算する AIC とかですね。
>
> ところで,StatView で計算される,カイ二乗を用いた P 値ってなんなんでしょう。尤度比検定なのかな?
>
> 一般論から言えば,一番大事なのは P 値,それを計算するもとになる F 値とか t 値とか,カイ二乗値とか Z 値などは,表示するにこしたことはないけど,絶対に表示する必要があるかと言えばそうでもないと思う。(ちなみに,z 値意外の場合には,表示するときには自由度も表示したほうがいい)

あなたの言っていたのが,
Model Null Hypothesis Tests for xxx
の表の Chi-Square と P-Value のことならば(たぶんそうでしょうね),
あなたの方が正しい(査読者がとんちき)。
この表にある,Wald, Score, Likelihood Ratio はそれぞれ3種類の検定結果で,いずれも Cox の比例ハザードモデルの当てはまり具合を検定している。

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232. Re: Cox の比例ハザードモデルにおける F 検定とは  青木繁伸  2003/04/03 (木) 16:16
> 使用しているStatViewではp値はカイ2乗を用いて算出しています。

だからーー,何の P 値でしょうか?

F 値から,P 値を求める近似で,
pf(x, 1, df, lower=F) ≒ pchisq(x, 1)
というのがありますけど,それを使っているのかな??
近似が良いためには,df がかなり大きくないといけません。

# これも,枝葉末節です。

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234. Re^2: Cox の比例ハザードモデルにおける F 検定とは  青木繁伸  2003/04/03 (木) 17:04
> F 値から,P 値を求める近似で,
> pf(x, 1, df, lower=F) ≒ pchisq(x, 1)
> というのがありますけど,それを使っているのかな??
> 近似が良いためには,df がかなり大きくないといけません。

デモバージョンをバックアップハードディスクから引っ張り出してきて,比較してみました。

理由はよく分からないですが,
Model Coefficients for xxx の表で,
Coef/SE は t 値なのに「t value」という表示をあえてしていませんね。
そして,その右にある Chi-Square というのは,Coef/SE の二乗値を表示しています(理論的には F 値)。なのになぜ,F value と表示していないのかはもっと不明。
更にその横にあるP-Value は,Chi-Square に基づいて,自由度1のカイ二乗分布の上側確率を出しています。

結局,私の推測は当たっていた。

それにしても,なんでこんなことをしないといけないのか。わけわからん。

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244. Re^3: Cox の比例ハザードモデルにおける F 検定とは  加藤  2003/04/04 (金) 16:36
いろいろお手数をおかけして大変申し訳ありません。

> デモバージョンをバックアップハードディスクから引っ張り出してきて,比較してみました。
> Model Coefficients for xxx の表で,
> Coef/SE は t 値なのに「t value」という表示をあえてしていませんね。
> そして,その右にある Chi-Square というのは,Coef/SE の二乗値を表示しています(理論的には F 値)。なのになぜ,F value と表示していないのかはもっと不明。
> 更にその横にあるP-Value は,Chi-Square に基づいて,自由度1のカイ二乗分布の上側確率を出しています。

最後のF値からP値を出すところですが,先生のページのF分布の確率で
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/CGI-BIN/fxp.html
F値=でた値,df=1,df2=n-m-1(データ数n,共変量の個数m)
と思うのですが,df2での共変量の個数は,例えば2つの因子なら2でしょうか
それとも,それぞれの因子を2群に分けていたとしたら4になるのでしょうか?
よろしくお願いします。

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245. Re^4: Cox の比例ハザードモデルにおける F 検定とは  青木繁伸  2003/04/04 (金) 17:23
> F値=でた値,df=1,df2=n-m-1(データ数n,共変量の個数m)
> と思うのですが,df2での共変量の個数は,例えば2つの因子なら2でしょうか
> それとも,それぞれの因子を2群に分けていたとしたら4になるのでしょうか?

「それぞれの因子を2群に分けていたとしたら」というのは,たとえば性別2カテゴリー,年齢が高齢者・若齢者の2カテゴリーみたいなことですか。
カテゴリー分けの数に関係なく,共変量の個数ですから,この場合ですと4ではなくて2です。

ちなみに,職業が例えば4カテゴリーに分かれているなら,それは1つの共変量として扱うのではなくて(カテゴリー数マイナス1)個のダミー変数として(つまり共変量はこの場合3個)扱うことになりますので,念のため。

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231. Re: Cox の比例ハザードモデルにおける F 検定とは  青木繁伸  2003/04/03 (木) 16:04
とりあえず,枝葉末節な所から。

> 以下のサイトの中の多変量の生存時間解析でF値について書いてありますが,
> 計算方法がよくわかりませんでした。
> http://www.clg.niigata-u.ac.jp/~takagi/coxlife.html#prophazard

説明してませんからね(^_^)
あそこの F 値は,その左の欄にある,係数と標準誤差の数値を使って以下のように表されるものです。
F 値 = (係数/標準誤差)^ 2
普通は(?)二乗せずに,
t 値 = 係数/標準誤差
を計算することが多いです(?)
いずれを使っても,計算される P 値は同じになります
データ数 n,共変量の個数 m とすると,
t の自由度は n-m-1
F の自由度は 1 と n-m-1
R で言えば,pt(x, n-m-1, lower=F) = pf(x^2, 1, n-m-1, lower=F) となります。

大事なこと
「この P 値は,H0:回帰係数=0 の検定のためのものです。」

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