★ 「どちらでもない」をどう処理すればいいのですか? ★

 169 「どちらでもない」をどう処理すればいいのですか?  岩重達也  2000/04/09 (日) 12:17
  170 Re: 「どちらでもない」をどう処理すればいいのですか?  マンボウ  2000/04/09 (日) 21:27
   173 Re^2: 「どちらでもない」をどう処理すればいいのですか?  岩重達也  2000/04/10 (月) 20:40
    174 Re^3: 「どちらでもない」をどう処理すればいいのですか?  マンボウ  2000/04/10 (月) 22:34
     175 Re^4: 「どちらでもない」をどう処理すればいいのですか?  マンボウ  2000/04/10 (月) 22:37


169. 「どちらでもない」をどう処理すればいいのですか?  岩重達也  2000/04/09 (日) 12:17
目的は,ある精神疾患の治療法がどんな性格の人に有効かを調べることです。方法として,550項目からなる心理検査をして,70ケースから回答を得ました。各項目への回答は三択方式の質的データで,「はい」を1,「いいえ」を2,「どちらでもない」を3として統計ソフトに入力しました。治療効果に関係する性格特徴を知るために,70ケースを改善群と不変群の2群に分け,心理検査の各項目を一つの変数として,2×3のχ二乗検定を550回しました。
そこで,この3の「どちらでもない」についてですが,被検者は3という判断をしているのですから,欠損値とせずに2×3で検定していけば良いのでしょうか。アドバイスをお願いします。3の出現率は550回の検定で半分以下です。
今後,判別分析へ結べつけることが出来ればと考えています。

     [このページのトップへ]


170. Re: 「どちらでもない」をどう処理すればいいのですか?  マンボウ  2000/04/09 (日) 21:27
検定手法としてカイ二乗検定(独立性の検定,分布の差の検定)を使う場合には1,2,3というスコアを与えても良いでしょうが,「カテゴリーに順序関係があると仮定する」手法(マン・ホイットニーのU検定など)を使う時には,「はい」,「どちらでもない」,「いいえ」の順に1,2,3などとしておかないといけませんね。

なお,以下のことに注意しておく必要があると思います。

1:個別の項目の検定で,群間に差はないと言う結果になった項目が判別分析に無関係だとは言えないこと。

2:550項目というのは余りにも多すぎますが,判別関数を作成するために使用できる項目数は,両群あわせたケース数よりも大きくすることはできません(その意味では両群あわせて70ケースと言うのはかなり少ないですね。安定した判別関数が得られたかどうかは慎重に判断する必要があると思います)。

3:70ケースの内訳はどう言う具合になっているでしょうか。二群の割り合いがアンバランスなときには注意が必要かと思います。

4:判別分析には,いわゆる判別関数法,数量化 II 類の2つの方法がありますが,岩重さんの場合には,数量化IIるいが適しているのかもしれません。

     [このページのトップへ]


173. Re^2: 「どちらでもない」をどう処理すればいいのですか?  岩重達也  2000/04/10 (月) 20:40
アドバイス,ありがとうございます。
「はい」「いいえ」「どちらでもない」の三択から「どちらでもない」を選んだということは,この質問項目に対して,一つの選択をしたということなんですね。(データがないと考えるのではなくて。)
さらに,「どちらでもない」は順序尺度という点から見れば,1,2,3の2番目に位置するということですね。
現在クロス集計表で,ある項目と治療結果の関連性を調べていますが,「どちらでもない」というセルに1とか2といった小さな数字がたまに入ります。(ほとんどの場合「どちらでもない」を選ぶ人はなく,2×2の集計表になるんです。)期待度数が5以下の場合,Fisher の直接確率法を使うように学んだのですが,逆にすべての場合に直接確率法を使っても良いのでしょうか。統計ソフトに付いていて,簡単に利用できるので。
また,将来判別分析をしようとする時に備えて,「はい」「どちらでもない」「いいえ」の順に1,2,3としておくべきでしょうか。

     [このページのトップへ]


174. Re^3: 「どちらでもない」をどう処理すればいいのですか?  マンボウ  2000/04/10 (月) 22:34
> 「どちらでもない」というセルに1とか2といった小さな数字がたまに入ります。(ほとんどの場合「どちらでもない」を選ぶ人はなく,2×2の集計表になるんです。)

心理的な質問や政治ガラミの調査などの場合には,「どちらでもない」への回答者が多くて困ると言うようなことがある様ですが...(そのために,回答の選択肢の個数は偶数にした方がよい---態度をはっきりさせることを強要する---ということもあります)

> 期待度数が5以下の場合,Fisher の直接確率法を使うように学んだのですが,逆にすべての場合に直接確率法を使っても良いのでしょうか。

コンピュータがなかった(使いにくかった)時代には,Fisher の直接確率法は容易には適用できなかったわけです。いまや,そのような状況は一変しましたので,どんな場合にも正確な方法である Fisher の直接確率法を標準手法として採用するのはちっとも異様なことではなくなりました。

つづく

     [このページのトップへ]


175. Re^4: 「どちらでもない」をどう処理すればいいのですか?  マンボウ  2000/04/10 (月) 22:37
> また,将来判別分析をしようとする時に備えて,「はい」「どちらでもない」「いいえ」の順に1,2,3としておくべきでしょうか。

数量化II類を使うならコーディングはそのままで良いでしょう。
判別分析(線形判別関数,正準判別分析など)の場合にはそのようにしておいた方がいいかもしれません。しかし,「はい」「どちらでもない」「いいえ」は順序尺度にしか過ぎないので,判別分析を行うのは不適切である可能性が高いでしょう。
もっとも,ダミー変数を使う判別分析であるという観点からは,判別分析を行うこともできますが,そのような場合にはどっちみちコーディングはどちらでもよいことになりますね。

それと,前のコメントでは強く書かなかったので見のがしたかも知れませんが,回答の選択肢が順序尺度なので,カイ二乗検定ではなくて,マン・ホイットニーのU検定を採用すべきでしょう。

     [このページのトップへ]


● 「統計学関連なんでもあり」の過去ログ--- 007 の目次へジャンプ
● 「統計学関連なんでもあり」の目次へジャンプ
● 直前のページへ戻る