★ 因子分析と尺度構成 ★

 209 因子分析と尺度構成  えま  2002/01/10 (木) 08:35
  212 Re: 因子分析と尺度構成  青木繁伸  2002/01/10 (木) 10:27
   238 Re^2: 因子分析と尺度構成  えま  2002/01/12 (土) 07:44
    239 Re^3: 因子分析と尺度構成  青木繁伸  2002/01/12 (土) 08:06
     241 Re^4: 因子分析と尺度構成  青木繁伸  2002/01/13 (日) 14:50
     240 Re^4: 因子分析と尺度構成  青木繁伸  2002/01/12 (土) 18:13


209. 因子分析と尺度構成  えま  2002/01/10 (木) 08:35
小学生の生活充実度 という質問紙の作成を試みています。
「家庭」「学校」「健康」「環境」等の分野を想定して
70ほど質問(5点法)作り,およそ200人の児童で試してみました。
ところが,回答を因子分析してみると,想定した質問群には各因子はほとんど対応せず,例えば,
「授業についていけるか不安になることがある」(学校)
「両親とよくけんかをする」(家庭)
「頭やおなかが痛いことがある」(健康)
というような違う想定質問群の質問に共通因子が見られるのです。
多分,「不安,悩み」といった因子と解釈できますよね。

私はこういう結果なら,「家庭」,「学校」よりも「心理的不安」というような質問群を設定する,または質問文を変えるべきではないかと言ったのですが,グループの他のメンバーは,違う生活場面にも共通の部分があるのは当然で,このままでいいのだと譲りません。

確かに想定質問群ごとのクロンバック係数は,7,8項目で70-75とそんなに悪くないのです。
こうなると他のメンバーも一理あるような気がしてきた上に,何か本質的に考え方,研究の進め方が間違っているような不安にもかられています。どなたかどうしたらいいか教えてください。

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212. Re: 因子分析と尺度構成  青木繁伸  2002/01/10 (木) 10:27
> 確かに想定質問群ごとのクロンバック係数は,7,8項目で70-75とそんなに悪くないのです。

クロンバックのαが 0.7〜0.75 というのは,ほめられた尺度ではありません。

因子分析で,因子はいくつ抽出されましたか?また,各因子の因子負荷量の二乗和(固有値)はいくつくらいでしたか。(SPSS が出力する累積寄与率はあてにしてはいけません)
Kaiser - Meyer - Olkin のサンプリング適切性基準の値はどれくらいでしたか?

無理矢理尺度を作っても,役に立たない,使えない尺度になってしまうかもしれません。ご注意。

探索的因子分析ではなくて,確認的因子分析の方向を試みるべきではないかとも思います。

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238. Re^2: 因子分析と尺度構成  えま  2002/01/12 (土) 07:44
青木さん,迅速な回答ありがとうございます。

> αが 0.7〜0.75 というのは…
 
あらら…そうですか。

> 因子数 固有値

 最尤法で9個有意,固有値1以上と減少具合から,6つとりました。それぞれ5.6,3.3,2.7,2.2,1.7,1.6です。(一応,累積寄与率は6つ目で0.634です)

> Kaiser - Meyer - Olkin

青木さんのページで見て知りましたが,わかりません。spss,sas,statviewなどで算出できるのでしょうか?

> 無理矢理尺度を作っても…

ですよねえ。
前回からひっかかっているのが,例えば算国理社のテストを因子分析した結果,読解能力と分析能力の2つの因子が非常に明らかに観察できて,テスト問題を完全に2分できたとします。そのとき,4科目でそれぞれ合計点を出して評価するのではなく,分野を混ぜた読解と分析2項目それぞれの合計点での評価のほうが妥当なのではということなのです。
「別の分野を混ぜるとは何事だ。各科目に共通面があるのは当然だ。」というのが私のグループのメンバーの意見なのですが…。

> 確認的因子分析

話には聞いたことはありますが,実際にタッチしたことはありません。皆さん専用のソフトを使っているみたいですし…。

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239. Re^3: 因子分析と尺度構成  青木繁伸  2002/01/12 (土) 08:06
>  最尤法で9個有意,固有値1以上と減少具合から,6つとりました。それぞれ5.6,3.3,2.7,2.2,1.7,1.6です。(一応,累積寄与率は6つ目で0.634です)

再確認します。上の6つの固有値の合計は 17.1 です。
「70ほどの質問を因子分析」とありましたが,上の分析でも70質問くらいなのですか?
だとすると,6因子までの累積寄与率は 17.1/70≒24.4%ということになるのですが。
SPSSの寄与率はインチキです。分母にご注意。

> > Kaiser - Meyer - Olkin
>
> 青木さんのページで見て知りましたが,わかりません。spss,sas,statviewなどで算出できるのでしょうか?

SPSS で計算できるはずです。

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241. Re^4: 因子分析と尺度構成  青木繁伸  2002/01/13 (日) 14:50
> > > Kaiser - Meyer - Olkin
> > > > 青木さんのページで見て知りましたが,わかりません。spss,sas,statviewなどで算出できるのでしょうか?
>
> SPSS で計算できるはずです。

KMO の計算式のページの二つの計算式において,分母の?は+のミスでした。

R で書くと以下のようになります(いつもながら簡潔に書けるので感心)
kmo <- function(x)
{
    r <- cor(x)
    i <- solve(r)
    d <- diag(i)
    p <- -i/sqrt(outer(d,d))
    diag(p) <- 0
    diag(r) <- 0
    r2 <- sum(r^2)
    return (r2/(r2+sum(p^2)))
}

# example
x <- matrix(c(1,2,3,4,3, 5,14,3,2,4, 6,5,4,6,3, 4,3,2,6,5), 5)
kmo(x)
# returned value = 0.5396372

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240. Re^4: 因子分析と尺度構成  青木繁伸  2002/01/12 (土) 18:13
> SPSSの寄与率はインチキです。分母にご注意。

昔は変だったのだけど,いまはまともになったようですね。?

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