★ 検定って不可欠でしょうか? ★

 258 検定って不可欠でしょうか?  Yasuyuki OKUMURA  2002/12/19 (木) 06:31
  260 Re: 検定って不可欠でしょうか?  青木繁伸  2002/12/19 (木) 09:15
   269 Re^2: 検定って不可欠でしょうか?  青木繁伸  2002/12/19 (木) 19:20
    270 Re^3: 検定って不可欠でしょうか?  Yasuyuki OKUMURA  2002/12/19 (木) 21:34
     271 Re^4: 検定って不可欠でしょうか?  青木繁伸  2002/12/19 (木) 21:57
   264 Re^2: 検定って不可欠でしょうか?  Yasuyuki OKUMURA  2002/12/19 (木) 18:01
    268 Re^3: 検定って不可欠でしょうか?  青木繁伸  2002/12/19 (木) 19:09
    265 Re^3: 検定って不可欠でしょうか?  青木繁伸  2002/12/19 (木) 18:45
     266 Re^4: 検定って不可欠でしょうか?  青木繁伸  2002/12/19 (木) 18:48


258. 検定って不可欠でしょうか?  Yasuyuki OKUMURA  2002/12/19 (木) 06:31
はじめまして.
検定に関して,私と友人と
以下のやりとりがありまして,
みなさまのご意見頂きたいと思いまして投稿させて頂いております.

ちなみに
私→検定不要派
友人→検定必要派
です.

私 「検定って初めからしない方がいいんじゃないの?
   例えば,独立な2群の平均値差を比較したいんだったら,
   効果量から優越率算出して
   実質科学的に意味がある差がある
   って言った方がいいじゃん.
   そもそも統計検定量は,効果の大きさ×標本サイズ
   なんだから,だったら効果の大きさを直接出す方が誠実じゃない?」

友人「心理学の慣例で,5%水準で有意であったか否かで問う方が
   明確な線引きがあって楽.
   そもそも,実質科学的に判断するって,恣意的にならない?
   それに,t検定から効果量出すのは知ってるけど
   分散分析に対応できるの?分散分析に使えないと,実質使いにくくない?」

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260. Re: 検定って不可欠でしょうか?  青木繁伸  2002/12/19 (木) 09:15
あなたの意見の方が正しいです。

> 友人「心理学の慣例で,5%水準で有意であったか否かで問う方が
>    明確な線引きがあって楽.

楽だと言うことは,いい加減さに通じる。

>    そもそも,実質科学的に判断するって,恣意的にならない?

なりません。そもそも,どれくらいのサンプルを取るかという段階で,サンプルサイズを決めるには,どれくらいの差であれば検出できるようにしようかと考えるときに,そこで決定する差は暫定的なものであっても,実質科学的なものである必要があります。

そもそも,サンプルサイズを決める必要があるというのも一般的にはなかなか認識されていない(少なくとも実際に行われていないことが多い)ことも,データを適当にとって,検定を行っていれば格好が付くという悪しき慣習が横行している原因です。

>    それに,t検定から効果量出すのは知ってるけど
>    分散分析に対応できるの?分散分析に使えないと,実質使いにくくない?」

分散分析の場合であっても効果量は出せます。

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269. Re^2: 検定って不可欠でしょうか?  青木繁伸  2002/12/19 (木) 19:20
> あなたの意見の方が正しいです。

読み返してみると,あなたは,「検定は全く不要」いっているのですか。

それはまた極端ですね。それはあなたも間違っている。

繰り返しますが,
実質的に意味がないのに検定して有意差があったといっても無意味。
実質的に意味があって,なおかつ検定で有意差があることを示して初めて科学的根拠に基づいて判断を下せるということです。

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270. Re^3: 検定って不可欠でしょうか?  Yasuyuki OKUMURA  2002/12/19 (木) 21:34

> 読み返してみると,あなたは,「検定は全く不要」いっているのですか。
> それはまた極端ですね。それはあなたも間違っている。
やはり極端すぎました…

> 実質的に意味がないのに検定して有意差があったといっても無意味。
> 実質的に意味があって,なおかつ検定で有意差があることを示して初めて科学的根 拠に基づいて判断を下せるということです。

このご説明で理解できました
完全に勘違いしてました,ご指導ありがとうございます.
科学的な方法としては
効果量+区間推定を報告という形が望ましいということですね.

>「3水準以上」ということですか?つまり,一元配置分散分析?

語法が変でした,すいません.一元配置で3水準以上という意味です.

>類似の研究結果と比較してどうやって判断するのですか
>過去の研究結果の意味づけ(結論づけ)を正しいとして,それに近ければ正しいとす>るのですか。それはおかしいのではないでしょうか。

研究領域によって,
[0.8=効果が大きい]とか[0.2=小さい]とか一意に決められないと思いまして
そのような解釈をしております.
…間違っていますか?

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271. Re^4: 検定って不可欠でしょうか?  青木繁伸  2002/12/19 (木) 21:57
> 効果量+区間推定を報告という形が望ましいということですね.

でしょうね

> 語法が変でした,すいません.一元配置で3水準以上という意味です.

power analysis をやってくれるソフトはたくさんあり,フリーの
http://www.psycho.uni-duesseldorf.de/aap/projects/gpower/
などもお勧めです(Macintosh版とWindows版があるし)。そのアルゴリズムの解説は
http://www.psycho.uni-duesseldorf.de/aap/projects/gpower/about/about_gpower_05.html
などにあり,参考文献も挙がっています。

> 研究領域によって,
> [0.8=効果が大きい]とか[0.2=小さい]とか一意に決められないと思いまして
> そのような解釈をしております.
> …間違っていますか?

それは間違えてはいないと思います。
分野の独自性というか特異性はあるでしょう。
それでもなお,Cohen が定めた 0.2, 0.5, 0.8 は国際標準(??)としての意味もあるでしょうね。

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264. Re^2: 検定って不可欠でしょうか?  Yasuyuki OKUMURA  2002/12/19 (木) 18:01
お返事ありがとうございます。

そもそも,検定を行うことの意味はあるのでしょうか?

矛盾を感じることがあるのですが
メタ分析をする際の慣例で
母集団効果量の区間推定をしますが
区間推定はあくまで目安
(どのくらいの信頼区間の幅に抑えたら実質的に意味があるのか)
程度に捉えておくべきだと,私は思っておりますが
「メタ分析で統合した結果,Overoll EffectSize=0.8→Cohenの定義では大きな効果.信頼区間が0を含まないから意味がある」
という解釈は,ナンセンスではないでしょうか?

それをするならば
「メタ分析で統合した結果,優越率が70%であった.
優越率の信頼区間は60〜75%の間であった。
分野によって,過去の類似の研究結果によって,意味があるかどうかを判断する」
という形では変でしょうか?
効果量よりも,確率の指標で出てきたほうが
実質科学的な知見を導入しやすいと思うのです。

> 分散分析の場合であっても効果量は出せます。
3要因以上の算出方法を存じ上げないのですが
よろしければ文献等教えて頂けないでしょうか?

分散分析の場合でも効果量を出せるのならば
検定を全くしないで→効果量や優越率を報告
という形で結果報告することもありなのでしょうか?

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268. Re^3: 検定って不可欠でしょうか?  青木繁伸  2002/12/19 (木) 19:09
> > 分散分析の場合であっても効果量は出せます。
> 3要因以上の算出方法を存じ上げないのですが
> よろしければ文献等教えて頂けないでしょうか?

あなたは,「3要因以上」という用語を使っていますが,ひょっとしてこれは「3水準以上」ということですか?つまり,一元配置分散分析?
「3要因」というと三元配置分散分析とかになりますからね。

どっちですか。

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265. Re^3: 検定って不可欠でしょうか?  青木繁伸  2002/12/19 (木) 18:45
> そもそも,検定を行うことの意味はあるのでしょうか?

実質的意味がある(効果量に意味がある)ときに,統計学的に有意であるかどうかは大切です。
サンプルサイズが小さいときに,たまたま大きな効果量が得られている可能性を否定しておかないといけないでしょう。

>> 区間推定はあくまで目安
> (どのくらいの信頼区間の幅に抑えたら実質的に意味があるのか)
> 程度に捉えておくべきだと,私は思っておりますが
> 「メタ分析で統合した結果,Overoll EffectSize=0.8→Cohenの定義では大きな効果.信頼区間が0を含まないから意味がある」
> という解釈は,ナンセンスではないでしょうか?

大きな効果があり,それが偶然ではない(検定で有意)というのですから,ナンセンスでも何でもないのではないですか。

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266. Re^4: 検定って不可欠でしょうか?  青木繁伸  2002/12/19 (木) 18:48

> それをするならば
> 「メタ分析で統合した結果,優越率が70%であった.
> 優越率の信頼区間は60〜75%の間であった。
> 分野によって,過去の類似の研究結果によって,意味があるかどうかを判断する」
> という形では変でしょうか?

類似の研究結果と比較してどうやって判断するのですか。
過去の研究結果の意味づけ(結論づけ)を正しいとして,それに近ければ正しいとするのですか。それはおかしいのではないでしょうか。

> 効果量よりも,確率の指標で出てきたほうが
> 実質科学的な知見を導入しやすいと思うのです。

矛盾するようなこと言ってませんか?

> > 分散分析の場合であっても効果量は出せます。
> 3要因以上の算出方法を存じ上げないのですが
> よろしければ文献等教えて頂けないでしょうか?

2要因の場合にはあるのですか?ましてや,3要因以上の場合については知りませんね。
だって,複数の要因の複合された効果量をどうやって表現するのですか。

> 分散分析の場合でも効果量を出せるのならば
> 検定を全くしないで→効果量や優越率を報告
> という形で結果報告することもありなのでしょうか?

繰り返しになりますが,ないです。

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