★ 予備検定の多重性について ★

 277 予備検定の多重性について  ファルケ  2002/01/17 (木) 23:11
  287 Re: 予備検定の多重性について  伊達  2002/01/18 (金) 13:22
   373 Re^2: 予備検定の多重性について  ファルケ  2002/01/25 (金) 20:55
    376 Re^3: 予備検定の多重性について  青木繁伸  2002/01/25 (金) 21:16
     377 Re^4: 予備検定の多重性について  伊達  2002/01/25 (金) 22:17


277. 予備検定の多重性について  ファルケ  2002/01/17 (木) 23:11
初めて書き込みさせていただきます。
下記のような状況で感じた疑問に対してご教授頂きたく,
書き込ませて頂きました。

A群,B群各50人の被験者の物質Xの血中濃度を
測定し,その差を調べることを計画しました。

まず,A群,B群それぞれのX濃度について測定を行い,
データを得ました。

有意差検定に先立ち,A群,B群それぞれについて正規性
検定を行い,正規分布であることを確認しました。
次に,F検定を行い,等分散性を確認しました。
正規分布かつ等分散であったので,student-t検定を
行ったところ,危険率 p<0.05で有意差を認めました。

と,同僚に説明したところ,そのやり方では検定を4回
(正規検定2回 + F検定 + t検定)行っていて,
多重性の問題があるのではないか?と指摘されました。

言われてみればそのような気もしますが,セオリーに従って
いるとも言えると思いました。
このように,t検定を行う前に予備的に前提条件(正規性,
等分散性)を確認するような検定は多重性に考慮すべきなの
でしょうか。あるいは,そのような議論を避けたければ
最初からMann-Whitney検定でやった方がよかったのでしょうか。

アドバイスをいただければ幸いです。

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287. Re: 予備検定の多重性について  伊達  2002/01/18 (金) 13:22
> このように,t検定を行う前に予備的に前提条件(正規性,
> 等分散性)を確認するような検定は多重性に考慮すべきなの
> でしょうか。
足立堅一 (1998)らくらく生物統計学, 中山書店
のp120には
「T検定とF検定では検定の指向するところが全く異なることに・・・」
などとあります。私も「多重性」とは別問題だと思います。

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373. Re^2: 予備検定の多重性について  ファルケ  2002/01/25 (金) 20:55
コメント有り難うございました。
ご指摘の本を確認してから,と思い,お返事が遅くなりました。

なるほど,私が質問したのと同じ状況(t検定の前提確認のための
F検定)が「検定の繰り返しが許容される局面」として例示されて
おり,t検定を繰り返すような,よく言う「多重性」とは違う事も
理解できました。

ただ,やはり気になったのは,F検定にも当然βの誤謬がある
わけで,本当は等分散でないものを見逃して,等分散と判定し,
student-t検定をしてしまう可能性がある事も,広い意味で
「多重性」と言うのかな?とも思いました。
ちょっと違うかもしれませんが・・・いずれにしても,この場合は
許される,と理解いたしました。

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376. Re^3: 予備検定の多重性について  青木繁伸  2002/01/25 (金) 21:16
> ただ,やはり気になったのは,F検定にも当然βの誤謬がある
> わけで,本当は等分散でないものを見逃して,等分散と判定し,
> student-t検定をしてしまう可能性がある事も,広い意味で
> 「多重性」と言うのかな?とも思いました。

岩原信九郎の教科書で,F検定を等分散かどうかの予備検定に用いる場合には,有意水準を4倍くらいにしておきなさい(つまり,本来5%の有意水準で検定するなら,それを20%程度にして置きなさい)というアドバイスがあったと思います。

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377. Re^4: 予備検定の多重性について  伊達  2002/01/25 (金) 22:17
> 岩原信九郎の教科書で,F検定を等分散かどうかの予備検定に用いる場合には,有意水準を4倍くらいにしておきなさい(つまり,本来5%の有意水準で検定するなら,それを20%程度にして置きなさい)というアドバイスがあったと思います。
今,手元に本がないので正確ではないかもしれませんが,
「SASによる実験データの解析」東大出版 にも同じような記述がありました。その考え方を本当に採用していい
のでしょうか・・・。私的にはF検定の頑健性を信じて,20%でもいいと思ってますが,データ解析結果を公開する
(例えば論文など)場合にはそれで通用するのか,不安になっています。

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