★ 分散と不偏分散 ★

 196 分散と不偏分散  青木繁伸  2003/03/25 (火) 11:49
  197 Re: 分散と不偏分散  青木繁伸  2003/03/25 (火) 11:54
   199 Re^2: 分散と不偏分散  青木繁伸  2003/03/25 (火) 12:26


196. 分散と不偏分散  青木繁伸  2003/03/25 (火) 11:49
変動を n で割るか n-1 で割るか
それぞれを何と呼ぶか
「標本分散」とは何をさすか

これにも,ずいぶん混乱がある(統計学者の間でさえ...あ,私は統計学者じゃないですから)

石村貞夫,デズモンド・アレン「すぐわかる統計用語」東京図書
216ページの「分散」の項には,
「データや分布のバラツキの程度を示す量」
とあります。
定義式ですが,
「標本分散 $s^2 = \frac{(x_1-\bar{x})^2+(x_2-\bar(x})^2+ \cdots +(x_N-\bar{x})^2}{N-1}」
ですね。おやおや,N-1 で割ってあります。

ここで使われている「標本分散」という用語の使い方については私は agree
Excel などの説明で,n で割る方を,「標本(から計算した)の分散」と説明し手入るときの「標本」という言葉と紛らわしいが,
標本分散というときの標本は,標本平均,標本相関係数というのと同じである。
ただし,標本平均や標本相関係数は母平均や母相関係数の不偏推定値であるので問題ないのだが,母分散の標本推定値には「分散」と「不偏分散」の二つがあり,不偏なのは文字通り後者。しかし,「分散」も「不偏分散」も「標本分散」であることに変わりない。

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197. Re: 分散と不偏分散  青木繁伸  2003/03/25 (火) 11:54
これについては,繁桝算男ら編著「Q&Aで知る統計データ解析DOs and DON'Ts」サイエンス社の14ページは別の見解を取っている。n で割った方を標本分散,n-1 で割ったものを不偏分散としている。しかし,私は,前者は「標本データの分散」というニュアンスの命名だと思っている。あるいは,「標本の記述にしか適さない分散」か。

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199. Re^2: 分散と不偏分散  青木繁伸  2003/03/25 (火) 12:26
東京大学教養学部統計学教室編「統計学入門」東京大学出版会
の184ページ

{\bf 標本分散}の定義として,変動を n-1 で割った定義式を挙げています。
そして,n で割った方は

…(これ)も,標本から計算される分散だから「標本分散」(カッコは原文通り)であるが,`不偏でない`(偏りのある)標本分散である…

としてある。

# 一連のスレッドに取り上げている教科書類の引用は,どれが正しいとか,権威のありそうな著者のものが正しそうとか,私はどう評価するかというのは関係なく挙げていますから,誤解なきよう。

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