★ 3シグマ法による寸法公差の決定 ★

 104 3シグマ法による寸法公差の決定  ALPS石原  2003/03/10 (月) 16:45
  107 Re: 3シグマ法による寸法公差の決定  もと  2003/03/11 (火) 11:02
   144 Re^2: 3シグマ法による寸法公差の決定  ALPS石原  2003/03/17 (月) 12:53
    146 Re^3: 3シグマ法による寸法公差の決定  もと  2003/03/17 (月) 15:23
     149 Re^4: 3シグマ法による寸法公差の決定  ALPS石原  2003/03/17 (月) 17:20
      154 Re^5: 3シグマ法による寸法公差の決定  もと  2003/03/18 (火) 11:34
       156 Re^6: 3シグマ法による寸法公差の決定  ALPS石原  2003/03/18 (火) 21:08
   115 Re^2: 3シグマ法による寸法公差の決定  あっちゃん  2003/03/12 (水) 09:32
    145 Re^3: 3シグマ法による寸法公差の決定  ALPS石原  2003/03/17 (月) 15:00
     152 Re^4: 3シグマ法による寸法公差の決定  あっちゃん  2003/03/18 (火) 09:21
      153 Re^5: 3シグマ法による寸法公差の決定  ALPS  2003/03/18 (火) 09:28
       155 Re^6: 3シグマ法による寸法公差の決定  もと  2003/03/18 (火) 17:29
        157 Re^7: 3シグマ法による寸法公差の決定  ALPS石原  2003/03/18 (火) 21:21
         160 Re^8: 3シグマ法による寸法公差の決定  もと  2003/03/19 (水) 16:37
          167 Re^9: 3シグマ法による寸法公差の決定  ALPS石原  2003/03/20 (木) 19:21
           208 Re^10: 3シグマ法による寸法公差の決定  もと  2003/03/26 (水) 15:48


104. 3シグマ法による寸法公差の決定  ALPS石原  2003/03/10 (月) 16:45
機械設計に於いて,3シグマ法による公差の決め方というのがあるようなのですが,詳しいことが判りません。
どなたか教えて下さい!!

例えば,板厚10mmの板が10枚あり,各板の公差が±0.1mmであったとき,トータル高さの公差は100mm±1.0mmとなるのですが,これはあくまでも最悪値であって,確率的にはほとんどありえないことで,それを計算するのに標準偏差のような計算方法を使用するとか・・・?
ただ,単純に標準偏差ということではなく,各板厚の標準偏差の累積という形になるような気がするのですが・・・?

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107. Re: 3シグマ法による寸法公差の決定  もと  2003/03/11 (火) 11:02
 3シグマ法は以下のような考えであろうと推察します.
 統計的に独立した等しい統計量(平均m,標準偏差σ)の10個のX1,X2,・・,X10に対しZ=X1+X2+・・+X10とおく。
 Zの平均は10m,
 標準偏差はsqrt(10*σ^2)=sqrt(10)*σ≒3.162σ
 ここでめったにあり得ない最悪値はプラス・マイナス3σ(99.73%)から外れた,即ち3σ=0.1(mm)と見なす。
 Zの平均は10*10=100(mm),Zの標準偏差は3.162*0.1/3=0.1054(mm)
 したがって同様に最悪値は3シグマ法を用いて
  最小値 100-3*0.1054= 99.6838(mm)
  最大値 100+3*0.1054=100.3162(mm)
と統計的に推定できる.

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144. Re^2: 3シグマ法による寸法公差の決定  ALPS石原  2003/03/17 (月) 12:53
コメント有り難うございます。
念のため確認ですが(本文中記載)

>  3シグマ法は以下のような考えであろうと推察します.
>  統計的に独立した等しい統計量(平均m,標準偏差σ)の10個のX1,X2,・・,X10に対しZ=X1+X2+・・+X10とおく。
>  Zの平均は10m,
>  標準偏差はsqrt(10*σ^2)=sqrt(10)*σ≒3.162σ

→これは,各標準偏差の標準偏差ですね?

>  ここでめったにあり得ない最悪値はプラス・マイナス3σ(99.73%)から外れた,即ち3σ=0.1(mm)と見なす。

→最悪値を3σと仮定しているのですね?

>  Zの平均は10*10=100(mm),Zの標準偏差は3.162*0.1/3=0.1054(mm)
>  したがって同様に最悪値は3シグマ法を用いて
>   最小値 100-3*0.1054= 99.6838(mm)
>   最大値 100+3*0.1054=100.3162(mm)
> と統計的に推定できる.

概略理解できました。
やはり,各値の最悪値を3σと仮定して,その上で全体の3σを求めていくという方法になるのですね?

有り難うございました。

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146. Re^3: 3シグマ法による寸法公差の決定  もと  2003/03/17 (月) 15:23
→これは,各標準偏差の標準偏差ですね?

 そうです。統計量が異なる場合は以下のようになる。
 統計的に独立した統計量(平均mj,標準偏差σj,j=1〜10)の10個の
X1,X2,・・,X10に対しZ=X1+X2+・・+X10とおく。
 Zの平均:(m1+m2+m3+・・+m10),
 標準偏差:sqrt(σ1^2+σ2^2+σ3^2+・・+σ10^2)

→最悪値を3σと仮定しているのですね?

 正規分布と仮定してその生起確率から決めている。
例えば 一万回中27回以下(370回に1回以下)しか生じない確率(100%-99.73%)はプラマエ3シグマの外になる。
以下同様に
 100回に1回の確率なら    2.6シグマ
 1000回に1回の確率であれば 3.3シグマ
また
 20回に1回の確率であれば   1.96シグマ
 10回に1回の確率ならば    1.645シグマ
となる。
 
蛇足
 今回は和の統計量であったが,A,B,C,D,E,F等の統計量(平均値と標準偏差)を知って,例えば sqrt[A*log(B/C)+(D/E)^F]など関数の分散を偏微分法などを用いて簡便に求めることができる。

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149. Re^4: 3シグマ法による寸法公差の決定  ALPS石原  2003/03/17 (月) 17:20
くどいようですが,教えて下さい。

>  標準偏差:sqrt(σ1^2+σ2^2+σ3^2+・・+σ10^2)

→統計学の本によると,
 標準偏差:s=sqrt(V)
 V:分散 V=S/(n-1)
 S:平方和 

とかかれていました。
今回の標準偏差は(n-1)で割っていないのですが,何か違うのですか?

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154. Re^5: 3シグマ法による寸法公差の決定  もと  2003/03/18 (火) 11:34
> とかかれていました。
> 今回の標準偏差は(n-1)で割っていないのですが,何か違うのですか?


 xとyが独立の場合その和をzとすると以下のような恒等式が成立する。
なおE[・]は期待値オペレータである。
E[x]=mx,E[y]=my とおくと,Eは線形オペレータなので
E[x+y]=E[x]+E[y]=mx+my
この値をmzと定義する。

 和zの分散Var[z]は次式で定義される。
Var[z]=E[(z-mz)^2]
 以下変形すると
Var[z]=E[{(x+y)-(mx+my)}^2]
    =E[(x+y)^2]-2E[(x+y)(mx+my)]+E[(mx+my)^2]
    =E[x^2]-mx^2+E[y^2]-my^2+2E[xy]-2mxmy
x,yが独立であれば
Var[z]=E[x^2]-mx^2+E[y^2]-my^2       ----(1)
となる。
 一方,Var[x]=E[(x-mx)^2]
        =E[x^2]-2mxE[x]+E[mx^2]
        =E[x^2]-2mx・mx+mx^2
        =E[x^2]-mx^2           -----(2)
 式(2)の関係を式(1)に適用すると次式を得る。
Var[z]=Var[x]+Var[y]     -----------(3)

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156. Re^6: 3シグマ法による寸法公差の決定  ALPS石原  2003/03/18 (火) 21:08
→ Var[z]=Var[x]+Var[y]

ご説明いただいた式が理解できませんでした。
要するに,説明いただいた内容は分散の累積を意味するのでしょうか?

実際には,各値の最悪値を3σと仮定し,それらの2乗和平方根が求めたい全体の3σになるということのようですが・・・。
どうしてそうなるのかを説明いただいたようですが,私には少し難しすぎて・・・。

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115. Re^2: 3シグマ法による寸法公差の決定  あっちゃん  2003/03/12 (水) 09:32
>  3シグマ法は以下のような考えであろうと推察します.
>  統計的に独立した等しい統計量(平均m,標準偏差σ)の10個のX1,X2,・・,X10に対しZ=X1+X2+・・+X10とおく。
結果的には同じ内容ですが,2乗平方根(RSS)方法で考えればよいことだと思います。
例題 10mm で±0.1mmの公差のものが10枚で考えると
1枚1枚がたがいに無関係ならば,RSSの不確実さは,
    (10*0.1^2)=0.3162
     よって10枚の公差は,100±0.3162mm
 となります。
 重要なのは,公差決定の±0.1mmの見積もりであり
 ±0.1mmが3σであれば10枚時の±0.3162も3σであるといえると思います。     

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145. Re^3: 3シグマ法による寸法公差の決定  ALPS石原  2003/03/17 (月) 15:00
コメント有り難うございます。
ところで,2乗平方根(RSS)方法というのはどの様な物でしょうか?
計算方法(式)はわかり,3σでの計算と同じになることも理解できるのですが,実際にどのような時に使用するのでしょうか?

> >  3シグマ法は以下のような考えであろうと推察します.
> >  統計的に独立した等しい統計量(平均m,標準偏差σ)の10個のX1,X2,・・,X10に対しZ=X1+X2+・・+X10とおく。
> 結果的には同じ内容ですが,2乗平方根(RSS)方法で考えればよいことだと思います。
> 例題 10mm で±0.1mmの公差のものが10枚で考えると
> 1枚1枚がたがいに無関係ならば,RSSの不確実さは,
>     (10*0.1^2)=0.3162
>      よって10枚の公差は,100±0.3162mm
>  となります。
>  重要なのは,公差決定の±0.1mmの見積もりであり
>  ±0.1mmが3σであれば10枚時の±0.3162も3σであるといえると思います。     

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152. Re^4: 3シグマ法による寸法公差の決定  あっちゃん  2003/03/18 (火) 09:21
> コメント有り難うございます。
> ところで,2乗平方根(RSS)方法というのはどの様な物でしょうか?
> 計算方法(式)はわかり,3σでの計算と同じになることも理解できるのですが,実際にどのような時に使用するのでしょうか?
>
この概念は,最近計測誤差の概念が不確さという概念になったことにあります。
ご承知の通り,測定の誤差は一般に系統誤差を表しますが,実際の測定には,
偶然誤差も加わります。
現在その測定精度は,上記2つの誤差を含めた評価が,計器の精度に求められています。(これは,測定される側「公差」も同じ)
(ISO9000では試験・校正のトレーサビリティ)
この不確さを求める中で,複数の要因の不確さを合成するのにRSSを使用します。(3σと同じように拡張不確さをk= で表します)
タイトルが寸法公差の・・・だったので,不確さの概念の方が,その測定を行う計器の要求精度(不確さ)を含めて考えるのがよいのでは,と勝手に判断しコメントをいれました。
尚,RSS法 自体は ANSI/NCSL にガイドラインがあります。
  現在計測学で,不確さの組み合わせて最もよく使用されています。

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153. Re^5: 3シグマ法による寸法公差の決定  ALPS  2003/03/18 (火) 09:28
> 尚,RSS法 自体は ANSI/NCSL にガイドラインがあります。
>   現在計測学で,不確さの組み合わせて最もよく使用されています。

有り難うございます。
自分なりにもう少し調べてみます。

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155. Re^6: 3シグマ法による寸法公差の決定  もと  2003/03/18 (火) 17:29
> 自分なりにもう少し調べてみます。

RSS法とは推察するに
SRSS(Sqaure Root Sum of Squares)法,即ち二乗和平方根法とでも言える方法だと思う。
 「Re^5: 3シグマ法による寸法公差の決定」でも書いたが,
二変数を十変数に拡張し,Z=X1+X2+X3+・・・+X10 とおくと,
Var[z]=Var[x1]+Var[x2]+・・+Var[x10]    -----(1)
が得られる。
 zの標準偏差をσzとおき,かつxjの標準偏差をσxj (j=1〜10)とすると
  σz =sqrt(Var[z])
     =sqrt(σx1^2+σx2^2+・・+σx10^2)

    σz=Square-Root[Σ{j=1 to 10,Square(σxj)}]
      =SRSS[σxj]         ------------(2)
となり,式の体は名を表している.
 もちろん以上の変形には統計的に独立,正規分布などの条件が課せられる。これらの条件から外れると式(2)は近似式となり,課される精度によって適用範囲に制限を受けることになる。

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157. Re^7: 3シグマ法による寸法公差の決定  ALPS石原  2003/03/18 (火) 21:21
Var[z]=Var[x1]+Var[x2]+・・+Var[x10]    -----(1)

→要するに,分散は累積されるということですよね?

 zの標準偏差をσzとおき,かつxjの標準偏差をσxj (j=1〜10)とすると
  σz =sqrt(Var[z])
     =sqrt(σx1^2+σx2^2+・・+σx10^2)

    σz=Square-Root[Σ{j=1 to 10,Square(σxj)}]
      =SRSS[σxj]         ------------(2)

→こちらの式は理解できました。

結論として,全体の分散が,各値の分散の和に等しいということから求められるということ。
そして,各値の3σは最悪値で仮定するということになりますよね?

初心者の私にお付き合い有り難うございます。
なんとなく理解できてきました。

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160. Re^8: 3シグマ法による寸法公差の決定  もと  2003/03/19 (水) 16:37
> →要するに,分散は累積されるということですよね?

済みません。累積の意味が分かりません。式が意味する通りですが・・・。

> そして,各値の3σは最悪値で仮定するということになりますよね?

146 で回答済みです。最悪値の定義がないので,「3シグマは最悪値で仮定する」は意味不明です。
146の回答のように「正規分布と仮定してその生起確率から決める」としか言いようがありません。正規分布の場合,±3シグマを越えるは生起確率は(100-99.73)%に相当する。

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167. Re^9: 3シグマ法による寸法公差の決定  ALPS石原  2003/03/20 (木) 19:21
→済みません。累積の意味が分かりません。式が意味する通りですが・・・。

表現が間違っていました。
式が意味するとおり,『全体の分散の和は,各値の分散の和に等しい』の意味でした。
これを分散の加法性と言うようですが・・・?

→最悪値の定義がないので,「3シグマは最悪値で仮定する」は意味不明です。

本来私が求めたかったのは,一番初めの問い合わせの内容,すなわち,公差を持った各値の総和が,単純に公差の足し算ではなく,統計学的に求めるといくつになるかということ。
ここで最悪値といっているのは各値の公差+0.1or-0.1になります。
ただ,各値というのは実測値ではないので,3σは求められず,99.73%の確率で3σ内に入るということを前提に,最悪値0.1を3σとおいている。
これを,『3σは最悪値で仮定する』と表現しました。

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208. Re^10: 3シグマ法による寸法公差の決定  もと  2003/03/26 (水) 15:48
もともと世の中で言われている3シグマ法の中身を知らないで,3シグマからの推察で回答した。そして「3シグマ法とは最悪値を3シグマに対応させる方法か?」と尋られ,最悪値は公差ときた。では公差とは?JIS(日本規格協会)を調べてもばらつきの分布に関する記述はない。したがって私には答えられない。
ところで世の中には汎用の公差解析ソフトが存在し,eM-TolMate,TASysWorks,3DCSとCE/TOL 6σがある。前三者がモンテカルロ法,最後がモーメント法を適用。公差解析とは各組立部品の公差を規定し,組み立て手順と接触条件を与え所定の点と点,直線と直線,面と面などの距離のほか三点間,2面間,平面と直線のなす角度の公差を計算する。
各部品のばらつきは測定値を直接入力することができる。またある程度分布形状が既知であれば正規分布などの分布形状を備えている。
 ユーザの指定した10,000回などのモンテカルロ・シミュレーションでそのばらつきを計算し指定公差に対する不良品発生確率などを出力する。
 当たり前だが入力の公差のばらつきの分布形状(あるいは統計的諸量)を与えなければ出力のばらつきの統計量は得られない。

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